【文学フリマ大阪11レポート】あるモノを配ったら、苦手を改善できた話
個人出版レーベル「HS書架」代表の春紫苑です。
前回の記事で「文学フリマ大阪11」に出店することを記載しました。
今回で文学フリマへ出店するのは2回目、文学フリマ大阪には初出店となります。一度経験しているとはいえ、リアルでの接客が苦手でなかなかうまく話しかけられない作家あるあるな私。
ですが今回あるモノを配ることで、その苦手を多少なりとも改善することができたのです!そのあるモノとは一体何か。「それ」を配るとなぜ改善することができたのか。
文学フリマ大阪11のレポートと合わせて、そのあたりを記載していきます。
イベント前の仕込み
あだん堂主催のスタンプラリー「あだスタラリー」
その答えはイベント前の出来事にありました。
小説の編集でお世話になっているあだん堂のゆきさんが、文学フリマ大阪で出張出店されるとのことで、事前にイベントのことを話し合いました。
その時に、お互い何か協力してできることはないかと軽く話題に触れたところ、スタンプラリーの案が浮上したのです。
その案に「いいね!」とゆきさんがおっしゃたことで、急遽スタンプラリーを開催することが決定しました。さらにゆきさんが作家仲間に声がけされたことで、思った以上の規模に。スピード感半端ない……。
せっかくなので、参加ブースごとにスタンプラリーの景品を用意しよう!とのことで、HS書架からは次のグッズを用意しました。
小説『青き石眼のアシュリー』後日談を描いた、1,600文字程度の豆本
『青き石眼のアシュリー』新作のポストカード
またスタンプラリーコンプリートのお客様に渡す景品として、『青き石眼のアシュリー』オリジナルクリアファイルをゆきさんにお渡ししました。
そして書架から提案がてら、X(旧ツイッター)にこんなポスト(ツイート)を。
そしてあだん堂さんからの返事。
この結果、スタンプラリーの名称が「あだスタラリー」に決定いたしました!
少し前置きが長くなりましたが、苦手を改善したあるモノとはあだん堂主催のスタンプラリーに使う台紙。一体この台紙がなぜ苦手を改善する要因になったのかは、後ほど記載する「あだスタラリーの効果」をご覧くださいね♪
新グッズの制作
今回は新刊がない代わりに、新作の関連グッズをいくつか製作することにしました。
先ほど紹介した新作ポストカードやクリアファイルは、景品でもありますが、新作グッズとしても販売する予定で製作しました。また豆本に登場する鷹、ノスリ師匠の羽根を模した金属製しおり『師匠の羽根』も製作しました。
そのほか手縫いで作ったブックカバーも用意してイベントに臨むことにしました。
虎鶫堂さんとの共同ブース
これまた新しい試みとして、大阪まで出張いただいた読書会インクリングズの仲間、NUEさん率いるサークル虎鶫堂と共同出店の申し込みをしました。
インクリングズについては、HS書架作品『青き石眼のアシュリー』読書会の様子をご覧いただければご理解いただけるかと思います。
実は去年の文学フリマ大阪10に、一般参加者として訪れた私春紫苑が出店しているNUEさんのブースにお邪魔し、チラシの配布をお願いするというなんとも厚かましいことをお聞き届けくださったんですよね。
今回そのチラシ効果が、一年越しに表れるのかも楽しみなところです。
会場準備ボランティア参加
文学フリマには、開場前にセッティングを手伝うボランティア参加があります。このボランティアに参加すると、セッティングが完了次第ブース設営に取り掛かれるため、前回出店した文学フリマ京都7でもボランティアに参加しています。その様子は文学フリマ京都レポをご覧ください。
とはいえ今回は地元から少し離れた大阪。当日の寝覚め次第では他の出店者と同じく10時開場を待つことも考えていました。しかし無事早起きチャレンジ成功!そんなわけで今回も開場に8時30分より前に到着でき、ボランティアに参加できました。
ボランティアの様子
さすがに2回目ともなると、いくら要領の悪い私でも大体何をするかは把握できます。机を並べ、椅子を指定の数だけ設置し、荷物を各アルファベットに運び、張り紙をし……。他のボランティアさんも慣れているのか、テキパキと小気味よく動いていらっしゃいました。
ただ大阪の開場はかなり広かった。結局セッティングの完了は10時を少し過ぎたところで完了。まあ、10時開場を待つ出店者として並ばず設営できたのは、やっぱりメリットでした。
いざ開場
初めて聞いた「アーリー開催」
前回の文学フリマ京都で、ブース設営の配置が曖昧にしか決まっておらず、開場でワタワタした失敗を踏まえ、今回はどこにどの商品を置くか完璧に決めて設営をしたため、前回の半分の時間で設営完了!
また前回はダンボールで立体ディスプレイ棚を組み立てていたこともあり、組み立ての時間が長くかかってしまいました。しかし今回は秘密兵器のディスプレイ棚を導入し、組立時間と労力を半分以下に圧縮できたのも大きかったですね。
moku×mokuさんのマルチスタンド、差し込むだけで組み立てられるし、差し込むパーツや位置を変更すると色んなサイズの商品を効率よくディスプレイできるので、本当に便利です(ダイマ)。
設営が終わり、見本誌を見本誌コーナーに置いて戻ってきたところで、開場からアナウンスが。
「これ以上一般参加者を待機させるのは限界なので、今回は10分早くアーリー開催しまーす」
アーリー開催??それは初めて聞いた単語でした。会場中からどよめきの声が。なぜなら出店者側の開場が遅れたにもかかわらず、一般参加者の開場が早くなる=設営の準備時間が短くなるから。しかし10時50分になると無慈悲にも開場のアナウンスが流れ、イベント恒例の拍手が起こって開催されましたとさ。
「あだスタラリー」のアイテムがすごかった
そうそう、今回出店されるあだん堂様のブースがHS書架から近く、出店側の通路を使って交流できる位置にありました。そのため、事前に打ち合わせしていたスタンプラリーなどのアイテムを受け取るのがとてもスムーズで良かった!
しかしあだん堂さんがご用意されたスタンプラリー用の参加アイテム、本格的すぎてビビり倒しました。コピー用紙に台紙を印刷する程度のものを想定していたのに、はるか雲の上のアイテムたちが目に入ってきたときは、「すっすげーっ!!」ってなったし。
例えばこんなアイテムたち。
三角スタンドポップ
素敵デザイン台紙
台紙に押す猫ちゃんスタンプ
これらの品々を写真に撮ってないの、本当にしくじりました。三角スタンドポップなんて、のり付け部分に両面テープ貼ってあったんだぜっ!どんなけ気が効いてるんだ(尊敬)。
文フリ京都とは違う売れ筋
新刊がない中でお迎えいただけるか、正直不安でしかありませんでしたが、午前から少しずつ作品やグッズをお迎えいただくことができました。その隣の虎鶫堂さんでは、道行く人にガンガンフリーペーパーをくばり、午前中早々に準備してきたものを配布しおわるというツワモノっぷり。
さすがだぜ……と思いながらも自分たちの接客スタイルで少しずつ売上を伸ばしていけたので、まあこれはこれでよかったよねと無理やり納得するスタイルです。
その中でも文学フリマ京都7とは、お迎えいただく商品の傾向にかなり違いがありました。
ネコ化男子が倍以上
文学フリマ京都では、主力作品の『青き石眼のアシュリー』上下巻(以下アシュリー)と、サイドストーリーの短編『ネコ化男子の非日常 零』(以下ネコ化 零)という位置づけで販売し、大阪でも同じような意識で望みました。なので
だろうと予想していたのです。ところが実際は『ネコ化 零』の方が文学フリマ京都の倍以上お迎えいただくことができました。中には
「今回の文フリで一番楽しみにしていた作品です」
と本命宣言をしてくださるお客様までいらっしゃり、とっても感激しました。ぜひ次回の文学フリマ京都では、本編の『ネコ化男子の非日常』をお迎えいただけると嬉しいな。
師匠の羽根が完売
もう一つは作品の関連グッズが思った以上の売れ行きだったこと。そもそも文学フリマ京都にグッズを持っていってないので、売れ行きの違い(?)があるのは当然なのですが、その中でも本命だったクリアファイルを差し置いて、金属製しおり『師匠の羽根』が一番売れたのは予想外でした。
それも午後2時頃に完売!私達のブースから完売する商品が出るなんて……感無量です。
時間が経ってから冷静に分析すると、以下の2点が要因だったのかな、と思います。
お求めやすい価格
デザインの可愛らしさ
実際しおりとして使わなくても、ディスプレイで飾っておくだけで可愛いデザインですし。
「あだスタラリー」の効果
さてお待ちかね、タイトル回収のお時間です。
「イベント前の仕込み」で、あだスタラリーの台紙が苦手を改善する理由になったと記載しました。それは一体どういうことなのでしょうか。
私は接客で積極的にお声がけすることが苦手です。リアル即売会に出られる作家の方も、私のような方がいらっしゃるのではないでしょうか。今回そのお声がけを、「あだスタラリーの台紙を配る」という目的があることで、自然と行うことができたのです。
私の意識の中で、なにもないのに人に声をかけるのは(相手が)迷惑だったり気に障るかもしれないと無意識のうちに警戒しているような気がします。ところがあだスタラリーに参加するだけで無料の参加グッズがもらえるだけでなく、購入特典まで手に入れることができる、すなわちお得感満載な内容がこの一枚の台紙に詰まっているわけです。
そのため私の中で、このお得なイベントに参加できる台紙を渡さなければならないという使命感が芽生えたのです。
実際あだスタラリー参加ブース(全8ブース?)の中で、主催のあだん堂ブースを除けばダントツで台紙配布率を誇っていたはず(総数60のうちHS書架配布数18)。
そしてスタンプを求めて多くの人が書架のブースを訪れてくれたので、イベント内イベントとしても大成功だったと確信しています。
ほか多数すぎて紹介しきれませんでした……。
文学フリマ大阪11まとめと反省
出店自体はとっても楽しかった文学フリマ大阪11。ですが細かい反省点はいくつかありました。
短編をもう少し刊行したい
配布物はバラそう
今回の即売会で改めて感じたのは、お買い上げいただきやすい価格帯の商品を増やしたほうがいいということ。大長編だとお客様の心理として、ハズレを引いたときのショックが大きいだろうと。
なので、春紫苑の作品をお試しで読んでいただける短編なり短編集を、もう少し増やしていけると手にとっていただきやすいのかなぁと思いました。
またセット商品より、自由チョイスできる商品のほうが、お客様が選べる楽しみを味わえてより手に取りやすいことも感じました。
次回の文学フリマ京都8では、そのあたりを踏まえてブース設営してみます!
おまけの告知
素敵な感想の真相
そういえば、財研出版様から『アシュリー』にとてもアツい感想をいただきました。作品だけでなく、イラストにもびっしりと感想が書いてあり、ブースに応援で駆けつけてくれたイラストレーターのさかゐさんにも感想をご覧いただきました(とても喜んでいました)。
そうしてしばらく経ってからX(旧ツイッター)を確認していると、こんなツイートが。
真の狙いはこれだったのか……!!
読了感想キャンペーン延長
というわけで、X(旧ツイッター)にも投稿しましたが、今月いっぱいまで『青き石眼のアシュリー』読了感想キャンペーンを延長します!
X(旧ツイッター、しつこい笑)でHS書架公式アカウント(@hssyoka)をフォローし、下記ポスト(ツイート)をリポスト(リツイート)。
「#石眼読んだよ」を付けて、感想をつぶやくだけで応募OKです。(感想を写真にして投稿してもらっても大丈夫です!)
プレゼントは特製レンズクリーナー。すでにアシュリーとノエルの2人バージョンはなくなりましたが、ノエル、アシュリー一人のバージョンはそれぞれ1種類の合計2種類あります。
ぜひご応募くださいませ♪
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◯青き石眼(ひとみ)のアシュリー
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