後片付け
世界の中心で愛を叫ぶを見た。
今まで見た映画のなかで一番の衝撃だった。
死別した恋人を忘れられないまま別の人と結婚する、という筋書きはよくあることだ。現実でもよくあることだ。
この映画の「未練を残したまま生きていくしかない。残されたものにできるのは後片付けだけだ。」というテーマにすごく心が助かった。
死別は苦しい。苦しいから、残された側は今を生きることができなくなっていく。亡くなった人と、亡くなった人と過ごした思い出だけ重く残ったまま現実の時間だけは淡々と進む。
忘れられないのは当然で、苦しいのは当然で、解放されることのないままそのうち残された側も死ぬ。
天国は生き残った人が作ったもので、本当は人の死なんて無常すぎる不可逆なものだけれど、残された側は忘れられなくても天国があるかもって思いながら過ごしていくことしかできない。
すごく優しい映画だった。