
イーロン・マスク氏が率いる投資家グループがオープンAIに買収提案,メルマガ - 2025/02/12
読者へのメッセージ(小話): オープンAIはかつて「人類全体のためのAIを」と掲げたが、今やマイクロソフトとの提携によって、莫大な計算資源とデータを特定企業が独占する構図になっている。この変遷は、「オープン(開かれた)」という言葉が、実態としては一部のプレイヤーにとっての「アクセス制限付きの特権」と化すシリコンバレーの典型的なパターンを示している。「安全で、民主的なAI」とは何か? その運営が一企業のクラウド上で行われ、アルゴリズムの中身すらブラックボックス化されている状況で、果たしてそれは民主的と言えるのか。もはや「公共の利益」とは、AWSやAzure、Google Cloudのデータセンターの一角に鎮座するものなのかもしれない。
■今日のトピック
イーロン・マスク氏 オープンAIに買収提案 米紙が報道。まず報道によるとイーロン・マスク氏が率いる投資家グループによる提案であり、マスク氏自身が単独で提案したものではないようで、マスク氏が関与しているものの、彼個人の資金や単独の意志によるものではなく、投資家グループの一員としての動きと見られ、そもそもイーロン・マスク氏は億万長者であり、わざわざ投資家グループによる提案をしなくてもイーロン・マスク氏自身の単独で提案をすればいいのではないか?それをしないのはなぜか?と私は気になったところです。次に、今回の買収提案の報道は、米国で報じられているので、イーロン・マスク氏率いる投資家グループがOpenAIに対して974億ドル(約14兆8000億円)の買収提案を行った件について、アメリカの主要メディアがどのように報じているかを調べてまとめています。
CNBC: マスク氏が率いる投資家グループは、OpenAIを管理する非営利団体を買収するために974億ドルの提案を行ったと報じています。マスク氏は「OpenAIをかつてのオープンソースで安全志向の組織に戻すべきだ」とコメント。一方、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏はこの提案を拒否し、SNS「X」で「いいえ結構ですが、もし興味があればTwitterを97億4千万ドルで買収します」と皮肉を込めて応じました(https://www.cnbc.com/2025/02/10/musk-and-investors-offering-97point4-billion-for-control-of-openai-wsj.html)(https://www.nytimes.com/2025/02/10/technology/elon-musk-openai-bid.html)。
ニューヨーク・タイムズ: この提案は、マスク氏とアルトマン氏の間で続く権力闘争をさらに激化させるものと報じています。アルトマン氏は提案に対し軽蔑的なコメントを残し、マスク氏もこれに応酬。マスク氏は以前からOpenAIが営利志向に転換したことに批判的であり、この買収提案もその一環と見られています( https://www.nytimes.com/2025/02/10/technology/elon-musk-openai-bid.html)(https://www.nytimes.com/2025/02/10/technology/elon-musk-openai-bid.html)。
CNN: この買収提案はAI業界の未来を左右する可能性があると指摘。マスク氏はOpenAIが本来の非営利目的から逸脱していると主張し、法的措置も講じていると報じました。また、OpenAIが営利部門を強化している背景には、Microsoftや他の投資家からの圧力があるとも伝えています(https://edition.cnn.com/2025/02/10/tech/openai-elon-musk-purchase/index.html)(https://www.washingtonpost.com/technology/2025/02/10/elon-musk-openai-bid-valuation/)。
フォーブス: マスク氏とアルトマン氏の長年にわたる対立が改めて注目されており、この買収提案がxAIとの合併につながる可能性もあると分析しています。また、OpenAIは現在ソフトバンクなどから巨額の資金調達を進めており、その評価額は2600億ドルにも達するとされています(https://www.forbes.com/sites/dereksaul/2025/02/10/sam-altman-elon-musk-feud-timeline-musk-reportedly-bids-947-billion-for-altmans-openai/)(https://www.reuters.com/markets/deals/elon-musk-led-group-makes-974-billion-bid-control-openai-wsj-reports-2025-02-10/)。
これらの記事では、マスク氏の提案が単なるビジネス上の動きではなく、彼自身の理念やOpenAIとの過去の関係性が絡んでいることが強調されています。
次にイーロン・マスク氏とサム・アルトマン氏の関係は、かつての協力的なパートナーシップから現在の対立的な関係へと大きく変化しています。
共同設立と初期の協力: 2015年、マスク氏とアルトマン氏はOpenAIを共同設立しました。当初、OpenAIは非営利団体として「人類全体に利益をもたらすAIの開発」を目指していました(https://www.businessinsider.com/history-of-elon-musk-and-sam-altman-relationship-feuds-2023-3)(https://www.semafor.com/article/03/24/2023/the-secret-history-of-elon-musk-sam-altman-and-openai)(https://www.newsweek.com/sam-altman-elon-musk-investor-openai-bid-response-2029110)。
対立の始まり: 2018年、マスク氏はOpenAIがGoogleに遅れを取っていると感じ、組織の支配権を握ろうと提案しましたが、アルトマン氏や他の創設メンバーから拒否されました。この結果、マスク氏はOpenAIの取締役会を離れ、追加資金提供の約束も撤回しました(https://www.businessinsider.com/history-of-elon-musk-and-sam-altman-relationship-feuds-2023-3)(https://www.semafor.com/article/03/24/2023/the-secret-history-of-elon-musk-sam-altman-and-openai)(https://www.newsweek.com/sam-altman-elon-musk-investor-openai-bid-response-2029110)。
近年の対立激化: マスク氏はOpenAIが営利志向に転換し、Microsoftとの提携を進めたことを批判しています。彼はこれを「OpenAIが設立時の理念を裏切った」として非難し、「ClosedAI」と揶揄するなど、公然と批判を展開しています。一方でアルトマン氏は、マスク氏について「優れた起業家だが支配欲が強い」と述べつつも、その貢献を認めています( https://www.ndtv.com/feature/openai-ceo-sam-altman-describes-elon-musk-as-a-bully-who-enjoys-getting-into-fights-7307517)( https://www.uniladtech.com/news/tech-news/elon-musk-sam-altman-feuding-97-billion-offer-301561-20250211)(https://www.newsweek.com/sam-altman-elon-musk-investor-openai-bid-response-2029110)。
法的闘争と買収提案: マスク氏は2024年以降、OpenAIに対して複数回訴訟を起こし、その営利化やMicrosoftとの関係について異議を唱えました。また、2025年には約974億ドルでOpenAIを買収する提案を行い、両者の対立はさらに深まっています(https://www.businessinsider.com/history-of-elon-musk-and-sam-altman-relationship-feuds-2023-3)(https://marketing4ecommerce.net/en/rivalry-elon-musk-sam-altman/)(https://www.uniladtech.com/news/tech-news/elon-musk-sam-altman-feuding-97-billion-offer-301561-20250211)。
このように、両者の関係は理念や経営方針の違いによって複雑化しており、現在では公然とした敵対関係にあるといえます。
さらにイーロン・マスク氏が率いる投資家グループによるOpenAIへの974億ドル(約14兆8000億円)の買収提案の背景は、マスク氏とOpenAI CEOサム・アルトマン氏との長年にわたる対立や、AI業界の競争激化に深く関連しています。
背景
ここから先は

コンパスを頼りに進め!:迷いの時代に
思春期から抱いてきた「死への恐怖」や「人生の本質」といった根源的な問いは、私に深い探求心を与えると同時に、市場の変化を敏感に察知するための…
よろしければ執筆費用をサポートお願いします!助けてください。