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7月の幸福の科学ニュース

今年も夏は暑いですね。読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
東京五輪では数多くの選手が活躍し「金メダルラッシュ」と言われていますが、幸福の科学さんも負けじと話題を振りまいています。早速見ていきましょう。

主なニュース

・幸福の科学、「日本文明三万年説」を提唱

近頃、幸福の科学が驚きの主張をし始めた。なんでも、日本の歴史は、三万年前に二つ存在した富士山 (!?) のふもとに位置する「富士王朝」が起源である上、稲作など、一般的には中国大陸からもたらされたと言われる文化も、実は日本発祥だったというのである。
古代文献とされる『ホツマツタヱ』や、偽書『宮下文書』『竹内文書』などの影響を受けているとみられ、およそ史実に反するとしか思えない珍説だ。しかし幸福の科学は産経、朝日、読売新聞に関連広告を打っている上、教団公式YouTubeチャンネルでも関連霊言の紹介動画を出すなど、大真面目のようである。



本件は、幸福の科学の教義を根底から揺るがしかねない問題をはらんでいる。
詳細は後日、新記事でお伝えする予定である。

・大川氏の黒歴史ポエム『愛のあとさき』 まさかの一般発売

『愛のあとさき』。それは、大川氏が大学時代、及び商社マン時代に詠んだポエムをまとめた詩集のタイトルである。性的な比喩やグロテスクな表現を含み、これは本当に神が書いたのかと疑問に思える内容が特徴。2007年に信者限定で販売された際は波紋を呼び、同教団に批判的な人々の間では、半ば伝説と化していた。

そんな問題作が今月10日、どういうわけか教団設立35周年を記念して一般販売された。
65歳にもなって、このような本を自ら世に晒した大川氏は、一体何がしたかったのだろうか。

筆者既報:

・信者らが大規模な内輪揉めか ”震源地”は与国秀行

7月中旬ごろ(12日?)、幸福の科学職員の与国秀行氏がFacebook上で、幸福実現党の現状や党首・釈量子氏を激しく批判。それに多くの信者らが反応し、賛否の分かれる大規模な論争を巻き起こしていた模様だ。Twitterで関連情報が複数出回っている。

また、与国氏は今年5月に「幸福実現党が100%大勝利する政治提言」なるものを作成しており、今回の批判もこれと関係があるようだ。
上中下巻、A4用紙57ページに渡る大部な”政治提言”文章は、冒頭に「当会は未だに「カルト」扱いされることがあります」という比較的まともな意見が載っている。しかしそれ以外の大部分は「すでに『幸福の科学』のほうが『創価学会』よりも大きい」「『幸福の科学』が発信することが新世界秩序の基準となる」「我が国においても、「不正選挙の可能性」は確実に存在」「精神医学は科学ではない」「いつの間にか内閣府が、株式会社として登録されている」、果ては「ディープ・ステートと戦った火之迦具土神 (※筆者注:ほのかぐつちのかみ)」などと、陰謀論に満ちたぶっ飛んだ内容が満載だ。「精神医学は科学ではない」というが、少なく見積もっても幸福の科学よりは科学的だろう
また、上記の荒唐無稽な陰謀論に加えて、「資本主義を終わらせて、地球に新たなるイデオロギーをもたら」すべきだという主張があるのだが、これは大川氏の見解とは異なる印象も受ける。(引用はいずれも原文ママ、強調は筆者)

なお、こうした際どい行為により同氏の進退が注目されたが、7月25日に公開された幸福の科学広報チャンネルの動画には、いつもどおり出演している姿が確認できる。

・絵本作家のぶみが炎上 過去に幸福の科学との接点も

「のぶみ」という人物をご存知だろうか。これまでに200点以上の作品を発表している絵本作家で、代表作「ママがおばけになっちゃった!」は40万部を売り上げたという。

人気の一方で、一部のネット上では以前から批判が根強い人物でもあった。
そんな中、今月中旬に同氏が東京五輪・パラリンピックの文化プログラムに参加することが判明。すぐにネット上で話題に火が付き、中学時代に3ヶ月間放置し腐った牛乳を教師に飲ませたという”いじめエピソード”、元暴走族で33回の逮捕歴があるという異常な経歴を自称している点などがTwitterなどで取り沙汰された。程なくして、同氏は参加を辞退した。

また、同氏の活動は母親層の女性を熱心なファンとして囲い込むなど、”信者ビジネス”性があるという指摘もあり、”トンデモウォッチ”界隈では悪名高い。さらに「子供は生まれる前に親を選んでくる」というのぶみ氏の思想は、幸福の科学の「転生輪廻」に関する教義とそっくりであるほか、同教団の機関誌「アー・ユー・ハッピー?」 2017年7月号にはのぶみ氏のインタビュー記事が載っている。

ちなみに、のぶみ氏と対談したことがあり、「胎内記憶」という類似の思想を唱えている産婦人科医の池川明氏は、幸福の科学出版から著書を発刊している。もっとも、これらの奇妙な共通項が偶然なのか、それとも因果関係があるのかは不明だが。

・御生誕祭 聴衆に「マスクして無いじゃないですか」

大川氏の誕生日を祝う恒例行事「御生誕祭」が7月11日、宇都宮の総本山・正心館で行われた。『エローヒムの本心』と題して、信者に向けて講演した大川氏は顔色が悪く、合計数十回にわたり眉をピクピクさせたり、下の唇を歪めたりした。声色も悪かった。

「夕刊フジ」オンライン版(zakzak)が報じたところでは、「講演は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を講じた上で行われ」たという。

しかし筆者が確認したところ、この講演で大川氏は”AIと政治”に関連し、以下のような発言をしていた。(強調は筆者)

「21世紀になり、時代が変わってきたと思われるものの一つに”AI全体主義”が出てきています」「中国などでは、監視カメラが国民二人に一台ありますが、それ以外にドローンが飛んでいます。ドローンでたとえば、マスクをしていない人とか、顔認識して…(会場の)皆さん、マスクして無いじゃないですか。危ないですよ?(会場笑)ドローンで写真撮られたら逮捕!どっかの収容所に連れていかれて、家族がどうなったか分からない、そんな事が起きるわけで、これは一定のレベルを超えている、人権侵害である可能性が高い」

聴衆(信者)がマスクをつけず、教祖がそれを面白おかしくいじる。そうした実態を無視した、夕刊フジの表層的で教団を利するような報道姿勢が浮き彫りとなった。

なお、夕刊フジは産経新聞社の夕刊紙であり、過去に幸福の科学の偽装広告記事を掲載したと報じられている。

参照:「やや日刊カルト新聞」より。こちらは秀逸なオチがついているので、一読されたし。

・<スクープ>HSU生、授業でひたすら大川氏の曲聞かされていた

HSU(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ)とは、幸福の科学が作った教育施設。当初は「幸福の科学大学」として開校しようとしたが、大学の設置認可権を持つ文部科学省から、同校が目指す"霊言を使った教育"は認められないとして不認可になったため、無認可の私塾として2015年、開学した。千葉県長生村と東京都江東区南砂にキャンパスを構える。

そんなHSUの授業シラバスにより、「教学音楽修行A・B」なる驚きの科目の存在が判明した。
大川隆法氏が作詞や作曲をした楽曲を聴いて、その解説を受ける授業のようだ。しかも必修科目である。

北朝鮮、オウム真理教、エホバの証人...閉鎖的なイデオロギー集団が作る楽曲というのは、とかく独特な雰囲気を持っている。大川氏の作る曲も例外ではなく、お世辞にもセンスの良い代物ではないと筆者は感じる。そんな物を2世信者に強制的に、計15回の授業で約50曲を聴かせまくるのだ。しかも、この授業は「A」「B」の2つがあるので、合計約100曲だろうか。きっと苦痛に感じる生徒もいるに違いない。
さらに、最終回の授業には「原曲拝聴の奇跡」とある。まさか「原曲」=大川隆法氏自身による、所々音程の外れたかすれ声の歌唱音声を聞かされるのだろうか?それを「奇跡」として有り難がっているのか?

宗教2世問題は、しばしば「人権侵害」という枠組みで語られる。しかし「センスのない宗教音楽を大量に聞かされる苦痛」というのは果たして人権侵害に当たるのだろうか。もし該当しないとしたら、この問題をどのように捉えてゆけばよいだろうか。

なお、法律の素人である筆者は、ない知恵を振り絞って、「人権侵害」という観点から次のような仮説を立ててみた。
「HSUは学校ではなく、そこで行われる"授業"は学校の授業ではない。ひたすら宗教音楽を聞かせるという"授業"は事実上の宗教行事であり、この"授業"を必修参加とすることは、憲法第20条第2項が禁じる「宗教行事への強制参加」に該当する」

参照:憲法第二十条② 「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない」

その他のニュース

・HSU新聞、LGBT差別的な記事を掲載


・都議選 幸福実現党は不出馬

・学園は「那須プリズン」「生徒は可哀想に、信仰をなかなか捨てられない」 大川氏の発言はどこか他人事=法話『卒業生に期待すること』で

・7月の「心の指針」はかなり上等なブーメラン


・書店で山積みになっている大川氏の本

ツイート投稿者のy.uénoさんが筆者に語ったところでは、池袋の西武百貨店内にある『三省堂書店』の様子だという。

なお、幸福の科学は昔から信者・職員が主要な大型書店に積極的に営業しているため、大川氏の本が多くあったり、目立つスペースに置いてあるケースがある。

・知られざる傑作「岡田光玉の霊言」

※崇教真光(すうきょうまひかり)は「手かざし」で有名な新宗教。


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