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ただ正しいだけのビジネス文章しか書けなかった僕が、ストーリー仕立てのKindle本を出すまでの道のり

ストカレで勉強した話 


はじめに

読まれる文書を書きたい

IT会社で管理職にいた僕は、毎週部下に向けて、メルマガのようなものを書いていた。内容は雑多だつた。会社の方針の説明や、部署の方針説明、小さなエピソードや、仕事への取り組み方などの固いことから、最近読んだ本の紹介まで、その時に気がついたことを書いていた。

そもそも、部署の人たちとの距離感を縮めるのが目的だったので、分野にはこだわりはなく、継続して露出することを目指していた。

不思議なもので、文章は書いているとだんだん上手になる。過去の文章を見ると、恥ずかしいものはいっぱいある。誤字脱字もあるし、わかりにくい文章も多かった。だんだん、昔の文章の欠点がわかるようになってきた。

「読んでもらえているだろうか」
「読みやすいように書けているだろうか」

いつも心配だった。でも、どうしたら良いのかはわからなかった。教科書がない。あるべき姿がわからないので、改善方法もわからない。せめて、行間を読まなくても理解できる明確な文章にしようと考えて書いていた。

そんな時に知り合いが、Kindleの本を出版したことを知った。ものキャンと言う学びの場があって、そこに入学して書いたと言う。良い文章の書き方を学びたかったので、僕もすぐに入学した。

そこで学んでいるときに、ストカレ(ストーリーカレッジ)を知った。現役のプロの脚本家が直接指導してくれるというのがすごい魅力だった。さらに、今回第2期としてやっているが、第3期はまだ計画がない。そしてそのプロの脚本家の先生が直接指導するのは、第2期が最後になるかもしれないと言うのだ。これは入学するしかない。ものキャンはちょっと休むことにして、ストカレに浮気することにした。

ストカレの日々

ストカレの講義は、11月から翌年の1月まで6回の本講義と6回の補足会それに追加講義が何回かあった。全部ZOOMのオンラインで、アーカイブもある。全部の講義に参加して、順番に課題をこなしていけば、最後の講義までにはKindle本を発行できて、最後の課題として卒業論文を書いて完了の予定……だった。

12月の3回目の課題は期限どおり提出したけれど、4回目の課題で遅れをとった。幸いなことに7月までは居残りで指導してもらえる。

「最悪、7月までに終わればいいか。3末に退職したら、時間もできるし……」なんとなく、そう思つた途端、進みが遅くなった。

気を取り直して再計画

一度期限に遅れると、どんどん遅れる。次の期限はサポート切れとなる7月末までに出版することだ。そのためには、5月頃には原稿を提出しよう。
3月末で退職して、フリーとなる予定だったので、その後に力を入れることを考えて、ズルズル遅れた。

そして、再開。しばらく休んでいると、何をどこまで進めたのか、流れがわからなくなる。講義の内容を復習し、課題を手直しするのに3日くらいかかった。

課題も見直したので2回目だ。2回目になると、深く考えるようになってきて、より良くなってきた。

そして、とうとう、Kindleの原稿を見据えて、ログラインを考えたり、構成を考えたりできる段階まで復習は進んだ。

初めてのe-Bookへの挑戦

e-Bookの目的の再確認


はじめに本を書き始めるときに、出版の目的や想定読者などを検討し、言語化し記録していた。本の構成を考えてしてるうちに、その最初に言語化した内容は忘れてしまっていた。

そこで、改めて次のことを書き出し、本の構成を考えるときに意識することにした。

  • 出版の目的は何か

  • 読者は、誰か

  • 読んで、読書はどうなるのか

  • ライバルとなる本は何か

  • その本と比べて何を差別化とするか

そしてこれをベースにログラインを確定する。ログラインとは、ストーリーを一言で表したものです。
今回の僕のストーリーのログラインは、「⚪︎⚪︎⚪︎の会社員が、自分の考えで仕事をしたところ、⚫️⚫️⚫️になった」と言うもの。この⚪︎⚪︎⚪︎と⚫️⚫️⚫️の部分が、なかなか安定しなかった。

ヒーローズジャーニーの型を選択

ストーリーを書くには、型があることを学んだ。どうやら、「三幕構成」と「教育の型」を組み合わせるのがいいようだ。教育の型では「なぜ」「何」「どうやって」「今すぐ」の4つの章に分けて書いていく。

構成を検討して、4つのパートに分けようとするとどうもうまくいかない。メリハリがつかない。

そこで使う型を変えた。ヒーローズジャーニーと言う型で書くことにした。ヒーローズジャーニーのストーリーの流れは、次のようになる。

  •  日常の普通の生活を送っていた主人公が、

  •  何らかのきっかけで障害を乗り越える冒険の旅に出て、

  •  最後に成功を抱えて戻ってくる。

  •  そして新しい日常を始まる。

初めに、ヒーローズジャーニーを選ばなかったのには、理由がある。今回の僕のテーマは、新人会社員が、執行役員になるまでのマインドの変化なので、気をつけないといやらしい話になりそうな気がしていた。ヒーローズジャーニーで「成功して帰ってくる」部分がいやらしくならないかと気にした。

障害の設定

ヒーローズジャーニーの物語は、 主人公が障害を乗り越えて何かを成し遂げていくところが教訓 となり、楽しみともなる。
今回は、素直ないい子で上司や先輩の言うことは絶対だと思っていた主人公が、自分の考えで活動してもいいことを学び、だんだん自由に決めろる範囲を拡大していくストーリーにした。学びのきっかけとなる出来事を「障害」として選んだ。

ストーリーでは、一つの出来事で一つ学んでいる。実際には、一回の出来事だけで学ぶことはなく、似たようなことが何回かあって、やっと学ぶことが多い。その中でわかりやすい出来事を「障害」として選択した。

メンター

メンターを誰にするか、どう出演してもらうかも悩みだった。実際にはいろいろな方にたくさん教えてもらった。言い聞かせてくれる人、行動で教えてくれる人、反面教師になってくれた人。このいろいろな人たちからの学びを一人のメンターにまとめるアイディアもテクニックもない。

そこで、先人に学ぶことにした。つまり、どんなメンターが出てくるのか調べてみた。そして「夢を叶えるゾウ」のゾウがメンターであることに気づいた。「そうか、想像上の動物でいけるではないか。

想像上の動物でいいならば、なんでもいい。考えるだけ時間もかかる。「ゾウ」でいいならば、「カエル」でもいいだろう。でも「蚊」はちょっと違う気がする。

少し考えて、たまたま使っているアイコンがふくろうだったので「とり」をメンターにすることにした。

メンターは、万能で全てを知っていて、主人公にアドバイスしてくれる。メンターの言うことは周りには聞こえず、主人公の頭の中に語りかける。

こんな設定で構成を確認してもらったところ、アドバイスをいただいた。

  • なぜトリなのか、トリはいったいなんだったのか、読者が「なるほど」となるようなオチがあると良い

  • 架空の存在には、主人公の前に現れた納得感があるのが理想

  • トリがすべての答えを伝えたり、主人公が行動した後で「そうだ」と結論を伝えるだけだと、メンターとして効果的に機能しない

  • トリとの関係も変化していくと面白い

  • トリのキャラクターをしっかりと描いて、主人公との関係が築けていくとよい

  • ストーリー型のビジネス書はメンターが課題を与えて、主人公が行動して乗り越えて成長するという流れになっている

困った。「なぜトリなのか」「たまたま、そこにアイコンがあったから」では、ストーリーにならない。「トリ」では発想が浮かばない。主人公との関係性も描かねばならない。メンターの「性格」も設定いないといけない。

もう、思いつきの「とり」では設定できない。悩んだ結果、昔買っていた犬にメンターになってもらうことにした。もともと素直な子犬が成長して、少し偉そうなメンタになることにした。

表紙
Kindle本の表紙は、インバクトがあり綺麗なものが多い。そんな表紙をどうやって作るかわからなかった。デザイナーさんにどう頼んだらいいのかがわからない。

講座の中で、表紙もレビューしてコメントをいただける。自分なりのイメージを作りコメントをいただいた。そのタイミングでタイトルも変更した。何を訴求して誰に読んでもらうかを考えると、変えた方がいいのではないかと提案されたので考え直した。

誰が どうして、どうなった という流れのタイトルです。そのどうなったの部分が、最初は執行役員になった」としていましたが、「自由になった」に変更した。

表紙は、ココナラでデザイナーの方を見つけて頼んだ。私が作った、イメージと参考としたKindle本のURLをつけて参考にしてもらいました。デザイナーの方は、僕のようなクライアントの扱いにも慣れているようで、うまく提案してくれました。自分にはデザインの評価センスも全くないことを自負していたので、デザイナーの方に任せきりです。

校正
ストカレの指導の一つに、本文の校正がありました。字下げなどまでチェックしてもらえた。一番多い指摘は「揺れ」です。漢字を使ったりひらがなにしたり、使い方が一定していない部分がとても多かったのです。我ながら情けないのと不思議でした。

また、数字の使い方も指摘が多かった部分です。「一人ひとり」は漢数字、1人2人と数えるような時はアラビア数字です。
また、「・・です」「・・です」「・・です」 と単調に続いている部分なども指摘していたたきました。

事前にかなり見直したつもりだったので、確認漏れが多かったのは、かなりショックではありました。

プレゼント
読者プレゼントにも悩みました。プレゼントは公式Line経由で読者に配布します。読者のリストが手に入るので、次の本の紹介などを配布できます。
僕は、小冊子を用意しました。書籍に書ききれなかった部分を切り出して、別冊にしたものです。

ブレゼントで苦労したのは内容ではなくて「見た目」です。初めは、文字だけ書いてある「白書」のような、シンプルなものを作りました。

ところが、CANVAなどを使い少し工夫すると品質が上がると指摘をいただきました。それならば、やってみるかとCANVAに移行して少しいじりました。

ダメでした。少しカラフルにはなりましたが、イマイチです。どのツールを使うかよりも、どういう姿にするかというセンスの問題が大きいのです。

諦めて、そのままにするかどうか悩んでいたのですが、表紙のデザイナーさんと相談することにしました。デザイナーさんに、CANVAのデータを見てもらい、「綺麗に整えることはできますか」という無茶振りをしたのです。

なんと、引き受けていただき、とても綺麗になりました。出来上がりは、僕の本のプレゼントからとってご覧になってください。

Kindle化に向けて

「本文、表紙、プレゼントまで準備できたら、あとはKindleに登録するだけだ」と思っていました。ところがまだまだやることがありました。

KDP


まずは、KDP (Kindle Direct Publishing)の登録です。これは、2段階にわかれます。

一つ目が、アカウントの登録です。次が書籍の登録です。アカウントを1回登録すれば、本は何冊でも発行できます。初めての時は両方しなければなりません。
AMAZONのKDPのページで順番登録すればいいので、面倒だけど、難しくはありません。

e-PUB


次がe-PUB化です。
僕が困ったのは、バラグラフとパラクグラフの間の改行を一行にしたらいいのか、二行にしたらいいのかがわからないことでした。e-Pub化したときに、どんな感じになるのかわかりません。

また、章ごとの扉をどうするかも悩みでした。どうやら、扉は図として章ごとに作って取り込むようです。

そして、e-Pub化はかなり面倒で、ノウハウも必要のようです。ココナラなどで引き受けていただけるようですが、どうも、Wordの文章を渡して、e-pub化してもらうようです。

ところが、私はWordを持っていません。Wordを購入するか、互換ソフトで済ませるか、Onlineのwordでもいいのか、Pagesからword形式で出力してはどうだろうか。
いろいろ考えましたが、今回は、どんな見え方なのかが大切で、見え方が崩れたら意味がありません。ココナラなどで頼むならば、Wordを購入する必要があります。

こんなことを考えていたら、Pagesでe-Pub形式で出力し、Kindle Previewerで、Kindle形式に変換するという技を見つけました。これなら自分でできる。先ずは、自分でやってもて、うまくいかなかったら、ココナラで頼むことにしました。

結局、自力でなんとかしました。Kindle Previewerを使うと、いろいろな端末でいろいろなサイズで表示するとどうなるのかを見ることができます。
図を入れると崩れたりしますが、その状況も見た上で、なんとか満足するレベルとできました。

告知


次は、告知をしなければなりません。何もしないでKindleで出版されても気付いてくれる人がいないでしょう。

5日くらい前から、Xで少しづつ告知を進めました。木曜日の晩にKDPに登録したので、日曜日にはKindleで見えるようになりそうです。

そこで日曜日に出版の予定で、進めました。土曜の晩にKindleで購入できることを確認。一冊購入しました。

しばらくすると、登録した分野ごとのランキングが出てきます。これがでてくれば安心。告知です。Xで発行した旨宣伝しました。

終わりに

ストカレでは、長妻先生はじめ、コンシェルジュの皆さん、表紙の評価をしていただいた、なつめももこさん。大変お世話になり感謝しています。

特に、表紙を作るときになって、タイトルの指摘をいただいたときには、なるほどと思いました。表紙をみた人に、何を訴求するかを考えると、タイトル変えた方が いいと言うことだと理解しました。なるほどと思い、ぱっと変えちゃいました。

Kindleの本が発行されて、7つの分野で新着の1位をいただきました。そこまでで、一通り完了した気になりましたが、気づいてみると、卒業論文を書いていない。

焦って書きました。

2024.7.31  かどー

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