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週刊オールライター第78号 「大回り乗車応用編 実は関東以外でもできます」

上記過去記事は、JR東日本の東京近郊区間内における「大回り乗車」について取り上げたものですが、実は大回りはこの東京近郊区間内でも可能です。
むしろ、東京近郊区間の路線が異常なまでに多いがためにそちらばかりにスポットが当たっているだけです。
今回は、応用編として東京近郊区間以外の大回り乗車について特集します。


1. 全国に存在する「大都市近郊区間」

「大都市近郊区間」は、東京に限った話ではありません。路線や目的地までの行き方が複数存在する場合に適応されるこの特例は、東京以外にも仙台、新潟、大阪、福岡に存在します。

2. JR東日本の東京以外の大都市近郊区間「仙台近郊区間」・「新潟近郊区間」

JR東日本は、大都市近郊区間を3つも持っている大きな会社です。仙台と新潟でも大回りは可能です。
仙台の例では、仙台から山形に向かうルートで考えても、仙山線に乗るルートと、東北本線、陸羽東線、山形線に乗るルートがあります。
新潟では、柏崎〜新発田で越後線・白新線経由と信越本線・羽越本線経由の2ルートが存在します。実際に新潟駅での案内放送や行先表示で「◯◯線経由」と案内されるのは、このためです。

3. JR西日本・九州の大都市近郊区間「福岡近郊区間」

日本最南端の大都市近郊区間は福岡県にあります。福岡県は炭鉱の開発などの歴史があり、その結果多くの路線が通っていて、経路もさまざまです。この大都市近郊区間には他の区間にはないある特徴が2つあります。それは、
「JR西日本の路線である博多南線も含まれる」
「博多南線は在来線扱いのため、日本で唯一新幹線の車両に乗れる大回りができる」
ということです。通常、大都市近郊区間はJR1社内で完結していますが、この大都市近郊区間は、ほとんどがJR九州の管轄ですが山陽新幹線の博多総合車両所に向かう回送線を旅客化した博多南線のみJR西日本の管轄のため、日本で唯一2社にまたがる近郊区間になっています。
さらにもう一つ言いたいのは、日本で唯一新幹線の車両に乗れる大回りができるという点です。非常に紛らわしいですが、これは間違えてはいけません。大回りは在来線でのみできる特権ですが、博多南線は新幹線の車両を使っていながら国交省での扱いでは在来線です。ですから、新幹線の車両に乗っていても博多駅でJR九州の在来線に乗り換えればセーフです。

ここでこう思った方もいるでしょう。
「山形新幹線はどうなの?」
と。答えは、ダメです。「つばさ」は福島〜新庄でも新幹線の扱いだからです。

4. 実はやったことがあります JR西日本の大都市近郊区間「大阪近郊区間」

この大阪近郊区間に関しては、実際に2023年3月に関西へ行った際実行しています。
区間と乗車路線は以下の通りです。

区間
新今宮→大阪→京都→近江舞子→近江塩津→草津→柘植→加茂→奈良→天王寺

路線
大阪環状線、東海道本線、湖西線、北陸本線、草津線、関西本線

大回りの目的は乗り納めという側面が大きかったです。
画像は京都→近江舞子で乗車した117系。すでに引退しました。
乗り納めは117系ではなく、草津線で乗った113系もそうです。現在は草津線から引退しています。
大阪近郊区間は関西本線の非電化区間も含まれています。
201系が引退しそうだったので201系による最後の快速運用にも乗りました。

5. 不正と疑われないための注意事項

最後に、これだけはお伝えしたいと思います。
この大回り乗車、よく「不正なんじゃない?」という声を聞きます。実際に知識がないとキセルと勘違いしてしまうのは仕方のないことです。ですが、これは嘘偽りのない合法的な乗車方法です。そうは言っても、この乗車方法は
「切符のルールをうまく突いた」
という側面が大きいため、これが不正を疑われる最大の原因です。

むすびにかえて

今回は、大回りは関東以外でもできることをお伝えしました。皆さんも、時間があればぜひお試しください。色々な列車に乗れてさまざまな車窓風景を楽しめると思います。

それではまた。

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