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不買運動が起きた企業のSNS炎上,ボットを活用し炎上を広げ株を買うことで稼ぐケース - 2025/01/28

「企業炎上はなぜ起きてしまうのか? 倒産に至るケースも…」。この記事を読んでいて気になったことは、不買運動が起きた企業のSNS炎上で「ボット」と呼ばれる自動的に投稿するプログラムが活用されている可能性や炎上の背景には海外の投資ファンドなどが仕掛けている可能性があると指摘され、炎上を広げて株価を下落させ、その後、株を買うことで稼ごうとしている可能性があることです。

これについて自分なりに調べてみました。

2024年、アメリカでは市場操作に関連する複数の事件が発生し、規制当局の注目を集めています。

2023年7月、著名な投資家が約20社の銘柄についてSNSで虚偽情報を流布し、株価を操作して約30億円(約2,000万ドル)の不正利益を得たとして起訴されました(https://www.nasdaq.com/articles/regulatory-roundup-november-2024)。この事件は、ソーシャルメディアを利用した市場操作の危険性を浮き彫りにしました。

さらに、海外の投資ファンドによる組織的な市場操作の可能性も指摘されています。これらのファンドは、SNS上で特定の企業に関する否定的な情報を拡散させ、株価を意図的に下落させた後に株式を購入することで利益を得ようとしています(https://www.nasdaq.com/articles/regulatory-roundup-november-2024)(https://www.sp-network.co.jp/column-report/column/bouhi/candr0350.html)。

この手法では、「ボット」と呼ばれる自動投稿プログラムも活用されており、短時間で大量の投稿を生成し、株価に影響を与えることが可能となっています(https://www.sp-network.co.jp/column-report/column/bouhi/candr0350.html)。

他にもSNS上でボットを活用して株価に影響を与えた具体的な事例がいくつか報告されています。

Cynk Technology社の株価操作(2014年)

2014年、ソーシャルボットを使用して、Cynk Technology社の株式に関する議論を人為的に活性化させる作戦が行われました。この操作は、ソーシャルメディアの情報を基に取引を行う自動取引アルゴリズムを欺くことを目的としていました。その結果、それまで小型株だったCynk Technology社の株価が急激に上昇しました(http://arno.uvt.nl/show.cgi?fid=157153)。

GameStop株の急騰(2021年初頭)

2021年初頭、GameStop(GME)の株価が大きく変動する事件が起きました。当時、空売りされていたGameStop株について、Reddit上の投資家たちが大量に買い付けを行い、株価を急騰させました。この事例では、ソーシャルメディア上の議論が株価に大きな影響を与えたことが示されています(https://www.ida.liu.se/~TDDD17/oldprojects/2022/Tweeter_Bots_and_Stock_Market_Manipulation___TDDD17.pdf)。

Barclays株の下落(2017年3月)

2017年3月29日、「Barclays」というキーワードを含むボットによるツイート数が5件から14,668件(全て否定的な感情を持つ)に急増しました。その日、Barclays社の株価は0.35%下落し、その後の1週間で5%以上の下落を記録しました(https://centaur.reading.ac.uk/88903/1/paper_final_v3.pdf)。

Pearson社の株価上昇(日付不明)

ある日、Pearson社に関するボットによるツイート数が1日で2件から1,000件以上に増加しました。同日、Pearson社の株価は1.01%上昇し、FTSE 100指数の0.63%上昇を上回りました(https://centaur.reading.ac.uk/88903/1/paper_final_v3.pdf)。

これらの事例は、ソーシャルメディア上のボットによる投稿が実際に株価に影響を与え得ることを示しています。

規制当局の対応

アメリカの規制当局は、このような市場操作に対して積極的な対策を講じています。SECやFBIなどの機関は、SNSアカウントのハッキングや虚偽情報の拡散など、デジタル技術を悪用した市場操作に特に注意を払っています(https://www.nasdaq.com/articles/regulatory-roundup-november-2024)(https://www.corporatecomplianceinsights.com/2024-year-market-abuse/)。

2024年10月には、SECのXアカウント(旧Twitter)がハッキングされ、ビットコインETFの承認に関する虚偽の情報が投稿されるという事件が発生しました。この事件は、ソーシャルメディアを通じた市場操作の潜在的な影響力を示しています(https://www.nasdaq.com/articles/regulatory-roundup-november-2024)。

今後の展望

市場操作の手法が高度化・複雑化する中、規制当局と企業は協力して、このような不正行為に対する監視と対策を強化する必要があります。投資家も、SNSやオンライン上の情報を慎重に評価し、信頼できる情報源からの確認を行うことが重要です(https://www.corporatecomplianceinsights.com/2024-year-market-abuse/)(https://www.corporatecomplianceinsights.com/2024-year-market-abuse/)(https://www.sp-network.co.jp/column-report/column/bouhi/candr0350.html)。

さらに英語圏では「ボット」と呼ばれる自動投稿プログラムを活用した株価操作が行われており、深刻な問題となっています。

自動化された市場操作

研究者たちは、ボットネットを使用して株式市場操作を自動化する可能性について調査を行いました(https://saltaformaggio.ece.gatech.edu/publications/ACSAC_20.pdf)。「Bot2Stock」と呼ばれる実証実験では、被害者のメールや証券口座を乗っ取り、1分未満の短時間で操作的な取引を実行することが可能であることが示されました(https://www.techscience.com/cmc/v75n2/52075/html)。

Bot2Stockの概要

Bot2Stockは、ジョージア工科大学の研究者たちによって開発された、株式市場操作を自動化するためのマルウェアの実証実験です(https://carteryagemann.com/acsac-20-bot2stock.html)(https://www.youtube.com/watch?v=0XErsmrxWZw)。このシステムは、被害者のメールアカウントと証券口座を制御し、不正な取引を行うことができます。

Bot2Stockの特徴

  1. 操作の速さ:各攻撃は1分未満で完了し、迅速な市場操作が可能です(https://carteryagemann.com/acsac-20-bot2stock.html)。

  2. 高い収益性:シミュレーションでは、良性の取引者に対してボットの比率が1.5%の場合、1回の攻撃で2.8%の投資収益率(ROI)を達成しました(https://www.youtube.com/watch?v=0XErsmrxWZw)。

  3. スケーラビリティ:IBMのような大企業の株式を対象とする場合、わずか4台のボットで効果的な操作が可能です(https://saltaformaggio.ece.gatech.edu/publications/ACSAC_20.pdf)。

  4. 潜在的な利益:1年間で累積的に集められた1,000台のボットを使用すると、10万ドルを102万2,000ドルに増やすことができると試算されています(https://saltaformaggio.ece.gatech.edu/publications/ACSAC_20.pdf)。

操作の手法

Bot2Stockは、「レイヤリング」と呼ばれる新しい操作手法を使用しています。この手法では、複数のボットが協調せずに市場を操作することができ、従来の手動による操作よりも検出が困難になっています(https://saltaformaggio.ece.gatech.edu/publications/ACSAC_20.pdf)。

影響と懸念

このような自動化された市場操作の可能性は、金融市場の健全性に対する深刻な脅威となっています。Bot2Stockのような技術は、現実世界の人間が行う詐欺と同等の利益率を達成できることが示されており、規制当局や金融機関にとって新たな課題となっています(https://www.youtube.com/watch?v=0XErsmrxWZw)。

結論として、Bot2Stockの研究は、ボットを使用した市場操作が技術的に可能であり、潜在的に高い収益性を持つことを示しています。この事実は、金融市場のセキュリティと規制の強化の必要性を浮き彫りにしています。

ボットの影響力

現在、世界中の取引の約60%がAIを搭載したシステムによって行われています(https://www.manceps.com/articles/experiments/beat-the-bots)。この状況下で、悪意のあるボットが市場を操作する可能性が懸念されています。

操作の手法

  1. スプーフィング:正当な取引ボットを標的に、偽の注文を出して市場を操作する手法(https://netacea.com/blog/the-trader-bots-controlling-the-global-stock-market/)。

  2. ポンプ・アンド・ダンプ:Bot2Stockの実験では、この手法を用いて2.8%の投資収益率を達成しました(https://www.techscience.com/cmc/v75n2/52075/html)。

  3. レイヤリング:複数のボットが協調せずに市場を操作する新しい手法。

リスクと対策

英国の金融専門家の75%が、AIとボットが市場を操作し、その活動を隠蔽できると警告しています(https://cfotech.co.uk/story/risky-ai-bots-manipulate-markets-warn-uk-finance-professionals)。この問題に対処するため、二要素認証やより優れたアラートトリガーメカニズムなど、サイバーセキュリティシステムの強化が提案されています( https://www.techscience.com/cmc/v75n2/52075/html)。

ボットを使用した株価操作は英語圏でも深刻な問題となっており、規制当局や金融機関は、この脅威に対する対策を強化する必要があります。

さらに海外では、虚偽情報を流布して株価を操作し、利益を得る悪質な行為が実際に発生しており、規制当局によって摘発されています。以下に主な事例と傾向をまとめます。

具体的な事例

  1. スコットランド人トレーダーの虚偽ツイート事件(2015年)
    SECは、James Alan Craigという人物が有名証券調査会社のTwitterアカウントを偽装し、2社に関する虚偽の情報を投稿したことで告発しました。この行為により、一方の企業の株価が28%下落し、取引が一時停止されました。もう一方の企業の株価も16%下落しました(https://www.sec.gov/newsroom/press-releases/2015-254)。

  2. Andrew Left氏による市場操作(2023年)
    著名なショートセラーであるAndrew Left氏が、Citron Researchの名で長期にわたる市場操作を行い、少なくとも1,600万ドルの不正利益を得たとして告発されました。Left氏は、公開企業に関する誇張された情報や虚偽の表現を用いて、株価を操作していたとされています(https://www.aa.com.tr/en/economy/us-charges-short-seller-in-16m-stock-market-manipulation-scheme/3286288)。

操作の手法

  1. ソーシャルメディアの悪用:TwitterやFacebookなどのプラットフォームを使用して、虚偽の情報や噂を拡散します。

  2. 偽のニュース記事:信頼性の高いニュースサイトを装った偽の記事を作成し、投資家を欺きます。

  3. ボットの使用:自動投稿プログラムを使用して、特定の銘柄に関する投稿を大量に生成し、株価に影響を与えます。

  4. 洗練された詐欺スキーム:Lidingo Holdingsのような企業が、MBAを持つと偽った執筆者を雇い、特定の企業に関する肯定的な記事を多数投稿するなど、組織的な操作を行っています( https://www.latimes.com/business/la-fi-sec-fake-news-20170705-story.html)。

規制当局の対応

SECや司法省は、このような市場操作に対して積極的に取り締まりを行っています。虚偽情報の流布や市場操作に関与した個人や企業に対して、刑事告発や民事制裁金の支払いを求めるなどの法的措置を講じています。

今後の課題

AIや機械学習の発展により、虚偽情報の作成や拡散がより洗練化・自動化される可能性があります。2023年5月には、AIで生成された偽の画像が株式市場に影響を与える事件が発生し、新たな脅威として認識されています(https://www.nytimes.com/2023/05/23/business/ai-picture-stock-market.html)。

結論として、海外では虚偽情報を利用した市場操作が実際に行われており、規制当局も積極的に対応していますが、技術の進歩に伴い、新たな課題も生まれています。投資家や市場参加者は、情報の信頼性を慎重に評価し、このような操作に惑わされないよう注意する必要があります。

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思春期から抱いてきた「死への恐怖」や「人生の本質」といった根源的な問いは、私に深い探求心を与えると同時に、市場の変化を敏感に察知するための…

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