アジアサッカーの転換点になるかもしれない
U23アジアカップの準々決勝で、日本は難敵カタールを延長戦の末に下し、パリ五輪出場まで後一勝になりました。
相手GKが退場した幸運もありながら延長戦までもつれ込んでしまったのは、グループリーグから続いている、このチームの試合運びのつたなさを象徴するものだと思いますが、それでも勝つのがなにより重要です。良い試合をしても負けたら何も残りません。次はイラクとベトナムの勝者との戦いですが、試合が中3日空くため回復に時間を割けます。逆に相手は中2日での試合ですので、コンディション的には日本が有利です。
準決勝で勝てば文句なしの五輪出場が決まりますが、負けた場合は3位決定戦に回りそこで勝てば出場決定。万が一負けても、アフリカ4位のギニアとの大陸間プレーオフで勝てば出場です。つまり、準決勝に進めた時点でチャンスはかなり広がりました。一番の山場はこの準々決勝だったかも知れません。
一方、日本戦の数時間後に行われたもう一方の山の準々決勝で、先の試合で日本を下してグループ1位になった韓国は、インドネシア相手にまさかの敗戦を喫しました。
インドネシアを率いるのが同じ韓国のシンテヨン監督(日本サッカーファンにとってもお馴染み過ぎる指導者ですね)ということもあり、韓国対策はバッチリだったのでしょうし、この試合では韓国に退場者が出てしまい、韓国のファンソンホン監督にとっても難しい試合だったでしょう。2-2のまま延長でも決まらず、PK戦に入り、そこからがさらに死闘と言える長い応酬の末、インドネシアがPK戦スコア11-10で勝利しました。
1月のフル代表のアジアカップの時にも感じましたが、東アジア勢、中東勢に続くアジア第三勢力として東南アジア諸国の躍進は明らかです。今大会でも準々決勝8チームのうち、インドネシアとベトナムがいます。他は東アジアが2、中東が3、中央アジアが1です。
日本・韓国・オーストラリア・サウジアラビア・イランというお馴染みの国々に、イラクやクウェート、バーレーンあたりが絡んでくるのが恒例でしたが、ずいぶん様変わりしました。オーストラリアはグループリーグ敗退でしたし、韓国もついにこれで連続出場が途絶えました。日本もまだ出場権を得ていない以上、全く油断できません。
この2024年のU23アジアカップは、アジアサッカー界における一つの転換点になるでしょうね。