経営理念「ベストアドバイス」が生まれた日
私が、お客様の立場で仕事をするようになったきっかけは、この目でベストアドバイスを目撃したことでした。
独立して数年目のことです。とある会計事務所のY先生から、顧問先を紹介していただける機会がありました。
具体的には、Y先生の顧問先でリスクマネジメントの見直しが必要な時
に、同行して保険のコンサルティングをさせていただくことになったのです。
私は、Y先生の仕事ぶりを間近で見ることになりました。
私が驚いたのは、Y先生が徹底してお客様の役に立つために仕事をしていることでした。
訪問先で、汗をかき、喉をからしながら、2時間でも3時間でもアドバイスをする姿を見て、
自分の仕事との違いに愕然としました。
体格のいい、少し強⾯の運送業や建設業の社⻑さんが最後はおいおいと感動の涙を流し会議は終了するという内容です。
Y 先生は、会計事務所と顧問先との重要な会議に、外部の人間である私を信頼して「橋本さん、ここに座って話を聞いていなさい」と言ってくださいました。
さらに私のことを先方の社⻑に「この人は保険のアドバイスが仕事。しっかりした判断をしてもらうためにも、経営状況を全部話してあげてください」と紹介してくださいました。
その1 年間で100 社近い経営会議に同席させてもらえたのです。
これは、ある意味では奇跡的なことです。
Y先生に同行する経験を重ねるうちに、会社の経営状況を把握することの大切さを痛感しました。
それまでも、頭では理解していたつもりでしたが、実際の体験を通して
経営の状況がわからないまま提案しても全く意味がないことを思い知りました。
この経験は、現在の仕事にも活かされています。
そしてついに私の仕事のスタンスが大きく切り替わる日が来ました。
2 時間の打ち合わせで、その会社さんの経営状態がほぼ明らかになったところで、先生から
「橋本さんはどう思う?」と意見を求められました。
「一番目の保険はやめて、二番目の保険は特約だけ解約。
三番目は特約を変更してください。
そうすれば、新しい保険に加入する必要は一切ありません」
以前なら考えられなかったような言葉を、自然と口にしていました。
当然、その日の売上はゼロ。
だというのに過去最高に充実した爽やかな気持ちになりました。
帰りに感動して涙が止まらない。
「今まで何のために仕事していたんだ」
その時決めました。
「今後の人生、ベストアドバイスだけで生きて行く」
─「ベストアドバイスが生まれた日」
保険サービスシステムHD 株式会社
代表取締役 橋本卓也