webイベント主催のススメ 〜「3つ」ができれば主催はできる!〜
私は2021年からwebイベントの主催を始め、ピクスク(pictSQUARE)で3回、ピクリエで2回(練習イベント1回含む)主催をしました。
これまでやってきて思うのは、「webイベントのやり方って、実はみんなが思うよりシンプル」ということです。
やってみないとわからないことかもしれませんが、webイベントは想像より簡単に開けます。
でも2024年現在では、素敵なロゴ・バナーを備えていて、企画やマップなどが充実したwebイベントがたくさん存在しています。X(twitter)や自作サイトでマメな連絡・告知をされている主催さんも多いです。
それだけに、webイベントを開くことに対する心理的ハードルが高まっているんです。
ですが、ちょっと待ってください。
webイベントの最重要項目は、「主催及び参加者の方が、作品発表の機会を持てる」ということです。
その目的を達成するために必要なことは、実は「3つ」しかないと私は考えます。
今回はそれをご紹介します。
※今回の記事は、二次創作イベントの開催を想定しています。
webイベント主催に必要な3つのこととは?
その1 イベントをやろう! という気持ちがあること
その2 イベントのコンセプトを決められること
その3 サークルの配置ができること
1つずつ、説明していきたいと思います。
1 イベントをやりたい気持ちさえあれば、大体のことは乗り越えられる
今回紹介する3つのことで、最も重要なことはコレです。
嘘みたいだと思われるでしょうが、webイベントを実施する上で「主催のやる気」さえあれば何とかなります。(そのくらいイベントの開催はシンプルなんです)
イベントをやるには素敵なロゴを作らなきゃ……背景のマップもこだわりを見せたい……。アバターも作りたいな……。それと自分ひとりでやるのは心配だから人脈が欲しい……。企画も何か考えなきゃ……。
これらは確かに、イベントにあると嬉しい要素です。しかし必須ではありません。
大切なことは、「そのイベントに合わせて作品を発表できる」という機会の提供です。
その提供だけでもできれば、サークルは「作品を発表できた」という満足感、読み手は「素敵な作品を読めた・買えた」という満足感が生まれます。
さらに読み手がサークルに感想を伝えることもあり、そうなるとサークルの満足度はもっと高まります。
これこそがwebイベントの真髄なのです。
ではその真髄を達成するには、何をすればいいのか?
その説明が、2つ目と3つ目になります。
2 イベントのコンセプトを事前に詰めておこう
webイベントをやろうと思った方が、最初にやらなければならないことはコレです。
「どんなテーマのイベントにするか」「どんな作品を作るサークルが参加できるのか」
これをなるべくブレないように決めておくことが必要です。
自分のジャンル全体のイベントなら、「ジャンルの作品を発表できること」が要件になると考えられますので、比較的シンプルかと思います。
その他、特定のテーマ(特定のカップリングなど)であれば、そのテーマの作品を発表できることが要件になると考えられます。
ここで注意が必要なのは、自分が想定していない問い合わせが来る可能性です。
例えばA×BというBLカップリングのイベントを開くと告知したとき、「B×Aの作品も一緒に出して大丈夫ですか?」「リバ作品は大丈夫ですか?」などの問い合わせが来る可能性があります。
それに備えて、逆カプやリバがOKなのかNGなのか、などの「イベントのテーマ、コンセプト、定義」をあらかじめ、できるだけきっちり決めておくことが必要です。
不意の問い合わせに慌ててOK、NGを回答することになると、自分の想定していたイベントとかけ離れてしまう可能性があります。
主催の考えがブレると、参加者の方が不安に思うパターンもあります。
参加者の中には「逆カプありのイベントには参加したくない」などの気持ちの方がいる場合も想定されるので、こうした質問や要望を想定し、できるだけ最初のイベント説明文に定義を明示することが望ましいです。
ですが、しっかり考えて告知していても、想定外の問い合わせが来るケースはあります。
もしイベントのテーマの想定から外れた問い合わせが来てしまった場合は、検討の上、答えをきっちり決めて回答しましょう。
実はこれができれば、イベント主催の50%は完了です。
3 サークルの配置を決めよう
極端な話、サークルを配置して場所さえ提供すれば、あとは参加者の方がその場を利用して作品を発表できますし、読み手はその作品を楽しむことができます。
逆に言うと、「サークル未配置のまま当日を迎える」これだけは絶対にダメです!
せっかく参加費を払って申し込んだサークルの方々に不利益を与えてしまいます。
「サークル未配置のまま当日を迎える」のを防ぐには……
「サークル配置の時間が取れるよう、サークル申し込み締め切りとイベント当日の間隔を十分空ける」ことが有効です。
規模にもよりますが、個人的には主催が初めての方は、この期間を1 ヶ月かそれ以上空けるのがおすすめです。
また、配置は最悪自動配置でも何とかなりますが、特にジャンル全体イベントなどの場合は傾向ごとに配置する方が親切です。
主催初心者の方にはここが非常にとっつきにくく感じると思います。
ですが、ここさえ頑張れればイベントの残り50%が完了し、イベントは無事成立します。
これは参考事項であくまで私個人の話ですが、「同キャラの別カプや逆カプは横並びに置かない」がモットーです。
リアルイベントや多くのwebイベントでは「受け」が同じサークルをまとめる傾向にありますが、私は「受けが同じでも攻めが違う」場合は、なるべく離すように配置しています。
実は配置の仕方をどうこだわるかが、主催の腕の見せ所でもあります。
自分のモットー通りに配置ができれば、主催としてかなりの達成感を得られますので、配置パズルにチャレンジしてみるのもおすすめです。
その他、あると嬉しいもの
はっきり言うと、ここまでの3つさえ押さえられればwebイベントは開けます。
なのでここからはオプション事項になります。
やりたくない、できないなら、無理にやらなくていいです。
イベントの全てを取り仕切るのは主催だけに許された特権です。主催が全てを決めていいのです。
運営の様子を見て、サークルは参加するかどうかを選びます。その選択権さえサークル側に与えていれば、運営方法は主催が決めていいです。
以下に、私がやったことがある取り組みを参考に記します。
もし可能であれば、自分のやりたいイベントの範囲で挑戦してみましょう。
イベント開催前の準備
・いい感じのロゴやバナー作成(可能なら技術のある方に頼りましょう)
・参加申し込みされたサークルに、受付完了した旨と注意事項などを伝えるメッセージを送る(例えばピクリエなら、ピクリエ内のメッセージ機能を活用)
・イベント告知X(twitter)を開設し、告知をしたり、参加者の告知をRPする(これは参加者を集めるのに有効なので、可能ならぜひ取り組みましょう)
・プチオンリーを開催できるように体制を整え募集する
・イベント記念ワンドロ・ワンライの実施を決め、告知する
・記念撮影の実施を決め、告知する
・Xでの告知テンプレートを配布し、テンプレを使ってサークルの告知をしてもらう
・イベント背景のカスタマイズやアバターの配布(これも技術のある方に頼りましょう)
・当日のXのアナウンスや、イベント会場内アナウンスの予約投稿
・印刷所へのイベント支援要請や、とらのあなwebオンリーの申し込みをする(これは結構大変なので、最近私はやっていません……)
イベント当日の行動
・ワンドロ・ワンライを実施する場合は、作品のRP
・記念撮影をする場合は、時間通りの指定の場所に行って指揮を取る
・少人数イベントの場合は、サークルの書き込み掲示板・ひとことポストなどにイベントに参加してもらえたお礼を全員に書き込んだこともありました。(最近やっていません……)
などなど……
主催としてやろうと思えばやれることってたくさんあるんです。
でもこれを義務と考えると苦しくなってしまいます。
苦しいからイベントをやらないよりも、たとえマップがデフォルト画像であってもイベントを開く方が、自分も楽しいし参加者の方にも喜んでもらえます。
最初はぜひ、コンパクトな運営で、参加が少人数そうなwebイベントを開いてみませんか?
その決断がジャンルを活性化させたり、喜ぶ人を生んだりします。
イベントを開催する一番のメリットは、「自分が参加したいイベント」が作れること!
では、勇気を出してイベントを開く一番のメリットをここで申し上げます。
参加者の方が喜んでくれるのも嬉しいことではありますが……
何より「こんなイベントあればいいな」と言うイベントを開けば、自らそれに参加することができるんです!
これがwebイベントの一番の醍醐味であります。
参加者が来るかは分かりませんが、ニッチなイベントも開き放題です。
ぜひ自分が「こんなイベントに参加したい!」と思うイベントを企画してみてください。確実に自分が満足できます。
よく「新刊を出すためにイベントに申し込む」と言われていますが、これからは「新刊を出すために、自分が出たいwebイベントを開く」時代です。
私は本気でそう考えています。
まとめ 〜webイベントって意外とやればできる〜
いろいろ申し上げましたが、イベントを開くために必要な3つのことを再度おさらいします。
イベントをやろう! という気持ちがあること
イベントのコンセプトを決められること
サークルの配置ができること
不安なら、最初は内輪だけが参加しそうな感じのイベントでも構いません。
そういう小さなイベントだけでも開くことができたら、webイベントが意外と開けちゃうことや、「こんなイベントがあったら嬉しいから企画してみたいかも……」といった発想が生まれてくると思います。
そんな方がぜひ、ひとりでも増えたらいいなと私は願っています。
きっと自分も周りも、ひいてはジャンルの空気もハッピーになれると思います。
最初の一歩、思い切って踏み出してみませんか?
思い切れれば本当に楽しいですよ!
追伸:web イベントの主催に興味がある同ジャンルの方の相談に乗ります。
何から始めていいかわからない方は、ぜひ筆者までご連絡ください。
最初はXのリプライとかからコンタクトする感じでOKです!
筆者(原チキ@hrtiki)のX(twitter)
https://twitter.com/hrtiki
【2024.8.7追記】
そもそもwebオンリーを開くとどんなメリットがあるのかについて、より詳しく書いた記事をアップしました。
ご参考まで。