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地方での暮らしと自動車

都会の喧噪から離れて、のどかな地方・田舎に移住してノンビリ暮らしたい、という願望は、都心部で生活している人にとっては良くある願望です。

都会暮らしが向いている人、田舎暮らしが向いている人はそれぞれいますし、両方OKという人ももちろんいるでしょうけれど、都会との決定的な違いとしての田舎暮らしの問題点として、現代日本においては車が必須だというところです。

田舎でのんびりスローライフ、には自動車が必須というのは、個人的には矛盾に近いものがあるというか、いろいろ手間やお金がかかるなあとイメージを持ってしまいます。

多分これは、生活にも仕事にも自動車が不要な暮らし方をしているから持つイメージなのだと思います。電車・バス・自転車・徒歩で目的地と自宅の往復を容易にできる地域に住んでいると、自動車の必要性は当然ながら薄れます。もちろん、同じ場所に住んでいても家族構成や趣味によっては車が欠かせない人もいますが、都会では車を所有する上で必要な駐車場代だけでも1年で20万以上かかってしまいます。

それに加えて、自動車関連の税金、ガソリン代も必要です。自動車が不要な生き方をしている人にとっては、これら自動車関連経費と電車などの運賃を比べると圧倒的に前者が高いという意識があります。

都会では自動車経費が出来ればかけたくないものであっても、地方では必須となってきます。必須なので好むと好まざるとに関わらず、水道光熱費や食費などと同レベルの必要性ですので節約はしてもゼロにする人はほぼいないでしょう。

さて、そうなると田舎でのんびりスローライフ、という生き方と、環境保護に対立するガソリン車が共存することになってしまいます。別に地方で住むことと環境保護を両立する義務など存在しませんが、何をするにもどこに行くにも車が必要という暮らしというのは、都会に住んでいてはなかなか想定しづらいです。

食品や生活必需品を買いに行くにも、銀行や郵便局や役所に行くにも、病気や怪我で病院に行くにも、場合によっては子どもを学校に連れて行くにも自動車で行くしかありません。

電車の時間を気にして行動するよりは、自分で運転すればいい車移動の方が気楽という点はあります。逆に、自分で運転しなくても、寝ていても、本やスマホに没頭していても移動出来る公共交通機関の方が楽という人もいるはずです。

その辺は人それぞれだと思いますが、地方の方が気楽・ノンビリというのはある意味偏見でしょう。都会の方が気楽に暮らせる人も間違いなくいます。

それでも、地方の特に過疎地域が過疎化していき、地方の都市部に人が集まっていく現状を考えると、大都会にまで移住するのではなく、それなりに施設が集中している地方の中心都市の利便性が、一番バランスが取れているのかも知れません。

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