船井電機、破産手続きへ：時代への適応と存在意義を見失った代償など,メルマガ - 2024/10/25
読者へのメッセージ（小話）: 相次ぐ強盗事件「若者の闇バイト」が関与。勇者であっても、必要な時には逃げる選択肢を持つことが重要です。物語の中に隠されている裏技のように見えるものも、実際にはバグの可能性があります。ここで求められるのは、勇気を持ってそのバグを修正することです。それが、闇バイトへの対策となります。
■今日のトピック
船井電機が破産手続きへ 「FUNAI」ブランドのテレビやビデオ 業績低迷、信用不安も。まず東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたということは、破産手続きが開始されたことを意味しますが、破産が確定したとは必ずしも言えません。
破産手続きの開始決定と破産の確定の違い
破産手続きの開始決定: 裁判所が、債務者の財産を整理して債権者に配分する手続きを開始することを決定したこと。
破産確定: すべての財産が売却され、債権者への配分が完了し、手続きが終了すること。
破産手続きは、開始決定が出た後も、以下の流れで進みます。
破産管財人の選任: 裁判所が破産管財人を選任し、債務者の財産の調査や売却を行います。
債権の申出: 債権者は、自分の債権を申出ます。
財産の売却: 破産管財人は、債務者の財産を売却し、そのお金を債権者に配分します。
免責許可の申立て: 債務者は、残りの債務を免除してもらうために、免責許可を申立てます。
免責許可決定: 裁判所が、免責許可を与えるかどうかを決定します。
免責許可が下りて初めて、残りの債務が免除され、破産が確定すると一般的に言えます。
船井電機はトランジスタラジオから始まり、家電メーカーとして成長を遂げた一方で、近年は経営状況が悪化し、最終的に破産に至りました。
グローバル競争の激化: 中国メーカーの台頭による価格競争、液晶パネル価格の高騰など、グローバルな競争環境の変化に対応しきれなかった。
経営の多角化の失敗: 脱毛サロン事業への進出など、新たな事業への挑戦は失敗に終わり、かえって経営を複雑化させた。
ガバナンスの不全: 不適切会計問題の発覚など、企業統治の面で問題を抱えていた。 これらの要因が複合的に作用し、船井電機は経営危機に陥りました。
これらの要因が複合的に作用し、船井電機は経営危機に陥りました。
船井電機は、トランジスタラジオから始まり、時代の流れに沿ってテレビやDVDレコーダーなどの製品ラインを拡大してきました。このことから、同社には一定の成長戦略や明確な経営理念があったと考えられます。しかし、グローバル競争が激化する中で、これまでの戦略が通用しなくなった点は否めません。また、経営の多角化は新たな成長機会を模索する前向きな取り組みだったものの、最終的には成功には至りませんでした。
ここで重要なのは、経営ビジョンが時代の変化に適応できるかどうか、さらに、そのビジョンを実現するために効果的な戦略と実行力が備わっていたかという点です。結果的に、時代の変化に十分に対応できず、実行力も欠けていたことが、破産という結果を招いたと考えられます。また、経営理念やビジョンが形骸化していたか、時代の流れに対応しきれなくなっていた可能性も否定できません。
さらに、船井HDは2023年4月に脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」を買収しましたが、2024年3月以降、当社を含め役員の入れ替わりが相次ぎ、同年9月には親会社で代表者変更が行われました。こうした経営体制の変化により、そもそもこの企業は「何のために存在しているのか（顧客への価値提供？株主へのリターン？社会への貢献？その他？）」といった根本的な方向性が見えにくくなり、経営が迷走しているようにも見受けられます。
最後に株式会社ヤマダホールディングスと業務提携関係にある船井電機だが、今回の破産手続き開始決定を受けて「FUNAIブランド製品のアフターサービスについては販売店として責任をもって対応（https://www.yamada-holdings.jp/）」と書かれているが、この表現が曖昧に感じられる。これは販売店がどのように具体的に責任を果たすかが明確ではないからだと考えています。この文言が意味する”可能性”のある具体的な対応内容として、以下のような点が考えられます。
修理・交換サービスの提供
船井電機が破産手続きに入るため、メーカーとしてのアフターサービスができない場合、販売店が製品の修理や交換サービスを自ら手配し、顧客に提供することを指している可能性があります。たとえば、第三者の修理業者と提携して対応するか、販売店自らが交換品を提供するなどです。
返金対応
修理や交換が難しい場合、販売店が顧客に返金対応を行うことも「責任を持つ」対応の一部と解釈できるでしょう。破産手続き中のメーカーからの支援が期待できないため、販売店が返金を決断する場合もあります。
保証の引き継ぎ
本来、メーカー保証がある場合、それが継続できなくなる可能性があります。その場合、販売店が独自に保証を引き継ぎ、一定期間内であれば修理や交換を行うといった対応も考えられます。
問い合わせ窓口の設置
船井電機の破産によってアフターサービスの問い合わせ先が不明になる場合、販売店が代わりに問い合わせを受け付け、顧客対応を行うことを意味する場合もあります。
販売店がどこまで対応できるのか、具体的なサービス内容が定義されていないため、この文言だけでは「責任をもって対応する」範囲がわかりにくくなっています。これは、株式会社ヤマダホールディングスと船井電機が業務提携関係にあるのに、具体的に責任を果たすかが明確ではないのは、船井電機の経営が迷走したことを示しているのではないかというのが私の意見です。また「本件について追加情報が分かり次第、逐次対応いたします。」と書かれているが、そもそも業務提携しているのであれば追加情報はすでに把握しているのでは？業務提携とは一体何なのか？と疑問です。
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