週刊オールライター第45号 「夏休みにJR東日本の老舗SLを大満喫する遠征(群馬〜新潟〜福島)」
こんにちは。HISASHINJOです。前回のかなり重い話で驚いた方、改めて申し訳ございませんでした。今回は、9/2・3に行ってきた夏休み旅行についてたっぷりお話ししようと思います。
1. 旅の趣旨 この遠征を思いついたわけ
まずは、この遠征を思いついた理由をお話しします。最初は去年、青春18きっぷを使用して静岡・浜松方面に行ってきた旅行に引き続き、青春18きっぷを使って名古屋に行こうと思っていました。しかし、私は現在大学3年生であり、インターンやアルバイト等の日程を考慮した結果、青春18きっぷで行く旅は非現実的になってしまいました。そもそも、去年の旅行のきっぷで青春18きっぷが使えたのは、日程に余裕があったからであるため、今回は多くの制約を受ける可能性を考慮した結果、18きっぷで旅は出来ないと判断し、東海道新幹線こだまを使用した名古屋旅行に計画を変更しました。しかし、今度は私の友人が2人旅を企画している2023〜24冬・春シーズンの旅行の行き先に名古屋を指定したため、そこに計画を統合をしたため全て話が無くなってしまいました。
そこで代替案として浮上したのが「週末パス」を使った旅です。その行き先に、2022〜23冬・春旅行計画を立てる段階において
「はっぴちゃん。に会いに行きたかった」
という理由により関西に行ったことで一度はボツにした新潟方面を選択しました。
週末パスは18きっぷとは違い、特急や新幹線にも乗れるほか、第三セクターや一部私鉄も乗れるだけでなく、シーズン限定きっぷでは無いため、お盆と年末年始を除いていつでも行くことができます。土日しか使えない欠点がありますが、土日にしか運転されない列車もあり、これを利用して旅を企画しました。そして今まで一度もしていなかった「定期列車の増発便ではない夏の臨時列車(いわゆる『のってたのしい列車』)への乗車」を決行することにしました。
2. 1日目 群馬→新潟 〜『SLぐんまみなかみ』と土合・湯檜曽駅、そして長岡の夜〜
まずは、高崎に行くことから始まります。高崎までは高崎線のグリーン車を使いました。土曜日の朝早くではありましたが、窓際がほぼ満席でした。
余裕を持って高崎に着いたので、SLの時間まではホームで撮り鉄をしていました。
待つこと1時間。ついにSLが入線してきました。今回の最初の目的、「SLぐんまみなかみ」の入線です。
今回の担当は「シロクイチ」ことC61-20でした。本来であれば「デゴイチ」ことD51-498が担当する予定でしたが、故障しているためC61が担当することになったようです。
C61は、戦後急増する旅客輸送の増強を図るため、戦時下の貨物運用を終え暇を持て余していたD51のボイラーを新しい足回りに載せ替える大改造を施して生まれた機関車です。D51も旅客列車を引っ張れるのですが、高速化に重点が置かれた関係でこのような大改造が施されたようです。
このC61-20は、主に東北地方で「はくつる」「はつかり」といった名特急を牽引し、その後伊勢崎市で保存されていたところを2010年にJR東日本によって復活が決定し、2011年に復活しました。
今回の客車は青色車体が特徴の12系です。かつて臨時列車や急行列車などに使えるように1969年から製造が始まった国鉄を代表する客車です。かつては客車鈍行や団体客向けのジョイフルトレインに改造された車両もおり、大変多くの車両が活躍していましたが、現在では機関車の減少や老朽化などもあって数を大きく減らし、今ではJR東日本・西日本、秩父鉄道、東武鉄道に残るのみとなりました。
列車は高崎駅を大音量の汽笛とともに発車。多くの方に見送られて力強く走り始めました。この「SLぐんまみなかみ」は新前橋、渋川、沼田、後閑、水上に停車します。
途中の渋川駅ではSL整備のため20分ほど停車時間がありました。多くの方が写真撮影に群がっていました。
長い停車時間の中で非常に多くの方が撮影されていました。
そして整備も終わり、列車は再び水上に向けて力強く走り始めました。
渋川を出るとトンネルを通るようにあるので、窓を閉めなくてはいけません。昔はトンネルに入るという予告放送もなく突然トンネルに入って乗客があわてて窓を閉めようにも通路が空いていてそこから煙が入ってきて車内に充満していたこともザラだったようです。
道中、「SLに乗ったのだから聴いてみよう」と思い立ち、故・松本零士先生の遺した名作テレビアニメ「銀河鉄道999」のテーマソングであるゴダイゴの「銀河鉄道999」、THE ALFEEの「Brave Love 〜Galaxy Express 999」を聞いたのですが、感動しすぎて車内で泣いてしまいました。完全にSL旅にマッチしていますし、特にBrave Love 〜Galaxy Express 999を聞いている際にC61が汽笛を鳴らしたものですからボルテージが最高潮に達しました。そしてこの曲が流れ終わったタイミングで列車は終点の水上駅に到着しました。
ここで、まさかのサプライズが。なんと、「TRAIN SUITE 四季島」が水上駅に現れたのです!!
まさかの出来事に興奮した私は、水上駅の改札を出て、小さな食堂に入ってお昼ご飯を食べることにしました。
ご飯を待つ間、お店のおばあさんと
「今年は暑いね」
などと談笑しました。一人旅の魅力は、こういうところにあります。
ご飯を食べた後は、転車台を見学できるスペースで作業をするC61を撮影しました。
そして水上から上越国境を越えて長岡に向かいます。この旅の宿泊地は長岡です。本来であれば新潟市内や新津、燕三条付近で宿泊したかったのですが、宿の予約が取れなかったのでやむなく長岡に宿泊することにしました。
水上から上越国境を越えて越後湯沢に至る区間は、1日10往復にも満たないローカル線要素が高い区間ですが、途中の湯檜曽駅・土合駅は、トンネルの中にある駅として有名で、特に土合駅は地上に出るまで非常に多くの段数を持つ階段を登る駅であるほか、周囲にはほとんど何もないという「秘境」であること、谷川岳に近いこともあって鉄道に詳しくない人でも聞いたことはあるのではないでしょうか。
湯檜曽駅もトンネルの中にある駅ですが、ここはあまり知られていないのか、人はいませんでした。
土合駅は多くの人がホームにいたのでとても驚きました。
トンネルを抜けるとそこは雪国・・・ではなく夏の越後。この上越線は、川端康成氏の名作「雪国」のモデルになった路線だったので冒頭の一節を真似して書きたかっただけです(笑)。
越後湯沢を出て、うたた寝をする私を乗せた列車はさらに長岡方面へ走り続けます。
小出駅では、只見線の列車と接続していました。只見線は絶景が見れるローカル線なので、乗ってみたい路線の一つです。
そうこうしているうちに列車は長岡駅に到着。1日目の移動はここでおしまいです。
駅の中にあるお土産屋で私が大学で所属している地域密着プロジェクトのメンバーへの差し入れと家族へのお土産を買い、ホテルにチェックインして夜まで休憩しました。
そして夜。夕食は、長岡名物の「洋風カツ丼」を食べに行きました。
洋風カツ丼には2種類のソースがあり、ケチャップソースとデミグラスソースがあるそうです。デミグラスソースにカツレツという組み合わせは岡山名物の「デミカツ定食」が私の通う大学の学食でよく出されていてよく食べていることもあり、味の想像が難しかったケチャップソースを選びました。
お腹を満たし、ホテルに戻りお風呂に入ってベットに入りました。
3. 2日目 新潟→福島 〜『SLばんえつ物語』と磐越西線 森と水とロマンとグルメの鉄道旅〜
2日目は、長岡から新津に出てばんえつ物語に乗車し喜多方・会津方面に向かいます。
朝ごはんを食べて一路新津へ向かいます。
新潟行きの普通列車に乗ろうとしたら、なんと反対側のホームに、お酒どころ新潟が誇るお酒をコンセプトとした車両「Shu*Kura」がいました。この日は新潟駅と上越妙高駅を結ぶ臨時快速列車「柳都Shu*Kura」の運転日だったようです。
思わぬ幸運にも恵まれ、私は新津に向かいました。
新津に着くと、すぐにこの日の目的の列車「ばんえつ物語」が入線してきました。
ばんえつ物語に使用されているのは、C57-180号機。C57は、1937年に先輩機関車のC55を大きく改良した旅客用蒸気機関車として製造された車両です。細身のボイラーに大きな動輪を履いたその姿から「貴婦人」とも呼ばれています。現在C57はこの「ばんえつ物語」用の180号機と、山口線を走る「SLやまぐち」に使われる1号機の2両が動体復元されているほか、全国各地に保存車がいます。
私は今回、グリーン車を予約しました。普通車でも良かったのですが、せっかくなのでグリーン車に乗った方が思い出になると判断し、グリーン車に乗ることにしました。ただ、グリーン車はグリーン車の乗客ではないと入れない展望室があることもあって人気が高く、1ヶ月前に切符を取った際にはみどりの窓口の駅員さんが予約システム(マルス)の前に集まってしまったこともあって人気度合いを実感しました。
自分の席を確認したところで車内を探検しました。
車内の探検を一通り終えたところで列車は発車しました。
新潟らしい田園風景や阿賀野川沿いの景色を横目にC57は会津に向かいます。
ばんえつ物語は、津川駅で長時間停車を行い、SLの整備を行います。
津川駅での整備を終え、さらに東へ向かいます。
新津を出ておよそ3時間。楽しい時間もあっという間にすぎ、目的地の喜多方に着きました。ここでばんえつ物語とはお別れです。
喜多方駅には、今年12月で引退が決まっている観光列車「フルーティア」が停車していました。
喜多方に来たということはお昼はやはり喜多方ラーメンです。今回はその中でも名店中の名店である坂内食堂さんに向かいました。チェーン店の「小法師」の親元的存在のこのお店は、全国はもとより世界中のラーメンファンを虜にしています。
そして私が注文したのは、肉そば大盛り。
言葉にならないくらい美味しかったです。スープはサラサラした感じでした。本場の味を食べることができて満足でした。
ラーメンを食べ終え、喜多方駅に戻りました。
駅に戻ると、フルーティアが発車するとの事だったので、お見送りしました。
そしてさらに待つこと30分。野沢からやってくる普通列車で会津若松に向かいました。
この列車は喜多方で会津若松発のばんえつ物語と交換する列車でした。
そして会津若松に到着しました。ここではお土産を買ったり、只見線の列車を撮影したりして時間を潰しました。
会津若松からは快速あいづ6号で郡山に向かいます。この列車は指定席を連結している快速なので、せっかくなので指定席を取ろうと喜多方駅のみどりの窓口で切符を取ろうとしたのですが、満席で取れませんでした。観光地と新幹線の接続駅を結ぶといっても、磐越西線は現状ローカル線なので空席はあるだろうと思っていましたが、快速あいづの指定席はよく考えたら先頭車両の半分のスペースだけなので、ローカル線といえど席が埋まることは考えられます。多少みくびっていたので大きく反省しました。
車窓からは綺麗な夕焼けと雲をかぶった磐梯山の壮大な眺めを見ることができました。
日も落ちた頃、郡山に到着しました。喜多方でどれだけ並ぶか未知数だったのでこの後の行程は完全に無計画でした。そのため夕食も帰りの新幹線も決めていませんでした。
まずは夕食をとりました。駅2階の居酒屋のようなお店に入り、福島名物の円盤餃子を食べました。私は大の餃子好きなので餃子には目がありません。なので即この円盤餃子を注文しました。
そして帰りの新幹線は、窓際に充電コンセントが確実にあるE5系によるやまびこの運用を狙って切符を取りました。
列車を待っている間、はやぶさ・こまちが何本か通過していきました。東北新幹線のうち、路盤の強さや騒音対策が万全な宇都宮〜盛岡は日本最速の320km/hで走るため、かなりの迫力があります。
そしてやまびこ68号に乗車し、家路につきました。
むすびにかえて
いかがでしたか?今回は私が行ってきた旅の模様をたっぷりとお届けしました。今後みなさんが旅に行かれる際の参考になっていただければ幸いです。
次回の配信は、9/16です。お楽しみに。