宝探しの旅
ずっと旅を続けている。
宝探しの旅。
宝が何かも分からないまま、闇雲に世界を旅していた。
スペイン、イタリア、フランス、イギリス。
イギリスでは濃い霧の中、2階建てバスの2階の先頭に乗った。少し高いところから街を見下ろしつつ、バスと共に霧をかき分けて前に進んだ。
ニュージーランドでは鯨を追いかけて船に乗った。世間ではこれをホエールウォッチングと楽しそうな名前で呼ぶが、私にとっては船酔いとの激しい戦いだった。
大災害で空港に辿り着けない危機の中、なんとかトルコへ旅立った。カッパドキアで乗った気球。遥か上空から眺める日の出に心を奪われた。
遠くへ旅することができない今でも、本やテレビ、映画を通して世界旅行を続けている。
私の場合、宝探しのヒントは英語に潜んでいることが多い。
あるとき、観ていた映画から何気なく聞こえてきた言葉に、はっとした。それは旅先で会った人が主人公に対して、別れ際に言った台詞。
「Stay gold!」 ( 永遠に輝け!) ※映画『LIFE!』より
輝くことができれば、自分自身がGOLD(宝)ということか…!
それから私の旅は、自分を輝かせる術の探求へと変わっていった。
やがて「enlightenment」という言葉に出会った。light、つまり光。この言葉に謎が隠されている。そう確信して、意味を調べた。
意外な結果だった。「悟り」と出てきたのだ。悟ると自分を輝かせることができるということか?
幸い、私のバイブルはマンガ「聖☆おにいさん」だ。このマンガにはブッダが出てくる。確かにこの中のブッダは、悟った人としてだけでなく、主婦の鏡としても光輝いて見えていた。
きっとここに悟りのヒントが…!
そして私は「聖☆おにいさん」をまた読み返す。
いつか自分を輝かせる日を夢見て。