幸福実現党・釈党首のツイートが"炎上"。 ゼレンスキー氏を「自己中が過ぎる」呼ばわりで
3月23日、政治団体「幸福実現党」の党首・釈量子氏が、Twitter上でゼレンスキー宇大統領を「自己中が過ぎる」などと評するツイートを投稿をした。このツイートに対し、24日午後までに多数の批判的な反応が寄せられ、いわゆる”炎上”状態となっている。
・概要
当該ツイートがこちら(全2件)。
ご覧の通り、プーチン露大統領の国際秩序を脅かす蛮行を「棚に上げ」て、現在、隣国からの侵略にあえいでいるウクライナ大統領に一方的な非難を浴びせかける内容だ。
幸福実現党(略称”実現党”など)は、宗教法人「幸福の科学」を母体とする政治団体。2009年の立党以来、過激な保守路線を中心に活動してきた。国会議員の当選はいまだゼロだが、46名の地方議員を抱えており、幸福の科学信者ではない保守系の人々からも一定の好意的な視線を集めている。また、同党外務局長の及川幸久氏は保守系ユーチューバーとして人気を誇っている。
しかし今回の釈党首のツイートには、知名度の高い保守系の人々も幻滅しているようだ。保守派で知られ、及川氏と交流がある作家の百田尚樹氏は、以下のツイートを投稿。
今まで候補に入っていたと言うのも驚きだが、ついに見限ったようだ。
イスラム思想研究者で、保守寄りの発言が見受けられる飯山陽氏は激しく批判。
いずれのツイートも、釈党首の投稿を大幅に上回る5000件以上の共感を集めており、今年夏に参院選出馬を控えた同党にとっては痛手だ。
・筆者の分析
さて、本記事の筆者は幸福の科学信者を親に持ち、同教団をウオッチしているが、自身は一切信仰していない。2年前からTwitterや本noteで教団を批判している。
そんな筆者が指摘したい点がある。
それは
今回の釈氏の発言は、個人の資質の問題にとどまらない
と言うことだ。
政治家が失言して批判を浴びるのはよくある話だ。例えばつい最近、立憲民主党の国会議員が、Twitterで陰謀論を発信してしまい非難の的となった。「DeepState(ディープステート)」とは、「国を裏で操る闇の政府」といった意味の陰謀論用語である。
この件は、たまたま原口氏が、おそらく党の見解とも異なるであろう根拠のない主張をしてしまったものであり、個人の問題が大きいかもしれない。
しかし釈氏は違う。幸福の科学の教祖は大川隆法という人物で、釈氏は彼を熱心に信仰している。大川氏はロシアのウクライナ侵攻について以下のように述べており、釈氏もその路線をそのまま継承しているのだ。
幸福の科学の機関誌から、大川氏の発言を引用しよう。
ご覧の通り、
・ゼレンスキーが世界を戦争に巻き込もうとしている
・日本はロシアと友好を保て
などの意見が、釈氏とそっくりなのがお分かりいただけるだろう。
これは今に始まったことではなく、これまでも釈氏はTwitter上で、大川氏の意見に沿った発言を発信し続けている。
さらに、このような見解は釈党首個人のものではなく、幸福実現党全体の意見でもある。同党ホームページに掲載された声明文もひどい。一部抜粋するが、気になった方はこちらで全文を読んでいただくこともできる。
釈党首だけがおかしいのではない。保守寄りの政策で、信者でない人々からも一定の歓心を買ったところで、けっきょく幸福実現党という組織自体が、大川隆法氏の意向に唯々諾々と従う存在なのである。たとえそれが、侵略国家ロシアを擁護し侵略被害国を貶めるような、非常識なものであったとしても。