週刊オールライター第98号「『むさしの号』・『しもうさ号』の使い方」
皆さんは、「むさしの号」・「しもうさ号」というちょっと変わった普通列車を知っていますか。この2列車は、大宮駅を起点として武蔵野線に直通する列車です。「縦社会」と呼ばれるほどほとんど北から南への線路がほとんどを占めている埼玉県において、「対角線」を為す存在がこの列車です。本数の少なさゆえに知名度は登場から10年以上経ってもほとんどないのが現状ですが、便利な列車ですので皆さんに是非知ってもらいたく、この記事を配信します。是非ご覧ください。
1. むさしの号とは
むさしの号は、府中本町・八王子と大宮を結ぶ普通列車です。途中、北朝霞を出ると西浦和手前で貨物線に乗り入れて大宮に向かうほか、八王子発着の列車は国立〜新小平に存在する武蔵野線と中央本線を連絡する貨物線に乗り入れます。
この列車は、元々国鉄時代の昭和58年(1983)に新幹線と武蔵野線沿線を乗り換えなしで直通する休日のみ運行される臨時列車として設定されたことに始まります。当時は八王子〜新小平は快速運転をしており、豊田・日野・国立は通過でした。平成22年(2010)に定期列車になって平日の運用も開始され、その2年後には普通列車となり、これまで通過していた豊田・日野・国立にも停車するようになりました。
2. しもうさ号とは
しもうさ号は、むさしの号とは対照的に歴史が浅い列車です。先述した平成22年(2010)のむさしの号定期列車化に合わせて誕生した列車です。いわば「むさしの号の東側版」と言えばいいでしょうか。大宮から貨物線を通って武蔵浦和で武蔵野線に合流し、西船橋・新習志野・海浜幕張を結びます。
3. 便利な使い方① むさしの号で新宿駅を回避して高尾山へ登山
ここからは、タイトルにもある通りむさしの号・しもうさ号の便利な使い方を紹介します。
まずはむさしの号から。むさしの号は、大宮と中央本線を乗り換えなし、しかも新宿駅を通らずに直通するので、地上・地下問わず複雑に通路が絡み合っている新宿駅で道に迷うことなく乗り換えすることができるというメリットを持ちます。ですので、この列車で八王子まで乗った後、高尾行きの中央本線に乗って高尾で降り、京王高尾線に乗り換えれば迷子になることなく高尾山に登りに行けます。
4. 便利な使い方② むさしの号と中央本線特急を乗り継いで甲斐・信濃へ
むさしの号の発着する八王子は、中央本線特急「あずさ」、「かいじ・富士回遊」も停車します。ですので、先ほども言った通りむさしの号に乗れば新宿で迷うことなく八王子まで乗れますので、スムーズに特急に乗り換えるという裏技もあります。
5. 便利な使い方③ しもうさ号で幕張メッセ・ZOZOマリンスタジアムへ
今度はしもうさ号の便利な使い方です。朝に大宮を発車するしもうさ号は海浜幕張行きです。この列車に乗れば、幕張メッセで開催されるイベントやZOZOマリンスタジアムでの野球観戦に乗り換えなしで行ける他、東京駅の長い乗り換えルートを歩かなくても良いという最大のメリットもあります。
6. 便利な使い方④ しもうさ号と京葉線を乗り継いでジェフ千葉の応援
海浜幕張行きのしもうさ号に乗って、海浜幕張で蘇我行きに乗り換えて終点の蘇我で降りれば、JR東日本が応援しているサッカーチームであるジェフユナイテッド市原・千葉の観戦にだって行けます。めんどくさい乗り換えを回避して楽にスタジアムに行けば心の余裕が生まれるでしょう。
7. 便利な使い方⑤ しもうさ号は空港アクセス列車⁉︎
しもうさ号の通るルートに東松戸駅があります。この駅は北総鉄道・成田スカイアクセス線との乗り換え駅です。この駅でアクセス特急に乗り換えれば、成田空港に行くことができます。成田空港アクセスには東京駅で総武快速線、上野駅で京成線に乗り換えするルートを考える方が多いと思いますが、この方が視覚的に見ても短いルートです。
8. 便利な使い方⑥ 北朝霞で大宮行きむさしの号、武蔵浦和で大宮行きしもうさ号に乗り換える
Yahoo!乗換案内で稀に表示されるこのルートは、大宮駅の構造を知っていればかなり便利になるはずです。
むさしの号・しもうさ号大宮行きは、大宮駅の11番線に到着します。武蔵野線から大宮に出る場合に埼京線を使う方が多いかと思いますが、大宮から高崎線・宇都宮線に乗り換える時に、地下の埼京線ホームから上に出る階段が大変ですよね。その面倒臭さを解消するのがこの「1駅間だけ利用する」という方法です。大宮駅11番線は基本的に湘南新宿ラインの古河・籠原方面の列車が発着するホームですので、
やろうと思えば同じホームで乗り換えすることもできます。
ですので、この方法を覚えておくとかなり便利ですよ。
むすびにかえて
今回は、便利だけど知名度の低い「むさしの号」「しもうさ号」の便利な使い方をご紹介しました。皆さんも是非一度乗ってみてください。
それではまた。