深刻なアフリカの下水問題(クレイジージャーニー)の感想。

TBSの「クレイジージャーニー」という番組の「松本驚愕どエラい話や!TBS海外特派員が世界のごみ事情調査」の回で「深刻なアフリカの下水問題」について紹介されていた。これがとても興味深いものだった。セネガルの首都、ダカールの貧困層が住む地域では、下水処理が追いついていない現状があるという。下水処理が追いついていないため、処理されていない汚水が海に流れ込み、それが周辺の水質が変化。汚物に含まれるリンが増えすぎて藻が大量に繁殖する。セネガルの周辺の海はかなり汚染されている。水質の悪化は漁業にも影響していた。

このような紹介がされていたが私は疑問に思った。その疑問に思ったことはリンが増えすぎるとなぜ藻が大量に繁殖するのか。そしてそれがなぜ汚染につながるのかということである。調べてみると、リンは水質汚濁の原因物質であるが、海洋の光合成生産を支え豊かな水産資源と生物多様性をもたらす重要な栄養塩でもある。一般的な栄養塩には窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)などが含まれ中でもリンは植物にとって特に重要な要素であり、DNAやRNA、ATPなどの合成に必要で、植物の生長や発育に関係する。なので、栄養塩の供給やリンの利用は適切なバランスが必要。過剰なリンの供給は環境への負荷を増やし、水域への流出や富栄養化などの問題を引き起こす可能性があるという。ここで参考になる記事が「アサリ激減の理由は「海がきれいになりすぎたから」窒素やリンの放流量緩和する実証実験進める」である。この記事では、窒素、そしてリンの量を規制。その結果、アサリなどの餌となる植物プランクトンが減り過ぎ、アサリの数も減ってしまったという。なので、本当にバランスが大切なのだと感じた。

また、過剰なリンの供給があると、藻類の増殖が促進され結果、水域はユートロフィケーションと呼ばれる高栄養化が進行し、藻類が大量に繁殖する。これにより、水中の酸素が枯渇し、魚や他の水生生物の生息環境が悪化する恐れがあるという。

あとこれとは別として、リンが増えすぎて藻が大量に繁殖するということだが、藻の中にも有毒な藻類が存在し、人間に被害を与える。(参考:「有毒藻類(リングビア)にご注意を!!」、「有毒な藻の大繁殖、各地で増加のおそれ」)


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