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君がいたことが宝石になった日
BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」の歌詞を文章にするという、野暮なことをしてしまいました。
宝石になった日
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夕立が屋根を叩いた唄 窓の外で世界を洗った
掌にはなんにもない ただなんとなく眺めて何分
突然の雨が降って、過去の思い出や痛み、記憶を洗い流す。
君がいたはずの世界がまるで無くなってしまったかのように感じる。
私の手から大切なものが零れ落ち、何も持っていないのではないか、と感じる。
ただ茫然と時間だけが過ぎる。
君は夜の空を切り裂いて 僕を照らし出した稲妻
あまりにも強く輝き 瞬きの中に消えていった
君の存在は、暗闇に差し込んだ光のようだった。
突然の出会いに、希望と温もりをもらった。
その輝きがあまりにも鮮やかだから、あっという間に消えてしまったような喪失感だけがここに残る。
あとどれくらいしたら普通に戻るんだろう
時計の音に運ばれていく
この悲しみが消えて日常へと戻るには、どれだけの時間が必要なのだろう。
あの時に置き去りにされたまま、それでも時間は止まることなく進み、悲しみとともに運ばれていく。
あの温もりが 何度も聴いた声が
君がいた事が 宝石になった日
忘れたように 笑っていても
涙越えても ずっと夢に見る
君の存在は過去の物語として輝かしい宝物になった。
普段は笑っているときもある。
それでも心の奥にはまだ君が刻まれたままでいる。
太陽は何も知らない顔 完璧な朝を連れてくる
丸めた背中で隠して 冴えない顔 余計なお世話
日常は何事もなかったかのように続き、太陽は私の悲しみなんて知らずに新しい朝を運んでくる。
ついていこうと必死で、悲しみを見えないようにするけど、他人に気を遣われるのはやっぱり煩わしい。
出来る事はあんまりないけど 全くないわけでもないから
全自動で続く日常をなんとなく でも止めないよ
それでも前に進もうとする。
君を失った後でも、少しずつ前に進む力は残っている。
どうしても日常は流れていき、日々は続く。
止めることなく、歩き続ける。
出来るだけ先の未来まで見届けるよ
出来るだけ先に運んでいくよ
この目でこの耳でなるべく先の未来を見たい。
君との記憶を抱えたままできるだけ先の未来に連れていくよ。
こんなに寂しいから 大丈夫だと思う
時間に負けない 寂しさがあるから
この寂しさが君との思い出を思い出させてくれる。
私を支えてくれる。
時間が過ぎても消えない寂しさが、心の中で生き続けてる。
振り返らないから 見ていてほしい
強くはないけど 弱くもないから
前を向いて生きていくから、君に見守っていてほしい。
ちゃんと歩いていくから。
瞬きの中 消えた稲妻
雨が流した 君の足跡
記憶の中で鮮烈に輝いていた君はいなくなってしまって、雨がすべてを洗い流していく。
瞬きの中 掌の下
言葉の隙間 残る君の足跡
言葉にはしきれない記憶の隙間に、君がいた痕跡がまだ残ってる。
増えていく 君の知らない世界
増えていく 君を知らない世界
時が進むにつれて、君が知らなかった新しい世界が増えていく。
君が存在しない世界の時間が続いていく。
君の知っている僕は 会いたいよ
それでも君が知っている私のままでいたい。過去の”私”でいることで君の存在がまだここにあるような気がするから。
もう会うことはできない君に。
会いたいよ。
ひとりじゃないとか 思えない日もある
やっぱり大きな 寂しさがあるから
人に支えられていることを感じられなくなってしまうほど孤独な日もある。君のいない寂しさはずっと、心の中に大きく居座ってる。
応えがなくても 名前を呼ぶよ
空気を撫でたよ 君の形に
君の姿はもう見えない。
名前を呼んでも返事は来ない。
それでも名前を呼んで、君の存在を感じようとするのは、寂しさを紛らわすためなのかもしれない。
あの温もりが 何度も聴いた声が
君がいた事が 宝石になった日
君と過ごした日々が、心の中でずっと輝く宝石のようになった日。
忘れないから 笑っていける
涙越えても ずっと君といる
忘れることなんてできないけど、君との記憶を胸に抱いて歩んでいく。
泣いても笑っても、君はずっと心の中にいる。
君がいた事が 宝石になった日
君がこの世界にいたという証が、永遠に輝く思い出として心に残る。
稲妻のような
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後になってみると、稲妻のようだったと感じる出会いがあります。
消えた後も忘れられない光のような存在。
消えた後に一瞬の輝きだったと気が付くような。
人と生きる限り、誰しもが死別と喪失感を経て、
いずれは自分の番になる。
その瞬間まで、
誰か一人にだけでいいから、
あなたの稲妻になりたい。
あなたが私の稲妻であったように。