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儚い命

令和3年明けての4日早朝、我が社の中堅社員が自宅で亡くなっていた。衝撃的な年明けになった。翌日5日から仕事初めだった。奥さんと、小5の息子さんを残して旅立ったのだ。突然あっけなく・・・彼はいつも温厚で人当たりが良くて、少しマイペース過ぎるところがあるものの、仕事に対して愚痴ひとつ言わない人だった。仕事納めの日も一緒にお昼ご飯を食べて元気に「良いお年を!」と言って当たり前のように年明けも会うと思い込んで別れたのだ。

コロナ禍で学んだ当たり前だと思って過ごしてきたことが、彼の突然死によって「当たり前ではない」ことを正にダブルで痛感した。私は自分の両親はじめ、たくさんの死に顔を見てきたけれど、彼の顔は今まで見たことがない程穏やかで、少し笑みを浮かべていて誰よりも綺麗だった。その顔を見て、思い残す事はなかったんだねと勝手に判断してしまった。彼はもうこの世での使命を果たしたので神様が昇天させたんだと・・・

自分もいつ終わりが訪れるかわからない。長年親や夫への恨み妬み嫉みで心中ぐちゃぐちゃにしていた自身を、挽回しなければ生きている意味がないと思うようになった。人生後半になってやっとだ・・・なんて私は時という物を無駄に生きてきたんだと非常に情けなく思った。失った時は二度と戻ってこない。果たして私に、あとどれくらいの時が残っているのかわからないけれど、自分の意思で見る、読む、話す、聴く、移動できる内に、経験できる事を全うしようと思う。

昇天したUくん気付かせてくれてありがとう。また会おうね。

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