嫌なことから全力で逃げろ!自分の力を発揮する世界で戦う方法! 【HSC図鑑vol.8 後編 澤円,千代田まどか】
「世の中をハイブリッドに生きる人」を紹介するシリーズ、HSC図鑑。
「まどか対談 前編」では、澤円さんと千代田まどかさんのお二人が、文系出身からITエンジニアになった経緯や、アウトプットの重要性と炎上のリスク管理についてのお話を聞きました。
後編では、ハイブリッドサラリーマンズクラブ(HSC)らしく「本業以外のハイブリッド活動におけるマインド」について聞いていきます。
澤円さん(以下、澤):株式会社 円窓 代表取締役としてプレゼン、マネジメント、メンタリングを幅広く手掛ける。最新著書に「個人力ーやりたいことにわがままになるニューノーマルの働き方」、伊藤洋一さん共著「未来を創るプレゼン」がある。元日本マイクロソフト業務執行役員。
千代田まどかさん(以下、ちょまど):ITエンジニア兼マンガ家。エンジニア向け「Developers Boost 2019」にてベストスピーカー賞総合第1位。ゲーム、アニメの中でも特にBL(Boys Love)好き。松屋への愛も凄まじく、松屋公式インスタアカウントにモデルとして登場する。Twitter(@chomado)はフォロワー数7.8万人。
※2020年1月のインタビューの内容を元に編集しております。
趣味や人から求められることがきっかけでハイブリッドに
ー お二人は本業以外に色々とチャレンジされていますが、ハイブリッド活動を始めたキッカケはなんですか?
澤:ちょまどさんは、もともと漫画を描いていたよね?
ちょまど:そうですね。プログラミングをわかりやすく伝えるための漫画を描いていて。
ちょまど:今の会社の人に「面白い伝え方だね」って見つけてもらって、当時エヴァンジェリストのロールに応募して、採用面接で受かったんです。
ー ちょまどさんは趣味が元々あって、それがハイブリッド活動に繋がった。澤さんはどうでしょう?
澤:僕の場合は、人から求められて。プレゼンが得意だったので、そのスキルを教えてほしいって言われたのが10年くらい前。
会社の外で教えていたのがどんどん大きくなって、多くの人に認知されていく内に「澤さん、この話できる?」って全く違う話も来るようになって。
ー 本業ではない、別分野からも声がかかったワケですね。
澤:そう。別分野からも来るようになる。これがアウトプットすることの強み。気づいてくれる人が現れて、どんどんチャンスが増えてくる。
色々な「場」を持つことでチャンスが広がる
澤:自分の中に幾つもの違うピースを持っていると、それが集まって一つの塊、球になっていく。これを「キャリアを球体で考える」と僕は言ってるんだけど。
空間を立体的にとらえて別の場所に球を作っていくと、大きくなった球体が他の球体と合体してさらに大きな球になっていく。
ちょまど:「色んな場を持って、色んなチャンスが広がる」ってその通りだと思って。
私は松屋が好きなんですけど… 「松屋が好きだー!」って狂ったように書いてたら、松屋の公式インスタのモデルになったり。
ちょまど:あとは、Twitterで発信し続けてたら、ラスベガスのAdobeの公式サミットに招待されたりとか。
私は技術者なんだけど、「多面的な生き方や活躍についてお話聞かせてください」のようなインフルエンサーとしての依頼を受けることも増えてきました。
澤:HSCだとリーダーの小柳津林太郎さん。サイバーエージェントの子会社の社長としても活躍されていたけど、バチェラーで有名になって講演や登壇が増えたよね。
澤:僕と小柳津さんが出会ったのも、NewsPicksの登壇でたまたま僕と小柳津さんの順番が前後だったから。そこから一緒にオンラインサロンをやることになった。「場」っていうのは、必ずどこかで繋がるんだよね。
嫌なことからは全力で逃げろ!
ー 話が変わりますが、澤さんはVoicyなどで「嫌なこと(人)からは全力で逃げましょう」と言ってます。中には逃げることに抵抗がある人、逃げることは悪、と思ってる人もいると思いますが。
澤:逆に聞きたいんだけど、なんで逃げちゃダメなのか理由を説明できる?
ー う…。なんでダメなのか、説明できないです。
澤:そうでしょ?確かに我慢する時代が長かったのは事実。日本は石油資源が無かったこともあり、木造建築で寒いし。昔の時代には必要な考えだった。でももう江戸時代でもないし、不要な考えなんだよね。
なのに、日本では「我慢が美徳」というカルチャーが強すぎる。
ー 確かに。時代は変わっていますよね。
澤:それにラクして楽しくやった方が絶対に長く続くでしょ?
僕とちょまどさんはマイクロソフトというグローバル企業にいて(※2020年1月インタビュー時)、世界中見渡しても"我慢を美徳"と思って成績を伸ばしてる人を見たことがないなぁ。
結果的に、自分のやりたいことがあって必死に努力してる人はいるよ。でもそれは我慢とは違うからね。
ー 努力することと我慢はイコールじゃない?
澤:そう。自分がやりたくてやってる努力に対して我慢という言葉を使うならいいんだけど。
ー なるほど。ちなみに「我慢する」と「継続する」というのは別ですよね。
澤:継続をすることで自分が成長したり達成感を得られるのは、無駄な我慢ではないです。それは鍛錬と言える。例として体を鍛える場合、腕立て伏せをするというのはキツイことですが、トレーニングですよね。
ちょまど:私も「逃げた方がいい」というのは同感で。まさに一社目の会社は3ヶ月で辞めたんですね。辞める時、みんなが大反対したんです。
「お給料頂いてるんだから、仕事は苦しくて当たり前だ、我慢しなさい」って。料理人だって最初の3年間は皿洗いからなんだからって。
私はプログラミングをやりたくてその会社を選んだんですね。だから先輩に「いつになったらプログラミングのお仕事ができますか?」って聞いたんです。優しげに答えてくれたけど、まあ新人は最初はテスターから入るから、実際のアプリのコードが触れるようになるまでには要するに 2 - 3 年くらいはかかりそうだと分かり愕然として。そこから息が苦しくなって、咳が止まらなくなったんですね。
ちょまど:結果、逃げたことは正解でした。これは、前の会社が悪かったとかではなくて、人間には得意不得意があって、私には向いてなかった。
ー 確かに。向いてないことを続けるのはキツイです。
自分の力を発揮できる世界へ動け
ちょまど:ゲームに例えて言うと、魔法使いキャラに剣を持たせて物理攻撃で戦わせるのと同じなんです。魔法使いは杖で攻撃魔法を使って戦わせる方が、本当は力を発揮できるんですよね。
力を発揮できる世界に行くのはすごく重要なこと。私たちの世界はときどき、ルールで縛って力を発揮できないようにしてしまっている。これは大変無駄なことだと感じます。
ー よく分からないルールによって、かえって無駄が多くなっていることはよくあります。
ちょまど:今いる世界を変えられないなら、自分がいる世界=環境を移動して変えるしかないですよね。もしくは自分自身が魔法使いから戦士に変わるしかない。
澤:大リーガーの大谷翔平選手に球拾いはさせないよね。なぜか日本企業の多くは、コミュニケーションスキルや実務能力が高い人にも挨拶の仕方の研修から始めたりとか、下積みさせるカルチャーが根付いてる。
もし自分がこの能力に自信があるなって思ったら、下積みは無駄なんです。即戦力で起用してくれるところに行くか、自分で起業するしかないよね。
澤:もしすぐに環境を変わることが出来ないのなら、転職を視野にいれて行動してみる。今の仕事は「Work for life」と割り切って最低限で良いかもしれない。その間にスキルを磨く。
今は「本業に人生の全てを捧げる」という時代でもなくなってるかな。
ちょまど:別の世界に行くためには「外のコミュニティに触れる」「ハイブリッドになって色々な価値観を知る」のが重要。
私が一社目を辞めることが出来たのは、他を知ってたからなんですね。
今の会社はこうだけど、他の会社では違うことを知ってたから、「何かおかしい!」って思えた。
外の世界を知っていれば、比べて判断して次に進むことができる。
澤:多くのサラリーマンの良くないところは、会社以外の世界を知らなすぎること。そういう人の話は面白くないし、いざ定年になったら何をしていいかわからない。奥さんの方が地域のコミュニティや繋がりが多いくらいなんだから。
外に触れるのはいつ始めたって遅くないし、今から行動をしていけばいいと思う。
みんなと同じルールで勝てないなら、ルールを変えて好きなことを選べ!
ー ちょまどさんの「力を発揮できる世界に行く」ということは、澤さんのマイノリティでいたい、他の人があまり目指していない職業として、当時エンジニアを選んだことと通じている部分があります。
澤:僕には昔から刷り込みがあって。同じルールで競っていてはあまり尖がれないっていう。
なんでかというと、子供の頃に運動が苦手だったから。一番わかりやすく競争原理が働くのは「かけっこ」。僕はいつもビリだった。
自分が勝つのに一番手っ取り早いのはルールを変えること。
ルールを変えて自分の好きなやり方を選んでも良いってなれば、もしかしたらイケるんじゃないかって思ったのが根っこの部分。
澤:今ってその方が生きやすい。ルールって自分でいくらでも決められる世の中になってきてる。
日本でも新卒一括採用や終身雇用をやめようじゃないかって話になってきて、結果的にそれぞれが生き方を模索できるようになってきた。
逆に言うと、生き方を模索しないともう先がない。このサロンHSCにいる人や、この記事を読んでくれてる人たちは、そういう空気を感じ取ってる人が多いと思うな。
ー そのためにも、アウトプットをしたり、外のコミュニティに積極的に触れる必要がありますね!本日は貴重なお話をありがとうございました。
ーーー ★まどか対談 ★ おわり ーーー
対談の後編では、「嫌なことから全力で逃げろ!」の裏側にある、以下の大切なことをお二人から教えて頂きました。
・色々な「場」を持ってキャリアを球体で考える
・自分の得意や好きを活かせる世界(環境)で働く
・外の世界やコミュニティに触れて価値観を広げる
・ルールに縛られない&自分のルールで生きる
筆者も、多くの「場」を持ちキャリアをハイブリッドにしておくことで、逃げられる先を作っておこうと感じました!
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番外編:ちょまど、松屋への愛を語る!松屋は究極の贅沢品の象徴?!
松屋の公式インスタにも出ているちょまどさん。ちょまどさんを更に深く知るため、松屋を好きになったキッカケや、松屋のメリットなどを語って頂きました。
澤:ちょまどさんは、松屋がなんで好きなのかここで話しておいた方がいいんじゃないの?これ、感動秘話だから。
ちょまど:あ、はい。新卒で入った一社目で、3月から内定者研修で一人暮らしを始めたので、初任給がもらえる4/25までの間はお金がなかったんですね。1日50円とかで生活してて。近くの100円ローソンに夜23時以降に行って半額になった冷たいお蕎麦とかを買ってました。
ちょまど:もう口座残高が125円くらいになって、やっと初任給がはいった日に以前から気になっていた駅前の松屋に入ったんです。
注文した1杯の牛めしを食べたら、自分でも驚くくらい涙がぼろぼろでてきて。「温かいご飯って、こんなに美味しいんだ」って感じたんですね。
ー 戦時中に食べ物の有難みを感じる話を聞いてるみたいです(笑)
ちょまど:それぐらい美味しかったです。それから私の中で松屋は贅沢品の象徴になりました(笑)。週に1回は自分へのご褒美として松屋に通って。そのうちに週1回が2回になって…
転職した二社目の会社は最高でした。会社の隣が松屋だったんです。最高の福利厚生かなみたいな(笑)
そこからは、毎日松屋みたいな。いいことがあった日には卵をつけたりして、更に贅沢したりして。
↑ちょまどさんが真剣に松屋への愛を語る横で爆笑する澤さん
ー 松屋に関する何かウンチクみたいなのはありますか?
ちょまど:松屋のプレミアム牛めしは、チルド肉(冷蔵)なんです。ノーマルの牛めしは冷凍。一切れ当りの大きさも少し大きくなっています。あと、松屋のお米は国産です! 必ず味噌汁が付いてくるのも大きいですね。みなさんは松屋のロゴマーク、見たことありますか?
ちょまど:お盆の上にごはんと味噌汁が載っている絵なんです。だから、松屋は味噌汁がデフォルトでセット。
あとは…松屋は自販機で食券を買うので、店員さんと話す必要がないのがコミュ障の私にとってはポイント高いですね。株主優待券ですら、会話無しで対応可能なんですよ!(優待券の裏に食べたいメニューを選んで書いて店員さんに渡すシステム)
↑松屋のことを生き生きした表情で嬉しそうに話すちょまどさん。
ーーーこの後も、松屋はなぜ「牛丼」ではなく「牛めし」と呼ぶのか、松屋の歴史からはじまり、愛を存分に語り尽くしてくれたちょまどさん。
最近の悩みは、いまの会社の周りには松屋がない「松屋砂漠」であるということのようです(笑)
ちょまどさんの素が見れる?!
「まどか対談 前編」を読み忘れた方はこちら↓
インタビュアー:淳一 さき まりーな 武内 とみやん
動画、写真撮影:黒田
執筆者:大竹
編集:黒田
サムネ:武内
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