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実は日本に「終身刑」はない


死刑制度に対する国民世論

最近「死刑制度の賛否」について目にすることが増え、興味があったのでいろいろ調べてみた。

内閣府の世論調査によると、多くの国民が死刑の必要性を感じている。

出典元:法務省 資料

意外なことに、死刑廃止の声は近代化とともに増えているのかと思ったら、

死刑制度「賛成」の割合
昭和31年 65.0%
平成21年 85.6%

真逆の結果で驚いた。
これは昔の方が捜査がずさんで、冤罪が多かったことも関係しているのかもしれない。
もう少し新しい令和元年のデータで見てみると、

出典:内閣府「死刑制度に対する意識調査」

死刑制度に対する意識調査 令和元年(2019)
賛成 80.8%
反対 9.0%
わからない 10.2%

賛成派の中にもグラデーションはあると思うが、必要性を感じている人が多数派という点は15年前と変わりない。

法務省によると賛否の論拠には、以下のものが挙げられていた。

<賛成派>
●人を殺した者は、自らの生命をもって罪を償うべき
●犯罪抑止、再犯防止に必要
●被害者・遺族の心情からすれば死刑制度は必要

<反対派>
●野蛮であり残酷である
●死刑の廃止は国際的潮流である
●憲法第36条が絶対的に禁止する「残虐な刑罰」に該当する
●犯罪を抑止する効果があるか否かは疑わしい
●一度執行すると取り返しがつかない。裁判に誤判の可能性がある
●被害者・遺族に被害弁償をさせ、生涯罪を償わせるべき
●どんな凶悪な犯罪者であっても更生の可能性はある

引用元:法務省 死刑制度の存廃に関する主な論拠

まとめると賛成派は、遺族感情、報復、犯罪抑止を死刑の存在意義としている。
反対派は非人道的、抑止力に懐疑的、誤判、更生を理由に反対している。

誤判については、その可能性が少しでもあるなら執行してはいけないと思うが、それ以外の反対派の主張はピンとこない。

●野蛮であり残酷である
→他者へそういう行為をしたから死刑になっている

●死刑の廃止は国際的潮流である
→他国は警察官による現場射殺があるなど、日本とは事情が違う

●被害者・遺族に被害弁償をさせ、生涯罪を償わせるべき
→何が贖罪になるかは遺族が決めること

●どんな凶悪な犯罪者であっても更生の可能性はある
→キレイゴト

時代とともに人権が尊重されるようになったのは良いことだけど、死刑判決が下されるような、残忍な殺人犯まで擁護するのは理解できない。

加害者を守れば守るほど、被害者を軽んじているように感じてしまう。

終身刑は無期懲役より重い刑罰

ちなみに日弁連は、死刑制度廃止の意向を示している。

その中で死刑の代替刑として「仮釈放のない終身刑」を提案しており、この時初めて日本に終身刑が存在しないことを知った。

終身刑≠無期懲役

無期懲役とは「期限を定めていない懲役」のことで、場合によっては仮釈放が認められることもあるそう。

つまり無期懲役の判決が下されても「一生牢屋」とは限らない。被害者の奪われた人生は返ってこないのに、加害者は人生を取り戻せる。

命の値段

被害者遺族は国から、犯罪被害給付を受け取ることができるのだが、あまりの金額の低さに驚いた。

現在、遺族への最高支給額は約2964万円だが、事件前の3か月間に被害者が得た労働収入を基に家族構成などを考慮して算定する手法で、特に被害者が主婦や子どもなどだと十分な支給を受けられないケースが多かった。2021年度の遺族への支給は169件で、死者1人あたりの支給額は平均約665万円にとどまった。

引用元:読売新聞オンライン

最高額は約3,000万円でも、被害者の扶養状況や収入によって算出されるため、平均額は665万円。「命は平等」「命に優劣はない」なんていうのはキレイゴトで、現実は「命の価値=収入額」なんだよね。

ということは、専業主婦である私の命の価値は0円
もし私が殺人に遭っても、

「犯人は可哀想な生い立ちだし」
「更生する可能性もあるし」
「犯人の人権を守らなくちゃいけないし」

で、15年くらいで犯人は仮釈放されるかもしれない。
さらに最悪なケースでは、

「未成年だし」
「精神疾患で責任能力ないから」

で、無罪放免。そして私の命の対価は0円、もしくは微々たる金額。

「亡くなった人は還ってこないし、仕方ないじゃん。悪人であっても、生きてる人の人権を優先するよ」

なんて判決を下されたら、化けて出てやるからな。

刑罰の目的

刑罰には2種類の目的がある。

【教育刑】
再び罪を犯すことのないように教育する目的

【応報刑】
罪に対して報復をする目的

つまり死刑制度の議論は、このどちらに重きを置くかという話にもなってくる。100%冤罪がなく、身勝手な理由での犯行なら、被害者・遺族感情を優先させるべきだと私は思う。


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