週刊オールライター第59号 「私の考える優先席問題」
正直、この話題に関しては取り扱うかどうかずっと悩んでいました。昔から鉄道ファンの間やジャーナリスト、ワイドショー番組などで議論の的にされていましたから。下手を言えば炎上する可能性もありますが、今回このモヤモヤを払拭するためにも思い切って今回は私の優先席問題に関する持論を書きます。
1. 私のメインオピニオン 〜「『優先席』の制度を見直せ」〜
ではここで私の最も言いたいこと、いわゆる「メインオピニオン」を書きます。
私の優先席に対する考え、それは
「『優先席』制度を見直せ。今の優先席の対象から「お年寄り」を外し、社会的弱者と乳幼児連れのための『専用席』としない限りこの問題は解決しにくい。」
です。
2. 優先席の歴史
では、私のメインオピニオンの理由を説明する前に、優先席の歴史を紹介します。
優先席は、1973年の敬老の日に国鉄中央線・伊豆箱根鉄道で導入された「シルバーシート」が前身になっています。導入の理由は、中央線でこの以前から今の女性専用車の前身にあたる車両がありましたが、
「女性子供よりも老人や体の弱い人を優先した方が良い」
という持論が高まったからです。
この席は、0系新幹線の座席用で余っていたシルバーの布を使って区別したためにこのような名前になっています。ですがやがて
「シルバー=白髪頭=高齢者」
を連想させて「高齢者専用」を連想するようになったことで、1993年に京王帝都電鉄(1997年に「京王電鉄」に改称)が「優先席」と改称したのを皮切りにJRでは東日本が4年後の1997年に「優先席」に変更、その後も各鉄道会社がこれに倣って名称変更されました。
余談
ヘッダー画像の優先席表示は、日本で初めて「優先席」に改称した京王電鉄の車両です。
(参考にしたサイト)
https://learningcrisis.net/?p=16179
3. なぜ『優先席』という制度を見直すべきだと思ったのか
それでは私のメインオピニオン
「『優先席』という制度を見直せ。今の優先席の対象から「お年寄り」を外し、社会的弱者と乳幼児連れのための『専用席』としない限りこの問題は解決しにくい。」
の理由を説明します。
その理由は3つあります。
理由① シルバーシート設定当時と現在では人口ピラミッドが変わったから
シルバーシートが初登場した当時の人口ピラミッドは高齢者が生産人口を下回っていますが、今はその逆の超高齢社会です。
このことから、少し極端に聞こえてしまうかもしれませんが今の社会に不似合いになってきているのではないかとも考えられると思います。
理由②「お年寄り」・「社会的弱者」・「乳幼児連れ」を全て一緒にする必要は無いから
また、私は
「『お年寄り』と『社会的弱者』(『乳幼児連れ』も)を一緒にする必要はあったのか」
という点に疑問を持っています。というより、現在優先席を巡って起きている混乱の原因のほとんどはここにあると私は思います。
混乱の原因のひとつですから、無理やり一緒に丸め込む必要性は無かったはずであると思っています。
理由③単純に日本語が難しい言語のため、捉え方がバラバラだから
こればかりはどうしようもないですが、日本語は世界トップクラスに難しい言語です。そのため、受け取り方は人それぞれになってしまいます。なので、優先席は専用席という認識を持っている方がいるのは仕方ないとある程度諦めている部分もあります。
4.解決方法について
そしてみなさん気になっている私の持論
「『優先席』ではなく社会的弱者と乳幼児連れのための『専用席』とする」
という解決方法について説明します。
解決のために、「優先席」の対象を見直します。既述の通り、優先席は「お年寄り」と「社会的弱者」に向けたシルバーシートの対象を「乳幼児連れ」に無理やり広げたものなのですから、何を対象から外すべきか考えました。その結果、「お年寄り」を外すことにしました。前述の通り、超高齢社会には不似合いだと思っているので。
そして、「『社会的弱者』と『乳幼児連れ』のための『専用席』とする」という一言を聞いて
「指定席みたく専用料金を取るのか」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことは一切しません。
母国語の複雑さのせいで問題が起きているという側面があるので「その人の専用の席」という表記がしっかり明記されることによりルールを守ってくれると思います。
むすびにかえて
今回は、私の考える優先席問題をまとめました。正直言ってこの問題は解決しにくい問題です。なので言い方も非常に難しいので極端に聞こえてしまうかもしれませんが、それくらい問題だと思ってください。
それでは次回お会いしましょう。
次回は2023年最終配信です。