今日のわたしの過ごし方
今日は朝からずっと雨が降っている。音からしてかなりの雨量なのではないかと思う。
この二文を書いた所でぴたりと雨が止み急に風が強くなってきた。不思議な天気だ。
わたしは振り回されない。
家の中を満喫するのだ。
今は11時55分だが、私はこれから甘いものを食べる(予定)。ふわふわしたケーキのようなものを食べたい。朝ごはんは食べたけれどなぜかお腹がぺこぺこだ。
でも冷蔵庫にはそんなふわふわは無いような気がしているので足取りは重い。お腹が鳴った。仕方ないから見に行こうと重い腰を上げる。
私は2階の自分の部屋にいる。同じ2階に冷蔵庫と冷凍庫が一個づつある。便利だ。
お腹が空いているせいか、チャーリーとチョコレート工場が頭に浮かぶ。父と母はあまり好きでは無いらしいが、あの作品は素晴らしいと思う。父と母も作品に出会うのが幼少期だったならきっと大好きになっていたはずだ。特に今はチョコレート川のチョコレートをお玉ですくって飲むシーンが見たい。CDがあるので後で観ようと心に決める。
冷蔵庫には"おいしく果実 桃"のヨーグルトがあった。もちろんケーキほどの満足感は得られないが封を開けて食べてみると、そんな事を考えていたのも忘れるくらい美味しい。
でもヨーグルトひとつでお腹は満たされない。
今日は土曜日。弟だけが仕事で、母は二回目のコロナ予防接種のせいで具合が悪い。父も美味しいご飯を作るのだが休日は台所に立たない。祖母は認知症で三年前くらいからほぼお味噌汁しか作っていない。祖父は脳梗塞を患い右半身麻痺だが、気分が乗った時は稀に作ることもある。料理上手だ。
よって今日は半強制的に私が作る事になる。
でも嫌では無い。むしろ、よし!何を作ろうか…!と言うような前向きな姿勢ですらある。
心の中で意気込んで下に降りると、いつも通り祖父はソファでテレビを見ていて、祖母はトイレの手拭きタオルを洗濯機に運んでいた。
冷蔵庫に昼の分の材料しか無く、買い出しに行かなければいけない。家を満喫すると言う計画は儚く散った。
車庫のランニングマシーンで運動をしたらしい父が戻ってきた。父は朝から少し不機嫌だ。私に対してではなく、祖母に対して苛立っているのかも知れない。具合のわるい母にかも、分からない。
母はいつも頭が痛いやだるいと言っているイメージがあるので童話のオオカミ少年現象が起きてしまう。本当に辛いのだと思うが、人は弱音を嫌う。可哀想だ。
昼食を早く上に持って行きたそうだったので、母と父の分のお肉を先に焼いた。父はカップラーメンにお湯を入れたり残り物をチンしたりして焼けたお肉と共に二階に上がった。
祖母は相変わらず忙しそうに何かをしている。大体パターンは決まっていて、洗濯か、畑で飼っている鶏の餌の準備をしているイメージがある。
祖父母はあまり野菜を食べないので炒めたお肉に大量の玉ねぎを入れた。これで血もサラサラになるはずだ。玉ねぎパワー。
祖父のいる茶の間のテーブルに二人分のご飯を運ぶ。祖父は"いただきます"と言ってソファから降りると、いつも通り初めに味噌汁を一口すする。私は祖父のこのルーティンが好きだ。
祖母も"ありがとう"といって座布団に座る。ありがとうは本当に良い言葉だと思う。ありがとう"を生み出してくれた人、ありがとう、と言う気持ち。
上に行くのが面倒だったので台所にあるテーブルの椅子に腰掛けた。そういえばお腹ぺこぺこなのだった。ほくほく白米にくたくたになるまで炒めた野菜炒め焼き肉を豪快に乗せマヨネーズと七味をかけた。ニンニクの効いた肉の脂がご飯に絡む。七味をかけた事でピリッと辛くなり最高だ。空腹へのご褒美。
お腹も満たされ精神も安定したところで買い出しに行く元気が湧いてきた。どうせ行かなければいけないなら気分良く行きたいから良かった。
午前にズームで集まりがあったためメイクは済ませている。楽な格好に着替えいざ買い出しへ。車庫には車が5台入っている。私の車は真ん中の列。母の車が手前にあるので母の車をずらさなければいけない。保険の関係で私は母の車には乗れないのだ。
今日も変わらず家の周りの山々は生き生きしている。
大量の水を全身に受けとても楽しそうだ。
バックで道路へ出るのだが、毎回必ずと言っていいほど祖母がオーライコールをしてくれる。車の真後ろのラインに立つのでいつか誤って引いてしまわないかととても心配している。車が来ないか見てくれるのは有難いのだが、後ろに立つのはやめてほしい。休日なのにありがとう。
車を運転している間は運転に集中しているせいか、これといった記憶がない。一人だと特に思い出にするような出来事はほぼ起きない。
せっかく街まで出てきたのでリサイクルショップへ行った。比較的狭いフロアで色々な商品がみれるのはとても楽しい。秋が近づいて来たのでグリーンのセーターと今時の白い服(名前がわからない)とグラスを幾つか買った。ひとつ50円ほどであの幸福感をもたらしてくれる食器は、わたしにとって必要不可欠なのだ。買い物は楽しい、気分転換になった。
いよいよ主目的のスーパーだ。一人できたので買いすぎは禁物。持てなくなる。
こんな風に休みの日に私一人で買い出しに来るのはかなり珍しい。だから今結構不安だ。
とりあえず晩の分の食材と明日から数日の食材を買う。
フルーツ、野菜、魚、肉、パン、(自分を甘やかして280円の)モッツァレラチーズ、(頑張ったので帰りの車で飲む)いちごオレなどを買った。
6人分の数日の食事で材料費10000円近くなってしまった。これが普通なのか、お金をかけすぎ(好きなものを買い過ぎ)なのかはいまいちわからない。1ヶ月だと70000円越えくらいか、生きるのは大変だ、と思いながらネットで調べてみるとどうやらみんなそんな感じらしい。安心した。
スーパーで買ったいちごオレを車で飲む。
240mlの幸せを5秒で終わらせ、母に寄ってくるように頼まれたいとこ宅へ、トマトもをもらいに急ぐ。肉と魚は鮮度が命だ。急げ私。外は26度。肉と魚にとっては居心地の悪い気温のはずだ。長居はできない。
結局30分も経っていた。
そんなに暑い日ではなかったが、これを見越して車のエンジンを止めなかったのが当たりだった。
いとこの母と祖父母は相変わらず元気そうでよかった。
トマトは祖父が育てているもので、育てる大変な過程を通り越して収穫の幸せを味わっているがいいのだろうか、と少し不安になった。祖母も収穫を手伝ってくれた。最終的に私の車には、スイカ一玉、ジャガイモ、玉ねぎ、トマトパプリカ、ナス、ピーマン、オクラが乗っていた。これでは出荷のトラックだ。
あたたかい見送りをもらい笑顔になる。
久しぶりに会えてよかった。
帰宅
祖父は相変わらずソファにいた。
16時36分、クレヨンしんちゃんが付いている。
"見ている"と言うか"付けている"だけなのだろう、意識は別の場所だ。多分私が買ってきたさきいかに夢中なのだと思う。数分後テレビに意識が戻ったのかチャンネルを変え始めた。
夕食は何を作ろう。鮭の柄を買って来たのでそれでお味噌汁を作る事は決めてある。
ナスをもらって来たが、家には既にあり得ないほど茄子が山積みになっていた。食べなければ。突然使命感に駆られる。
数日前から食べたいと思っていた麻婆茄子を作る事に決めた。ひき肉は買っていないので豚肉を細かく刻みごま油に落とす。そして茄子が下るまで炒めたら麻婆ソースを入れてグツグツさせ微塵切りにしたネギを入れる。水溶き片栗粉を加え素早く混ぜたらすぐにできる。
弟も帰って来た。
鮭の柄汁と麻婆茄子と刺身(ネギトロ、マグロ、サーモン)。まとまりは無いが食べたいものが揃ったので最高の晩餐だ。お腹が空いたので6時にいただきます。
お風呂から上がったらアイスを食べながらチャーリーとチョコレート工場を観よう。
今日もなんだかいい一日だった。