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週刊オールライター第73号「313系一族」
皆さんは、313系電車を知っていますか?
JR東海の沿線にお住まいの方はお世話になっていることでしょう。313系電車は、中央本線名古屋〜中津川を除くJR東海のすべての電化区間に導入されているJR東海の顔と呼んでもいい車両です。今回は、以前から応援していた俳優・三江彩花さんがご結婚なされて嬉しい気持ちになった私が、313系電車を特集します。
1.313系とは
313系は1999年から2014年と2019年の合計17年間に539両と事故廃車に伴う代替新造2両が製造されました。この数はJR東海の在来線電車の中では特急電車も含めて史上最多です。地域や輸送形態に応じた車両のバリエーションが豊富で人気を誇っています。また、先輩の311系、211系、後輩の315系など併結相手を選ばない汎用性の高い車両でもあります。
2.313系一族
313系はその数の多さから番台区分もかなり複雑になっています。本来であれば番台区分で紹介したかったのですが、かなり複雑になっていて文章にしてもほとんど伝わりづらいので、今回は運用路線と内装を基軸として独自のグループ分けを行いました。
以下の4つはそのグループ分けです。
①名古屋地区用
②静岡地区用
③ローカル線用
④(元)有料快速専用
① 「名古屋地区用」
運用路線
・東海道本線(静岡〜米原)
・中央本線(中津川〜塩尻、岡谷〜辰野〜塩尻)
・関西本線(名古屋〜亀山)
・武豊線
・飯田線
・篠ノ井線(塩尻〜松本)
かつての運用区間
・中央本線(名古屋〜中津川)→2023年3月で315系に統一されて運行終了
・愛知環状鉄道(高蔵寺〜瀬戸口)→平日のみ名古屋〜瀬戸口の直通運用が存在したが、こちらも2023年3月で315系に統一されて運行終了
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313系の中でも初期から製造されたグループです。東海道線の「名古屋地区」と呼ばれる豊橋〜米原を中心に運用されるグループです。
この車両は一番最初に製造された0番台が新快速の運用を中心とする計画であったことから、内装は青モケットの転換クロスシートとなっています。
編成も2両・3両・4両・6両の4種類が製造され、一族の中でも最多の顔ぶれになっています。
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② 「静岡地区用」
運用路線
・東海道本線(熱海〜豊橋)
・御殿場線
・身延線
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このグループは、2006年から東海道本線の静岡県を走る地区及び身延線に導入されたグループです。内装は静岡県内・甲府盆地内の混雑するラッシュ輸送に対応できるようにロングシートになっています。先輩の211系にはトイレがついていませんでしたが、この車両にはトイレを装備しているので快適性は少しだけ上がっています。
編成タイプは2両と3両があります。
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③ 「ローカル線用」
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運用路線
・東海道本線(熱海〜静岡、大垣〜美濃赤坂)
・御殿場線
・身延線
・飯田線
ワンマン運転が行われている路線に導入されているこの車両はドア周りと優先席をロングシートとし、それ以外の座席は集団見合い式の固定クロスシートになっています。
ちなみにこのタイプの313系は私が最も乗ったことのあるタイプで、富士スピードウェイでのアルバイトに行く時に重宝していました。
④ 「(元)有料快速専用」
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運用路線
・東海道本線(熱海〜豊橋)
・御殿場線(代走のみ)
・身延線(代走のみ)
運用遍歴
・セントラルライナー(1999〜2013)
・ホームライナー瑞浪(1999〜2022)
↓
・中央本線快速・普通(2012〜2022)
・関西本線快速・普通(2022、3月5日〜11日までの期間限定)
↓
・東海道本線熱海〜豊橋(2022〜)
この車両は313系一族の中でも別格・異端児的な車両です。
1999年に中央本線名古屋〜中津川で運用開始された有料快速「セントラルライナー」専用に製造された車両です。
有料快速に相応しいように、通常の313系とは車内は大きくレイアウトが異なり、転換クロスシートのモケットは区別のために青ではなく赤になり、座席のサイズも大きく取られました。ブラインドもカーテンに変更されました。車両の端はテーブルを設けて集団見合い式の半個室「セミコンパートメント」を設けました。
この車両の最初の仕事である「セントラルライナー」は岐阜県の東濃エリアから名古屋まで着席を保証する快速列車としての立ち位置でした。
ところが、年を経るにつれて普通と快速で構成されていたパターンダイヤ(一定時間おきに列車が来るように設定されたダイヤグラム)を壊していき、利用者を混乱させていきました。
それ以前に、「通常の313系と内装を大きく変えた」と先ほど言いましたが、確かに鉄道ファンには一目でわかりますし、少し豪華に見えなくもありません。ですが一般利用者には「いつも乗っている電車と同じ座席」にしか見えません。このため、
「ボッタクリライナー(廃止を伝える地元の新聞の見出しより)」
「銭取られるライナー(『セントラル』を『銭取られる』に変えたもの)」
といじめの対象になっていました。
このような不評を買いすぎた結果、2013年3月でセントラルライナーは廃止されました。
その後は細々と中央本線で普通・快速運用と「ホームライナー瑞浪」の運用(一時的に関西本線で普通・快速運用にもついていた)をこなしていましたが、2022年3月に転機がやってきます。なんと、一部区間を除きロングシートの車両しか運用していなかった東海道本線の静岡地区に転勤することになったのです。その理由は
「トイレ付き車両を増やしてほしい」
という利用客の要望に応えたためです。これまで静岡地区にはほとんどロングシートの車両しかいませんでした。その車両は先ほど紹介した静岡地区用の313系と211系の2種類ですが、211系にはトイレが設置されていません。東西を横断する長距離利用客もある程度いる静岡地区においてトイレがない211系は嫌われる存在でした。また、211系は国鉄分割民営化を跨いで製造された車両であるが故、老朽化も懸念されてきました。そこでJR東海は211系を置き換えてトイレ付き車両を増やす計画を立てました。
この計画は、中央本線の名古屋〜中津川で活躍していた211系と313系を新型車両の315系で置き換え、中央本線で走っていた211系を全車廃車にし、通常の313系車両は名古屋地区にとどまりながらも運用先を関西本線等に変更して211系を置き換えた一方でセントラルライナー用313系は静岡に移籍させて将来315系へ置き換えられる予定分の211系とペアを組んで運用に就かせてトイレのない列車をを減らす、というものです。
この出来事は鉄道ファンを大いに驚かせ、静岡を超える上で快適に座れないロングシートを避ける傾向が強い青春18きっぷユーザーから大いに歓迎される存在になったのです。
(一方沿線の方からは不評・・・。仕方ないです。)
なお、この車両は以前までは事前に運用が決められる「固定ダイヤ」での運転でしたが、今年3月のダイヤ改正からは完全にランダムで運用に入っています。簡単に言えば、乗れるかどうかは完全に運次第ということです。
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静岡駅にて撮影。
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この車両は乗り鉄も兼ねて富士スピードウェイからのバイト帰りにほぼ毎回利用していました。
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3.313系の「そっくりさん」 キハ25形
313系には、顔や車体をほぼ共通設計として製造された「そっくりさん」の気動車がいます。
キハ25形です。特に、寒冷地に対応した0番台は313系とほとんど同じ見た目をしています。
この車両は元々、武豊線で走っていたキハ75形を、2013年に伊勢神宮で行われた式年遷宮に合わせて名古屋から伊勢に向かう快速「みえ」の本数・車両数を増やす必要性があったことから、その応援で一時的に転属する穴を埋めるために2011年から第1次車が武豊線で運行を開始しました。その後、武豊線が2015年に電化されると活躍の場を追われ、寒冷地にも対応した装備を搭載する形で高山本線・太多線といった非電化ローカル線に移籍、キハ40とキハ11を置き換えました。
2次車は2014年から量産が始まりました。高山本線と太多線に導入された後に、参宮線や紀勢本線にも導入されて同じくキハ40・11を置き換えました。この2次車から車体の構造が313系と少し異なり、ビード(溶接の際にできるゴツゴツした線)のないビードレス車体になりスッキリした印象で、前面も種別表示と行き先表示を一つにまとめた構造になっているため、区別がつきやすくなっています。
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奥に見える相方は先ほどの写真の車両です。
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右が313系、左がキハ25形0番台。
本当にそっくりです。
むすびにかえて
今回は、JR東海の主力車両313系を特集しました。同じ外観でも運用する路線に応じて内装が異なっているのは面白いです。今後もJR東海の主力として頑張って欲しいものです。
それではまた。