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過去最悪の山火事と呼ばれるロサンゼルス山火事と保険など,メルマガ - 2025/01/12

米ロサンゼルスの山火事、死者11人に 強風で被害拡大のおそれも。米カリフォルニア州ロサンゼルスで2025年1月7日に発生した山火事は10日も続き、「これまでで最悪の山火事」と言われている。この山火事は、南カリフォルニアの沿岸部に影響を与える強く、非常に乾燥した下り坂の風である“サンタ・アナの風”が、火を一気に大きく被害が拡大。このサンタ・アナの風が要因となる火事は歴史的に非常に多く発生している。サンタ・アナの風は、南カリフォルニアの山火事の発生と拡大に大きな影響を与えてきた。

サンタ・アナの風が関与した主な山火事の例を調べて挙げる。

  1. 1961年のベル・エア火災

  2. 1982年のアナハイム火災

  3. 1993年10月のラグナ火災とキンネロア火災

  4. 2007年10月の南カリフォルニア大規模火災(サンディエゴからサンタバーバラ郡まで)

  5. 2008年11月のティー火災、セイヤー火災、フリーウェイ・コンプレックス火災

  6. 2014年5月のサンディエゴ郡火災

  7. 2017年12月の南カリフォルニアで発生した25件の火災群

  8. 2020年9月の南カリフォルニア火災群(バレー火災、エルドラド火災、ボブキャット火災を含む)

  9. 2024年12月のマリブでのフランクリン火災(3,900エーカー以上を焼失)

これらの火災は、サンタ・アナの風によって急速に拡大し、大規模な被害をもたらしました。サンタ・アナの風は、特に秋から初冬にかけて発生し、非常に乾燥した強風をもたらすため、火災の危険性を高める。

最近では、今回の2025年1月に発生したアメリカ・ロサンゼルス近郊の火災(パリセイズ火災とイートン火災)が挙げられる。これらの火災は、サンタ・アナの風によって助長され、各々10,000エーカー以上を焼失し、約70,000人の住民が避難を余儀なくされました。

専門家によれば、サンタ・アナの風は南カリフォルニアの生活の一部ですが、近年その強度と破壊力が特に顕著になっています。気候変動の影響もあり、これらの風と火災のパターンが変化している可能性があります。

このように、サンタ・アナの風は歴史的に多くの破壊的な火災の要因となっており、今後も南カリフォルニアの火災リスクに大きな影響を与え続けると考えられます。

歴史的に多くの破壊的な火災の要因となっているため、サンタ・アナの風による火災を防ぐために、以下のような対策が実際に行われているようだ。

  1. 消防リソースの事前配置:カリフォルニア州消防局(Cal Fire)は、風の強い時期の前に、南カリフォルニア全域に追加の消防エンジンや人員を配置しています(https://www.cbsnews.com/losangeles/news/cal-fire-bolsters-resources-ahead-of-powerful-southern-california-wind-event/)。

  2. 火災警報システムの強化:サンバーナーディーノ郡などでは、住民に対して緊急通知システムへの登録を促し、火災リスクに関する情報を迅速に提供しています(https://main.sbcounty.gov/2025/01/08/extreme-santa-ana-wind-event-safety-updates-and-resources/)。

  3. 計画停電の実施:南カリフォルニア・エジソン社は、強風時に火災を防ぐため、計画停電を検討しています(https://www.cbsnews.com/losangeles/news/cal-fire-bolsters-resources-ahead-of-powerful-southern-california-wind-event/)。

  4. 地域コミュニティの教育:地元コミュニティに対して、火災安全対策や避難計画の準備について教育を行っています(https://www.blazetamer.com/post/understanding-the-santa-ana-winds-and-their-role-in-wildfire-behaviour)。

  5. 防火帯の設置:火災の拡大を遅らせるために、防御可能な空間を確立しています(https://www.blazetamer.com/post/understanding-the-santa-ana-winds-and-their-role-in-wildfire-behaviour)。

  6. 航空消火の適応:強風下でも運用可能な、チヌーク helicopterや固定翼機などの高度な機器を使用しています(https://www.blazetamer.com/post/understanding-the-santa-ana-winds-and-their-role-in-wildfire-behaviour)。

  7. 樹木の管理:定期的な剪定や、建物や電線の近くにある枯れた木や突き出た枝の除去を推奨しています(https://main.sbcounty.gov/2025/01/08/extreme-santa-ana-wind-event-safety-updates-and-resources/)(https://network.land.com/owning/how-to-protect-your-land-from-fire-risks-and-santa-ana-winds/)。

  8. 建物の補強:ボルト、屋根ファスナー、X字型やV字型のコーナー補強、対角線の屋根補強など、風に強い構造を推奨しています(https://network.land.com/owning/how-to-protect-your-land-from-fire-risks-and-santa-ana-winds/)。

  9. 可燃物の管理:プロパティから可燃性の植生やデブリを除去し、機械や電気機器の近くに可燃物を保管しないよう指導しています(https://network.land.com/owning/how-to-protect-your-land-from-fire-risks-and-santa-ana-winds/)。

これらの対策は、サンタ・アナの風による火災リスクを軽減し、被害を最小限に抑えるために実施されているようだ。また今回の山火事でアメリカの航空宇宙メーカーであり、宇宙輸送サービス会社であるSpaceXを通じて火災の影響を受けた地域に無料でStarlink端末を提供すると発表している(https://economictimes.indiatimes.com/?back=1)。

しかしながら、今回、過去最悪の被害が発生し、保険会社は経営への打撃に備えている。米国ロサンゼルス山火事の保険問題について、本質を一言でまとめると、「気候変動による自然災害の激化が、保険業界に深刻な影響を与え、被災者の経済的な負担を大きくしている」と言える。

この山火事の背景には、以下の重要な要素が複雑に絡み合っています。

  • 気候変動: 地球温暖化による乾燥化が山火事を深刻化させ、発生頻度と規模を増大させています。

  • 保険業界の撤退: 災害リスクの高まりと規制の影響で、保険会社が採算性を確保できなくなり、高リスク地域から撤退する傾向が強まっています。

  • 保険料の高騰: 残った保険会社はリスクを補うため、保険料を大幅に引き上げざるを得ない状況です。

  • 無保険者の増加: 保険料の高騰や保険の入手困難により、多くの人が保険に加入できず、災害時の経済的な負担が大きくなっています。

  • 州政府の規制: 保険料の上限設定などの規制が、保険会社の撤退を加速させ、結果的に保険市場の歪みを招いています。

この問題が深刻な理由

  • 経済的な損失: 山火事による直接的な損失に加え、保険業界の混乱は、地域経済全体に大きな打撃を与えます。

  • 社会的不平等: 保険に入れない人や、保険料が高すぎて加入できない人など、経済的な格差が災害によってさらに拡大する可能性があります。

  • 災害対策の難しさ: 保険の仕組みが機能しなくなることで、災害からの復興が遅れ、社会全体の脆弱性が増します。

今後の展望

この問題に対処するためには、以下のような取り組みが求められます。

  • 気候変動対策の強化: 地球温暖化を抑制し、災害リスクを軽減するための国際的な協力が不可欠です。

  • 保険制度の改革: 公共のセーフティネットを強化し、無保険者を支援する仕組みを構築する必要があります。

  • 民間保険会社の役割見直し: 災害リスクの高い地域において、民間保険会社と政府が連携し、持続可能な保険制度を構築する必要があります。

  • 地域住民の防災意識向上: 自宅の耐火化や避難計画の策定など、個人ができる防災対策を推進する必要があります。

次に私は「専門家は、焼失した多くの物件が無保険だった可能性を指摘する」といったことが今回の米ロサンゼルスの山火事関連の記事で書かれており、これが気になったので調べてみた。

専門家が多くの焼失物件が無保険だった可能性を指摘する理由は、以下の要因によるものです。

  1. 保険料の急激な上昇:2019年から2024年の間に、ロサンゼルスの住宅保険料が48.4%も上昇しました(https://www.newsweek.com/los-angeles-fires-one-1-residents-could-lose-everything-2013399)。この急激な値上げにより、多くの住宅所有者が保険を負担できなくなりました。

  2. 保険会社の撤退:気候変動に関連するリスクの増大により、多くの大手保険会社がカリフォルニア州市場から撤退しています(https://www.nbcnews.com/news/us-news/los-angeles-wildfires-rage-as-homeowners-battle-insurance-crisis-rcna186783)。例えば、State FarmとAllstateは新規の住宅保険契約の引き受けを停止しました。

  3. 高い無保険率:LendingTreeの分析によると、ロサンゼルスの住宅の9.8%が無保険状態にあります(https://www.newsweek.com/los-angeles-fires-one-1-residents-could-lose-everything-2013399)。これは約10軒に1軒の割合で、火災時に全てを失うリスクがあることを意味します。

  4. 州の保険危機:カリフォルニア州は「保険危機」に直面しており、多くの住宅所有者が保険を取得または更新することが困難になっています(https://www.nbcnews.com/news/us-news/los-angeles-wildfires-rage-as-homeowners-battle-insurance-crisis-rcna186783)。

  5. 代替保険の限界:州が後援する最後の手段である保険プラン(FAIR plan)が存在しますが、これは限定的な補償しか提供せず、高額な物件の所有者には十分ではありません(https://www.nytimes.com/2025/01/08/us/fire-insurance-california.html)。

これらの要因により、多くの住宅所有者が無保険のリスクを取らざるを得ない状況に陥っており、今回の山火事で甚大な経済的損失を被る可能性が高くなっています。

次に今回の山火事は、パシフィック・パリセーズ、イートン、ケネス、ハースト、リディアといったロサンゼルスの高級住宅地に影響を及ぼしています。これらの地域は特に富裕層が居住する場所として知られていますが、専門家の中には、これらの住民が無保険だった可能性を指摘する人もいます。またロサンゼルスの住宅保険料が上昇していますが、富裕層であればその費用を支払えるのではないかという疑問が生じます。この点について調べてみることにした。

調べてみると、多くの高級住宅地の住民が無保険である可能性が高い理由がいくつかあるようだ。

  1. 保険の入手困難:多くの大手保険会社がカリフォルニア州市場から撤退しており、高リスク地域では保険を取得すること自体が困難になっています(https://www.yahoo.com/news/california-home-insurance-crisis-pacific-222209204.html)(https://www.newsweek.com/california-wildfires-covered-insurance-what-know-2011473)。

  2. 保険の非更新:State Farmなどの保険会社が多数の保険契約を非更新にしています。例えば、パシフィック・パリセーズでは約1,600件の保険契約が非更新となり、これは地域の住宅所有者の約70%に影響を与えています(https://www.sfchronicle.com/california/article/zip-code-hit-hardest-state-farm-home-nonrenewal-19393629.php)。

  3. 代替保険の限界:州が提供する最後の手段としての保険プラン(FAIR Plan)は、高額な物件の所有者にとっては十分な補償を提供していません(https://www.yahoo.com/news/california-home-insurance-crisis-pacific-222209204.html)。

  4. リスク評価の変化:保険会社は気候変動に関連するリスクの増大により、これらの地域を高リスクとみなし、保険提供を控えています(https://www.latimes.com/business/story/2025-01-09/la-fires-property-home-insurance-crisis-fair-plan-lara-state-farm-allstate-palisades-eaton-altadena-wildfires)。

  5. 規制の影響:カリフォルニア州の保険料率の承認プロセスが遅く、保険会社が適時に料率を調整できないことも問題となっています(https://www.latimes.com/business/story/2025-01-09/la-fires-property-home-insurance-crisis-fair-plan-lara-state-farm-allstate-palisades-eaton-altadena-wildfires)。

これらの要因により、たとえ支払能力があったとしても、多くの富裕層住民が適切な保険を取得できていない可能性が高いのです。結果として、今回の山火事で甚大な経済的損失を被る可能性があるようだ。

さらに「2019年から2024年の間に、ロサンゼルスの住宅保険料が48.4%も上昇」ということがわかり、これについても「そもそもなぜなのか?」と気になったので調べてみる。2019年から2024年の間にロサンゼルスの住宅保険料が48.4%も上昇した主な理由は以下の通りです。

  1. 気候変動によるリスクの増大:カリフォルニア州では、山火事や他の自然災害のリスクが高まっており、保険会社の支払い額が増加しています(https://www.latimes.com/california/story/2024-06-03/column-skelton-column-on-homeowners-insurance)。

  2. 保険会社の損失:過去10年間で、保険会社は保険料1ドルに対して1.13ドルの保険金を支払っており、大きな損失を被っています(https://www.latimes.com/california/story/2024-06-03/column-skelton-column-on-homeowners-insurance)。

  3. 規制の影響:カリフォルニア州の保険料率の承認プロセスが遅く、保険会社が適時に料率を調整できないことが問題となっています(https://www.latimes.com/california/story/2024-06-03/column-skelton-column-on-homeowners-insurance)(https://americafirstpolicy.com/issues/californias-homeowner-insurance-market-freefall-regulatory-folly-run-amok)。

  4. 再保険コストの上昇:保険会社自身が自然災害による大量の保険金請求に備えるための再保険コストが上昇しています(https://www.latimes.com/california/story/2024-06-03/column-skelton-column-on-homeowners-insurance)。

  5. 住宅価格の上昇:住宅価格の上昇に伴い、保険でカバーすべき資産価値も増加しています(https://lao.ca.gov/LAOEconTax/Article/Detail/793)。

  6. 保険会社の撤退:リスクの増大と規制の影響により、多くの保険会社がカリフォルニア州市場から撤退し、競争が減少しています(https://abc7.com/post/new-rule-will-allow-california-home-insurance-rates-increase-officials-say-stabilize-market/15268826/)(https://www.latimes.com/california/story/2024-06-03/column-skelton-column-on-homeowners-insurance)。

これらの要因が複合的に作用し、ロサンゼルスを含むカリフォルニア州全体で住宅保険料の急激な上昇をもたらしています。州政府は保険市場の安定化と消費者保護のバランスを取るための新たな規制を導入していますが、保険料の上昇傾向は続いています(https://www.insurance.ca.gov/0400-news/0100-press-releases/2024/release065-2024.cfm)。

最後に、今回の過去最悪の被害で、保険会社は経営への打撃に備えているようだが、民間保険会社がリスクと確率に基づいて成り立つ理由について触れる。

民間保険会社は、リスクと確率という概念を基盤として成り立っている。

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