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サービス提供側とシステム開発側とサービス享受側のIEを巡る対応

マイナポイントのホームページがInternet Explorerのみ対応ということでさんざんに言われています。

これだから役人は、とか官僚は、とかお堅い役所仕事のように批判されていますが、民間でもまだまだIE専用ウェブサービスは実は残っています。

以前にもnoteに書いたことがありますが、特に法人向けインターネットバンキングでもいくつか残っています。

三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/hojin/valuedoor/help/kankyo.html
みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/account/ebusiness/environment.html
三菱UFJ銀行はIEのみ対応ではありませんでした
https://bizstation.bk.mufg.jp/service/kankyou.html
みずほ銀行は別のサービスではFirefoxやMacのSafariも使えるようです。
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/account/b_web/index.html
ゆうちょ銀行はWindowsはIE縛りですがMacのSafariは可能です。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/hojin/smart/bizdirect/hj_smt_bd_use.html
りそな銀行はほぼ全部使えますね。証明書は一部ですがこれはOS、ブラウザの問題もあるのでしょう。
https://www.resona-gr.co.jp/resonagr/b_direct/system_requirements.html

まあ、セキュリティがどうのこうのと言ってマイナンバーシステムが使いづらかったり、金融庁やら総務省やらが情報漏洩でやらかした企業を注意したりしているくせに、肝心の政府のサービスがド古いIEのみでしか使えないのは非難されて当然でしょう。なんせ大元のMicrosoftが「もうInternet Explorerは使うな」と言っているのですから。

これらの批判は至極当然で政府側を擁護するのは非常に難しい、というかする必要はないのですが、そもそもなぜIE縛りのウェブサービスを作ろうとするのでしょうか?

サービスを利用する側(一般国民)に取ってみたら全くメリットはありません。デメリットしかありません。正確には、IEしかブラウザがインストールされていないWindowsマシンしか持っていない人を除く人にとっては全くメリットがありません。

サービスを構築する開発者(システム開発会社)にとってもメリットはありません。どこの会社に依頼したのか知りませんが、まあ普通は使用ブラウザの開発要件を決めているのは発注側でしょうから、作る側、特に受注した最上流の人ではなく実際に開発している下請けの人にとっては災難でしかありません。

サービスを提供する側(政府・役人)にメリットがあるかどうかは分かりませんが、言い分としては一番普及しているOS(Windows7,8.1,10)においてデフォルトでインストールされているブラウザ(Internet Explorer)に対応させた、ということらしいです。多分、IE以外のクロスブラウザ対応する方が開発側も楽なんじゃないかと思いますが、IEに対応していないとIEしか使っていない国民を無視している!とクレーム付けられたくないんでしょうね。

しかし、政府としてはセキュリティに問題があるからIEは使わないでね、と呼びかける側だと思うのですが。特にマイナポイント事業を進めている総務省は、国民のITリテラシー向上を進める立場でもあると思うのですがどうなんでしょうね。これを機にIEを日本から排除しよう、というくらいの気概を持ってほしいですが。

結局、誰にとってもデメリットしかない環境でサービスを提供することによって、そのサービスの本質とは関係ない理由でそのサービスのメリットが大きく損なわれてしまいます。端的に言うと、「IE縛りのマイナポイントとか誰が使うか!」ということになります。

言い方は悪いですが、地方の規模が小さな自治体のウェブサービスでこんなことになるのなら分からなくはないというかしょうがないかなとも思ってしまいますが、総務省には日本国のITを司る仕事がある以上、もう少しマシなマイナポータルサイトを作って欲しいと思います。

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