スチールデスクが不便な時代
昔から、どっしりした感じの重い机はステータスの一種でした。もちろん容易に揺れたりしないので、使いやすさも兼ね備えています。そして重い机を作るには当然ながら重い素材が必要ですが、木製の机で例えば一枚板の天板なんか使うと非常に高価になってしまいます。
比較的安く、かつ重さと安定性を求めるなら鉄製の机となります。オフィス環境では当たり前のスチールデスクですが、今では不便に思うこともあります。
以前、Apple Watchのバンドにミラネーゼループっぽいものを使っている時、バンドの長さを調整する磁石部分が机の鉄にくっつきました。手首を移動させる度にちょっとした力が必要になり、地味ながらも面倒で厄介でした。
それ以外にも、スマホやタブレットのカバーに内蔵されている磁石が反応することもあります。デバイスを持つ度にやはり力が必要です。こういったことは大きな不便ではありませんが、一日のうちで何十回もあるとなるとストレスもかかってきます。
仕事中はそういったものを身に付けない、机に置かないことが決められている職場であれば、そんな心配はありませんが、BYOD(Bring Your Own Device)が許されている職場なら、結構よくある話なのではないかと思います。
紙の書類を机の上で大量に扱うのであれば、重さがあるためズレることもないスチールデスクは優秀でした。木の机ですと表面が真っ平らではないので、書類に鉛筆、ボールペン、万年筆で何かを書くにしても下に敷くものが必要ですが、真っ平らな金属の天板ならそんなものも不要です。
しかし、スマートウォッチ、スマホ、タブレットなどで磁石があるデバイスが机に接する時代になりますと、スチールデスクはもはや時代遅れになっていくのかも知れません。
だからと言って、安っぽいベニヤ板っぽさが満開の木製の机が職場で提供されると、それはそれで人によってはモヤモヤしてしまいそうです。気にしない人は全く気にしないでしょうけれど。
メラミン化粧板のような、色も自在の天板を使っているオフィスデスクでしたら、職場での違和感も減るはずです。今ではテレワークと併用する企業も多くなりましたし、職員全員が毎日朝晩で職場に詰めていることも昔よりは減りました。
いずれは机に重厚なステータス感を求めるのも時代遅れというか、珍しい考え方になるかも知れません。今、一番重い机って電動式スタンディングデスクですし。
腕時計にしても高級なものをステータスとして見なす人と、全く腕時計を付けない人と、私のようにスマートウォッチなら使用するという人、安くても時間が計れたらそれでいい人、くらいに分かれるでしょう。
机も同じでしょう。デザインを優先する人や、別に無くてもいい(ノートPCでどこででも仕事出来る)人、スタンディングデスクのような機能を最優先する人など、様々になってくるのではないでしょうか。
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