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目覚めたカナリアの至宝

もう11月も終わり、いよいよ年の瀬にが近づいてきました。

欧州サッカーはシーズンの折り返しで、各国のクラブは前半をどう締めくくるのかに注目が集まります。

話は本題に移って、11月29日午前5時にスペイン、ラ・リーガ・サンタンデール第14節レアル・マドリー対セビージャの大一番が行われました。

結果は2‐1でホームのレアル・マドリーが勝利を収め、現在14試合を消化し、33ポイントで暫定首位となっています。

前半の早い段階でコーナーキックからラファ・ミルに先制点を決められるも、終了近くに相手キーパーのハンブルにしっかりと詰めたベンゼマが同点弾を決めました。そして、後半87分にはこの試合のMOMヴィニシウスが胸トラップをして自ら運んで豪快なミドルシュートを叩き込み、貴重な逆転弾でチームを勝利に導きました。

この試合に限らず、ヴィニシウスは今シーズンに入って急成長を見せておりここまでチームの勝利に大きく貢献しています。彼はまだ21歳の若手であるものの、既にチームの要としてそのポジションを確立しています。

今回は成長止まらないヴィニシウスについて解説していこうと思います!

【生い立ち】

2000年の7月21日にリオデジャネイロ州サン・ゴンサロで生まれました。彼の家は裕福ではなかったものの、5歳の頃にリオデジャネイロの強豪チームフラメンゴが運営するフットサルスクールで彼の代名詞ともいえる足元の技術を磨きました。

その後10歳になると、フラメンゴのユースチームに加入し様々な功績を残したことで「今世紀最高の至宝」「ニューネイマール」の愛称がつきました。

2017年の5月にはフラメンゴのトップチームとプロ契約を結び、16歳と10ヵ月の若さでプロデビューを果たします。

当時その秘めたタレント性に惹かれた多くの欧州クラブは彼の獲得を望んでいました。しかし、簡単に手放すことが出来ないフラメンゴは彼に多額の違約金をかけて放出を阻止する策を取りました。

そんな中ヴィニシウスの獲得に乗り出したのは、我らがペレス率いるレアルマドリーでした。移籍金は10代の選手にしては破格の4500万ユーロ(約58億円)でそれに契約解除金を上乗せして、トータル100億円近くの移籍金に上りました。これはブラジルサッカー史上歴代2位の価格です。(ちなみに、1位はネイマール)

過大評価ではないかと思われたこの移籍も、今となっては大当たりになりました。(なんかサッカー界の悪の帝王なんて呼ばれて、まあまあ毛嫌いされることでお馴染みうちのペレスですが、先見の明はある超有能なビジネスマンなんです(笑))

彼がした数々の悪行(?)はこちらの動画を参考にしてみてください(笑)

出典:EGIKE Football エグ様

会長の話はさておき、欧州でも随一のメガクラブから期待をされてブラジルからやってきた彼でしたが初めのシーズンは彼にとってもチームにとっても苦悩の1年でした。

【キャリア】

2018年夏にフラメンゴから移籍してきた彼は、その秀でたスピードとフットサルで鍛えた足元の技術で縦横無尽にピッチを駆け回りました。しかし、来てすぐの頃は、利き足でない右の精度と守備面での意識の薄さがたびたび指摘されていました。正直に言って、当時彼の右足はおもちゃ同然でした。

そして、チームもクリスティアーノ・ロナウドが抜けたことで露呈した得点力不足と2度の監督交代に悩まされました。クラシコでは1‐5と屈辱的な大敗、3連覇王者として臨んだCLもベスト16でアヤックスに完膚なきまでに叩きのめされました。

このチーム状況も相まって、ヴィニシウスは思ったような活躍を見せることが出来ませんでした。

そして、2年目となる19‐20シーズン彼は少しづつではあるものの成長を見せていました。29試合出場3ゴールに留まったものの、ホームでバルセロナを迎えたクラシコ第2戦目では全く後ろを見ていないFWブライスワイトの裏に侵入し、貴重な先制点を挙げ話題となったため印象に残っている方も多いのではないでしょうか。そのクラシコは当時ユベントス所属のクリスティアーノ・ロナウドも見に来ていたこともありサポーターと大先輩ロナウドに大きな印象を与えました。このシーズンはイングランドのチェルシーから大物のアザールが加入しただけに、彼の序列が下がる可能性がありました。しかしながら、アザールは度重なる怪我で戦線を離れる時期が長くポジションを取られる危険は免れました。

また19‐20シーズンレアルマドリーは以前の調子を取り戻しつつ、パンデミックによる中断明け後のリーグ戦破竹の10連勝と勢いに乗り見事リーグを制覇しました。

このシーズンもチャンピオンズリーグ制覇とはならなかったものの、久々のリーグタイトルで結果オーライみたいなところは少しありました。

そして3年目となる昨季は同様に得点は3点のみに留まりましたが、35試合に出場しており第二次ジダン政権の下で存在を確かなものにしました。それよりも、昨季のちょうどこの時期に終盤ラインで負傷者が続出し、下部組織のカスティージャから選手を引っ張らなければスタメンが組めないほどの人手不足に見舞われました。結果、リーグ終盤で優勝争いに大手がかかりかけたものの、一年を通して調子が整っていたアトレティコに惜しくも数ポイント差で優勝を持っていかれ2位でのシーズン終了でした。また、国王杯・UCL・スーペルコパも逃したため無冠で1年を終えました。

4年目となる今シーズン、ヴィニシウスは現在14節終了時点で14試合出場9得点と絶好調です。得点ランキングでは首位にいる同僚カリム・ベンゼマの11得点に次いで2位となっています。

ここまでの彼は「右足が改善されるだけでなく、何なら良くなっている」というところが率直な感想です。

今シーズン現時点では右足の得点が多く、目に見て分かる形で改善されているように思います。

前ほど持った時の焦りや、シュート時の力みが無くなっているため、変なダフりや宇宙開発シュートが減ってきているのが印象的です。

課題点を少しづつ改善し、それに加えて持ち前のスピードとテクニックが上手く化学変化を起こし今の調子につながっているんじゃないかなと思います。

ちなみに、この試合で個人的にはヴィニシウスの覚醒を垣間見た気がします。

この試合はヴィニシウスのドブレーテ(2得点)で勝利したのですが、先制点のシーンはマリアーノからのパスをしっかりと足元に収めて、ファーのコースに置きに行くような狙いすましたシュートで得点しました。

前ならば、トラップミスをしていたかもしれない、力んで宇宙開発していたかもしれない、そんな彼が確実に決めたシーンは個人的にグッとくるものがあると同時に、覚醒の始まりを見たような気分です。

【終わりに】

今回はヴィニシウスについて生い立ちからキャリアまでと、現在の素晴らしい覚醒具合についてお話してきました。

皆さん、これを機に「ヴィニシウス・ジュニオール」の顔と名前だけでも覚えていってください!!!

私は、彼が将来的にエル・ブランコ(レアル・マドリー)の歴史に名を刻むレジェンドになると確信しています。

この調子でいけば、キャリアハイの20ゴール越えも夢ではありません。

今シーズンも折り返しに入りましたが、後半戦も彼の成長と、2シーズンぶりのリーグタイトル獲得を目指している我がマドリーを応援していきたいと思います!!!

¡Muchas Gracias por leer !  ¡Hasta la próxima!

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