オーストラリアの進学校では何をしているの? ①特別活動編 -生きる力を育む-
突然ですが、みなさんは学校でどのような特別活動(学級活動・学校行事・生徒会活動等)を行っていますか?
わたしはオーストラリアの私立学校 Trinity Anglican School(TAS)にて日本語・英語の指導や、国際生プログラムのアクティビティファシリテーターをしていました。毎日子どもたちと過ごす中で、日本で経験したことのないユニークな特別活動を多く経験し、特別活動の面白さを知りました。今日は「特別活動」をテーマに、TASの取り組みをご紹介します。
TASは、幼稚園から高校までの一貫教育を行っている学校で、ケアンズで市内随一の進学校として有名です。
しかし、この学校の本当の魅力は、学業のみならず特別活動に力を入れているところです。沢山のユニークな特別活動で、児童・生徒を刺激し、成長のきっかけづくりをしています。
TASの学校紹介PV
<TASの学校行事>
TASで行っている学校行事の一部をご紹介します。
① コンペティション(競争で順位を争う)系の学校行事
・Inter-house carnival(ハウス対抗)
- Sports carnival(大運動会)
- Cross country(クロスカントリー大会)
- Swimming carnival(水泳大会)
- Athletics Carnival(陸上競技会)
- Triathlon carnival(トライアスロン大会)
・Competition(個人戦)
- Handball competition(ハンドボール大会)
- Mountain bike race(自転車レース)
- Surf Lifesaving State Championships(ライフセービング大会)
- Chess Championships(チェス大会)
- Mathematics competition(数学大会)
- Debate competition(ディベート大会)
- Speech competition(スピーチ大会)
- Poster competition(ポスター大会)
まずはコンペティション系のラインナップの多さに驚きます。
定期テスト後には、学業から離れて心も体もリフレッシュするために汗を流すイベントが必ず用意されています。
特に盛り上がるのが、ハウス対抗のスポーツカーニバルです。TASの児童・生徒は、入学時に4ハウスのいずれかに割り当てられ、卒業時まで同じハウスに所属します。(ハリーポッターの4寮制のイメージです)
各ハウスはさらに4つの「チューター」に分けられ、毎日のホームルームはチューターごとに行わます。ハウスは「親戚」、チューターは「兄弟」のような存在だと生徒は認識しているようです。中高6年間を同じメンバーと過ごすため、生徒たちの絆や信頼関係は深いです。TASでは、上級生が率先してハウスをまとめる伝統が引き継がれています。
② インターナショナル系
・Round Square(世界の学校が参加する国際大会)
- Pen recycling program, Coins for Kubangu Day(寄付活動)
・present food stalls / Sausage sizzle, spiders, waffles, Anzac biscuits and milkshakes(寄付金を集めるためのイベント)
・International festival(国際フェスティバル)
・World challenge India(インドでの国際協力ボランティア実習)
③ その他
・Outdoor education program(年1回の過酷なアウトドアキャンプ実習)
・Excursion(校外学習)
・Coconuts CARNIVAL(ココナッツカーニバル)
・Mother’s day morning tea / fashion show(保護者への感謝祭)
・Easter Hat Parade(イースターパレード)
・Christmas carols celebration(クリスマス感謝祭)
・Stargazing Stargazing(星空観察会)
・Musical(ミュージカル)
・Rock music festival(ロック音楽祭)
・Tutoring Assistance Program(上級生による学習指導)
・Ponytail project(闘病中の方々への髪の毛の寄付)
改めて書き出すと、学校行事の数の多さに驚きます。本当は丁寧にご紹介したいことが沢山あるのですが、長くなるので今回はこの辺でまとめます。
実際に勤務をしていると、学校行事の準備や片付けで授業が潰れることもしばしばありました。しかし、机上でのアカデミックな学習だけが学びでありません。また、生き抜く力をつけるには様々なジャンルに挑戦して、自己理解を深める必要があります。
勉強は苦手だけど、スポーツやアートが得意な生徒が活躍できる機会が沢山あることは、子どもたち一人一人の自己肯定感を高める上で非常に大切なことだと考えています。この気持ちはTASで働くことで、より強まりました。
みなさんは学校での特別活動でどんなことをして、どんなことを学びましたか?今の皆さんの生活にどのように繋がっていますか?
子どもたちには特別活動を通してどんなことを考えたり、感じたりしてほしいですか?
伝統的、慣習的に行われている特別活動の意義を問い直し、教育活動がより豊かにしていきたいですね!(^^)