MNOの新規事業者がもっと出てくるかも?
楽天モバイルの利用者にとっての目玉は月々2,980円で電話・SMS・ネット回線使い放題というサービスですが、携帯回線事業者としてはネットワーク仮想化という特徴があります。
私自身は全くの素人ですので、これがどれくらいすごいことなのか、逆にすごくないのかということは分かりませんが、素人なりに考えると、アンテナ・基地局とネットワーク機器、そしてその間の光ファイバーを準備できたら通信事業者(MNO)として稼働できることになるのでしょうか。
もちろん認可だの工事だの相当な苦労があるはずですが、携帯電話事業を始めるハードルが以前よりは低くなったのは間違いないでしょう。
楽天モバイルが正式稼働して1ヶ月と少し経ちました。私自身も使い始めて1ヶ月ほど使っていますが、トラブルには遭遇していません。電話の音声が聞こえづらいことはありましたが、最近はそれもなくなりました。移動中も電波がつながらないことも無かったです。KDDIとのローミング切替もスムーズな感じがします。ネットでの不評の大半は楽天本体のアンテナが少ないことのようですので、これは時間をかけて設置していけば解決する問題です。
携帯のアンテナを立てるのも、設置場所の地主のOKが出れば即設置、というわけにはいきません。周辺に既にあるはずの他社のアンテナと電波干渉しないように設置する必要があるそうですので、後発組みはその点が難しいですよね。SoftBankも業界参入後、電波が悪いということはよく言われていました。だからこそ既に基地局を抱えていたイーモバイルやウィルコムを買収したということもあると思います。
携帯各社がそれぞれに基地局を設置していくのもある意味、無駄が多いでしょう。この地域ではこの場所に設置するのが一番良いけれど、そこは取られているのでその近くに設置したために、お互いに干渉して通信速度が出なくなったら本末転倒です。基地局を共同で利用しようという動きとか、あるいは逆に、全く別の会社が設置した基地局を複数のキャリアが利用する、ということも出てくるはずです。
実際、基地局インフラを共同利用させる事業を行う企業も出てきています。
携帯大手が自前主義捨て基地局をシェア?「5G」めぐる大量増設で
https://diamond.jp/articles/-/183685
鉄塔設備はそもそも建てるのも大変ですけれど、電波干渉さえクリア出来れば、コンビニや薬局などのチェーン店とか、マンションやアパートを抱えている不動産会社や建設大手とかが基地局を建ててキャリアに貸すということもあるかも知れません。
それこそ、IIJのような現在フルMVNOをやっているところが、MNOを始めたりすることもあり得なくもないのではないかと思います。さらに、そのIIJはeSIMも取り扱っていますが、物理的にSIMの郵送もしないeSIMオンリーのMNOなんかもあり得ます。
自社アンテナは持っていない、ネットワークも仮想化している、eSIMだけ扱うので送付するものもない、利用者と携帯事業者がオンラインだけのやり取りで完結してしまうようなMNOも出てくるのでしょうか。
まあ妄想はいくらでもできますが、実際にそこまで乗り出して来るにはかなりの技術や人的資源が、量も質も必要でしょうし、90年代のような携帯事業者の戦国時代の再来とまではならないでしょうね。そう考えると楽天モバイルがこの時期に業界に乗り込んできたのはすごいことなんだなとも思います。