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バッテリー発火など ネット購入品の事故増加, メルマガ - 2025/01/31
読者へのメッセージ(小話): 「安い=危険、だから高いものを買いましょう」という論理は誤りだ。問題の本質は価格ではなく、販売者と製造者の責任の所在が消えていることだ。ネット市場が広がっても、「作った人・売った人・買った人」が無責任な三角形を形成してはならない。最終的に犠牲になるのは、常に「買った人」なのだから。
■今日のトピック
購入前に「製造元」「輸入元」を要チェック!ネット購入製品の事故が10年間で1600件超 バッテリー出火事故など多発で注意喚起 NITE。この問題の本質は、「責任の所在が不明な製品が市場に流通し、消費者が十分な安全性を確保できないまま使用している」という点にある。
本質的なポイント
規制の網をかいくぐる製品の流通
インターネット通販の普及により、販売元不明・責任不在の製品が容易に流通するようになった。
海外からの直接輸入品や、国内事業者が関与していない製品は、日本の安全基準を満たしていない可能性が高い。
消費者のリスク管理の限界
NITEのアドバイスは有益だが、個々の消費者がすべてのリスクを見抜くのは困難。
特に価格やスペックだけで選ぶと、安全性を軽視した製品を手にしやすい。
製品の安全規格・法規制の適用範囲の課題
PSマークなどの安全規格はあるが、ネット通販ではこれがない製品が簡単に売られる。
現行の法規制では、販売業者やプラットフォームの責任が明確でない部分がある。
責任の所在が不明な製品のリスクが社会的に軽視されている
事故が起こった際、販売元が特定できず、メーカー側の責任を問えないケースが多い。
消費者が泣き寝入りする形になり、火災や爆発といった重大事故が発生しても、根本的な対策が進みにくい。
この問題の本質的な解決には、消費者の注意喚起だけでなく、プラットフォーム側の規制強化や、販売事業者に対する責任の明確化が必要だろう。
単に「安いものを買わない」「怪しい日本語を避ける」といった自己防衛では限界があり、販売の透明性を高めるルール作りと、それを強制できる仕組みが不可欠となる。
次にネット通販の利便性を損なわずに責任不明な製品の流通を防ぐには、プラットフォームの責任強化、消費者が判断しやすい仕組み、流通の透明性向上が鍵となる。具体的には、以下のような仕組みが考えられる。
1. プラットフォームによる販売者の審査強化
🔹 事業者の登録義務化 & 販売資格審査
プラットフォーム上で販売する事業者に対し、販売者情報の登録を義務化し、一定の審査を通過した業者のみ販売できるようにする。
例: 事業者の法人・個人事業主登録の提出、責任者情報の確認
🔹 「責任所在マーク」の導入
販売者が適切な責任を負えることを示すマーク(例えば「Verified Seller」「安全基準適合販売者」)を付与
信頼できる販売者とそうでない販売者を可視化する
2. 販売商品の安全性チェックの仕組み
🔹 リスクの高い製品カテゴリーの事前審査制度
リチウムイオン電池、電子機器、家電など、事故リスクの高い製品に関しては事前の安全チェックを義務化
例: PSマークやCEマークなどの認証をプラットフォーム側で確認し、非認証品の販売を制限
🔹 AIによる不審な商品・販売者の検出
極端に安価な製品や、怪しい日本語の説明文を持つ商品をAIで自動検出
問い合わせ先のない販売者や、同じ事業者名で多数の怪しい商品を扱うアカウントを優先的に審査
3. 消費者が安心して判断できる仕組み
🔹 「安全性スコア」や「警告システム」の導入
「販売者の評価」+「安全性チェック」+「過去の事故情報」 をもとに製品の安全スコアを表示
例: ★★★★☆(安全基準適合済み) vs ★☆☆☆☆(リスク高・認証なし)
安全性の低い製品には警告表示を出し、消費者に注意喚起
🔹 返品・保証の義務付け
プラットフォーム上での販売者に対し、「返品ポリシー」「製品保証」を義務化し、対応しない業者を排除
4. 法規制の整備
🔹 販売プラットフォームへの責任付与
現状ではAmazonや楽天などのプラットフォームは「販売の場を提供するだけ」で責任を負わないが、
一定条件のもとで販売業者と同等の責任を負うルールを導入例: 販売者が責任を負えない場合、プラットフォームが補償や回収の義務を負う
🔹 個人輸入・無責任販売の制限
海外からの無認証のバッテリー・電子機器・家電の輸入販売に一定の制限を設ける
個人輸入品の販売には安全性証明の提出を必須化
消費者に自己防衛を求めるだけでは限界があり、プラットフォームの管理強化と、安全な製品選びができる情報提供が不可欠。
具体的には、
・販売者の登録・審査を厳格化
・リスクの高い製品の安全チェック義務化
・消費者向けに「安全性スコア」「警告システム」を導入
・販売プラットフォームに一定の責任を持たせる法整備
といった仕組みを組み合わせることで、ネット通販の利便性を維持しつつ、安全性の高い取引環境を構築できる。
一方で、規制を強化することで、国内の小規模事業者や個人輸入業者に不利な影響が出る可能性は十分にある。特に、以下のような点が懸念される。
1. 小規模事業者の参入障壁が上がる
厳格な安全基準の適用や届出義務の強化によって、大手企業は対応できても、資本力のない小規模事業者が市場に参入しにくくなる。例えば、PSマーク取得の義務化や試験コストの増加があれば、小規模メーカーや個人輸入業者は経済的に対応しづらくなる。
2. 個人輸入業者の取り扱い制限
現在、多くの個人輸入業者は海外の安価な製品を仕入れて国内で販売しているが、規制が強化されると、安全認証の取得や販売者情報の開示が義務付けられ、事業継続が難しくなる可能性がある。特に、数量が少ない事業者はコスト負担が大きくなり、撤退を余儀なくされるかもしれない。
3. 消費者にとっての選択肢が減る
規制強化によって、安全基準を満たした大手企業の製品しか市場に残らなくなれば、結果として価格が上がり、消費者の選択肢が狭まる。特に、「安くても使えればいい」というニーズが満たされにくくなる可能性がある。
4. 「形式的な規制」になるリスク
規制が厳しくなっても、海外の販売者が日本向けの販売を停止するだけで、根本的な問題が解決しない可能性もある。たとえば、海外のECサイトを経由して個人が直接購入する「直輸入」が増えれば、かえってリスク管理がしづらくなる。
解決策の方向性
規制と支援のバランスを取る
小規模事業者向けの安全認証の簡素化やコスト補助制度を設ける。
例えば、「一定の販売規模以下の事業者には、簡易的な安全検査で済む」などのルールを設ける。
プラットフォームの責任を強化する
Amazonや楽天などのECモール側に販売者の審査・管理義務を強化させることで、個々の事業者への負担を抑える。
個々の輸入業者を規制するよりも、プラットフォームを通じた管理の方が実効性が高い。
消費者教育の強化
「安全な製品を選ぶための基準」をもっと周知し、消費者自身が適切に判断できるようにする。
規制よりも「消費者が賢くなる」ことで市場の淘汰を促す。
規制強化は、安全性向上には有効だが、国内の小規模事業者や個人輸入業者にとって不利に働く可能性がある。そのため、「一律に締め付ける規制」ではなく、「事業規模に応じた柔軟なルール設計」「プラットフォームへの責任付与」「消費者教育」を組み合わせることが重要だろう。
最後に海外におけるインターネット通販製品の安全性に関する対策や現状について、以下のような取り組みが行われています。
海外の対策と現状
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