#8.「株価上昇の公理」の公式化の視点を考える
1.多くのノウハウ本は「株価上昇の公理」を捉え切れていない
現在、ネットや書店には株式投資に関する様々なノウハウ本が出回っています。ノウハウ本では、移動平均線がゴールデンクロスのときに買うといったテクニカル分析、売上や営業利益が対前年で〇%上昇している銘柄を買うといったファンダメンタル分析、等が紹介されています。
ボクは株式投資を始めたころ、自分のスタイルを確立するために、ノウハウ本で紹介されている方法の1つ1つを実際にシミュレートして、その有効性を検証しました。
しかし、検証結果から明らかになったことは、ノウハウ本で紹介されている多くの投資法は10年や20年といった長期間で成績を評価すると、必ずしも良好な結果になるとは限らない、ということでした。
ノウハウ本で紹介されている方法の多くは、株価上昇の公理を捉え切れていないのです。
そこで、ボクは「株価上昇の公理」を捉えて公式化することで、再現性の高い投資スタイルの確立を目指すこととしました。( "再現性の高い"と敢えて記したのは、ボクの死後も娘が資産を増やしていけることを願ってです 笑 )
この記事では、「株価上昇の公理」を捉えて公式化するうえでの視点を書き留めておきます。なお、ここで対象にする株は「個別株」です。
2.株価上昇には公理がある
「株価が上昇する」と単に言っても、その理由や状況は様々です。例えば、来週の決算報告を期待した値上がり、企業の不祥事等による株価急落後の反動等、その理由や状況は多様です。
ボクはサラリーマンなので、日中は本業の仕事をこなさなくてなりません。そのため、株価の上昇が数日間で終わるような短期的な値上がりや反動を捉えるのは困難と考え、株価が数ヶ月から数年という中長期に渡って上昇する銘柄を対象にすることとしました。詳細は別の機会に示しますが、これらの銘柄の株価は少なくとも約2割(場合によっては数倍)の上昇が期待できます。いわゆる「ビッグチェンジ」が期待される銘柄です。
では、株価が中長期に渡って上昇する企業にはどのような特徴があるのか。自明の理ですが、それは「皆が今後の成長を期待する企業」です。
3.「株価上昇の公理」を公式化する際の視点を考える
株価が中長期に渡って上昇する企業は「皆が今後の成長を期待する企業」であると述べました。ここでは「皆が今後の成長を期待する企業」を公式化する際の視点を整理します。
ボクを含めて一般の方には、株価上昇に関わる特別な情報は入ってきません。もし入ってきたとしても、その時は既に株価に織り込まれています。株価上昇の初動を ”事前に” 捉えるのはムリと考えてください。
そのため、公式化を検討するうえでは「株価上昇の初動を見つけること」が前提となります。
その前提のもと、「皆が今後の成長を期待する企業」を見つけるための視点を整理します。当該企業を要素に分解すると、「"今後の成長が"期待される企業」と「"皆が"期待する企業」になります。
前者の「今後の成長が期待される企業 」とは、世のなかのニーズを満たす商品やサービスを提供し続けている企業です。当該企業は業績が拡大基調にあり、事業が国が掲げる政策や世界の時流に乗っています。そして、このような企業の株価は最高値を更新し、その後中長期に渡って上昇する、という傾向を有しています。
後者の「皆が期待する企業 」とは、多くのヒトが株式を購入したいと考える企業です。例え業績が堅調に拡大している企業であっても、当該企業の株式を購入したいを考えるヒトが少なければ、株価は上昇しません。そのため、皆が期待しているかどうかは、今後の株価上昇の可能性を考えるうえで外せない視点となります。この「皆が期待する」は「出来高の多さ」に現れます。
上記を踏まえると、公式化する際の視点は、「視点➊.業績が拡大基調である」、「視点➋.株価が最高値を更新している」、「視点➌.出来高が高まっている」、「視点➍.事業が国策や時流に乗っている」、の4つとなります。
さらに、視点➊~➍を「要素」と「時間軸」で振り分けると下図のようになります【図1】。視点➊〜➌は現在までのトレンドから評価するため「過去~現在」の時間軸に、視点➍は国策や時流の今後の動向を見据えて評価するため「将来」の時間軸に分類します。
株式を実際に選定・購入する際は、各視点の具体化(公式化)が必要となりますが、その詳細は別の機会に示していきたいと思います。