日本大手の化学メーカーである信越化学工業株式会社の財務諸表(第147期第2四半期)を見てみる

「信越化の純利益30%減 4〜12月、米国で塩ビ市況悪化」という記事が目についたので、今回は信越化学工業株式会社をEDINETで調べてみることにした。

四半期連結貸借対照表,バランスシート/BS

まずは「四半期連結貸借対照表,バランスシート/BS」。大きな数字と気になるものに着目する。資産の部から。まず現金及び預金(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1兆4496億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、1兆6784億円と増加している。次に棚卸資産(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、6884億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、7196億円と増加している。次に受取手形、売掛金及び契約資産(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、4725億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、5246億円と増加している。次に有価証券(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1510億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、410億円と減少している。次にその他(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1075億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、846億円と減少している。次に機械装置及び運搬具(純額)(有形固定資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、8778億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、9124億円と増加している。次にその他(純額)(有形固定資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、6403億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、7788億円と増加している。次に無形固定資産で前連結会計年度(2023年3月31日)が、103億5100万円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、103億4300万円と減少している。次に投資その他の資産(投資その他の資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、3443億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、3573億円と増加している。

次に負債の部。その他(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、2414億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、2591億円と増加している。次に支払手形及び買掛金(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1850億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、1617億円と減少している。次に未払法人税等(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、654億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、712億円と増加している。次に短期借入金(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、109億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、97億円と減少している。次に引当金(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、49億4200万円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、47億1900万円と減少している。次にその他(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1406億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、1542億円と増加している。次に退職給付に係る負債(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、369億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、385億円と増加している。次に長期借入金(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、188億1200万円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、184億1400万円と減少している。そして純資産の部で利益剰余金。前連結会計年度(2023年3月31日)が、3兆3102億円だったのに対し、当第2四半期連結会計期間(2023年9月30日)は、3兆4998億円と増加しているので、稼いでいる。当第2四半期連結会計期間の負債合計(7178億円)と純資産合計(4兆3750億円)のバランスを見ると、純資産合計が上回る。

四半期連結損益計算書

次に損益計算書(PL)。まずは売上高は前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)が1兆4093億円だったのに対し当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)は1兆1959億円と減少している。次に売上原価は前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)が7649億円だったのに対し当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)は7113億円と減少している。次に販売費及び一般管理費は前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)が1081億円だったのに対し当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)は1026億円と減少している。次に営業利益は前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)が5362億円だったのに対し当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)は3819億円と減少しているので、当第2四半期連結累計期間は営業の調子が悪かったようだ。次に四半期純利益は前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)が4194億円だったのに対し当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)は3221億円と減少する結果となっている。

次に為替差益(営業外収益)が発生していたので、過去の報告書を遡って為替差損(営業外費用)とあわせて調べてみることにした。2019年4月1日から2023年9月30日までをトータルすると、為替差益の額が大きい。最後に報告書を見ると、生活環境基盤材料事業(塩化ビニル)は、中国における建設や住宅投資の弱さから、中国メーカーによる輸出圧力が収まらない状況が継続。価格水準を維持。か性ソーダについても同様な状況。その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べて減少。電子材料事業(半導体市場)は、昨年秋以降の調整局面が当第2四半期でも続く。その収束には時間がかかる。このような状況下、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を計画通りに出荷することに注力。希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続く。が、車載市場ほかへの拡販に努力。その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べて減少。機能材料事業は、一部の汎用製品群で在庫調整や市況軟化の影響が継続。機能性の高い製品群で収益を補うことに努める。その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べて減少。加工・商事・技術サービス事業は、半導体ウエハー関連容器は300mm用を中心に販売好調で、自動車用入力デバイスも自動車産業の回復を受け堅調を維持。食品包装用塩ビラッピングフィルムはインバウンド需要の増加を背景に外食産業向けの販売が伸びる。その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べて増加。といったことが書かれている。


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Kazutaka Kobayashi@論理的思考×課題解決
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