実は日本に「終身刑」はない
死刑制度に対する国民世論
最近「死刑制度の賛否」について目にすることが増え、興味があったのでいろいろ調べてみた。
内閣府の世論調査によると、多くの国民が死刑の必要性を感じている。
意外なことに、死刑廃止の声は近代化とともに増えているのかと思ったら、
真逆の結果で驚いた。
これは昔の方が捜査がずさんで、冤罪が多かったことも関係しているのかもしれない。
もう少し新しい令和元年のデータで見てみると、
賛成派の中にもグラデーションはあると思うが、必要性を感じている人が多数派という点は15年前と変わりない。
法務省によると賛否の論拠には、以下のものが挙げられていた。
まとめると賛成派は、遺族感情、報復、犯罪抑止を死刑の存在意義としている。
反対派は非人道的、抑止力に懐疑的、誤判、更生を理由に反対している。
誤判については、その可能性が少しでもあるなら執行してはいけないと思うが、それ以外の反対派の主張はピンとこない。
●野蛮であり残酷である
→他者へそういう行為をしたから死刑になっている
●死刑の廃止は国際的潮流である
→他国は警察官による現場射殺があるなど、日本とは事情が違う
●被害者・遺族に被害弁償をさせ、生涯罪を償わせるべき
→何が贖罪になるかは遺族が決めること
●どんな凶悪な犯罪者であっても更生の可能性はある
→キレイゴト
時代とともに人権が尊重されるようになったのは良いことだけど、死刑判決が下されるような、残忍な殺人犯まで擁護するのは理解できない。
加害者を守れば守るほど、被害者を軽んじているように感じてしまう。
終身刑は無期懲役より重い刑罰
ちなみに日弁連は、死刑制度廃止の意向を示している。
その中で死刑の代替刑として「仮釈放のない終身刑」を提案しており、この時初めて日本に終身刑が存在しないことを知った。
終身刑≠無期懲役
無期懲役とは「期限を定めていない懲役」のことで、場合によっては仮釈放が認められることもあるそう。
つまり無期懲役の判決が下されても「一生牢屋」とは限らない。被害者の奪われた人生は返ってこないのに、加害者は人生を取り戻せる。
命の値段
被害者遺族は国から、犯罪被害給付を受け取ることができるのだが、あまりの金額の低さに驚いた。
最高額は約3,000万円でも、被害者の扶養状況や収入によって算出されるため、平均額は665万円。「命は平等」「命に優劣はない」なんていうのはキレイゴトで、現実は「命の価値=収入額」なんだよね。
ということは、専業主婦である私の命の価値は0円。
もし私が殺人に遭っても、
「犯人は可哀想な生い立ちだし」
「更生する可能性もあるし」
「犯人の人権を守らなくちゃいけないし」
で、15年くらいで犯人は仮釈放されるかもしれない。
さらに最悪なケースでは、
「未成年だし」
「精神疾患で責任能力ないから」
で、無罪放免。そして私の命の対価は0円、もしくは微々たる金額。
「亡くなった人は還ってこないし、仕方ないじゃん。悪人であっても、生きてる人の人権を優先するよ」
なんて判決を下されたら、化けて出てやるからな。
刑罰の目的
刑罰には2種類の目的がある。
つまり死刑制度の議論は、このどちらに重きを置くかという話にもなってくる。100%冤罪がなく、身勝手な理由での犯行なら、被害者・遺族感情を優先させるべきだと私は思う。