ルヴァンカップのためにスカパー!と再契約
かつてはJリーグサポーターにとって、スカパー!との契約は欠かせませんでした。スカパー!によるJリーグ全試合放送は、人気低迷・放映権の問題を抱えていたJリーグを助けてくれたことは間違いありません。
それでも時代の流れによって衛星放送よりもストリーミング配信が世界の潮流となったこともあり、DAZNによる巨額契約への移行となりました。
そのDAZNが突如値上げを発表して月ごとの契約をしている人にとっては阿鼻叫喚だったのですが、4割アップの月3,000円というのは動画配信サービスとしては結構な金額です。とはいえ、かつてのスカパー!における国内サッカープランでも3,000円ほどかかっていたので、Jリーグ以外のサッカー、他のスポーツも多数観戦できると考えると高くはないとも言えます。
Jリーグに関しては、Jリーグ(J1、J2、J3)、ルヴァンカップ、天皇杯、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の4大タイトルのうち、DAZNがカバーしているのはリーグ戦とACLの2つです。ルヴァンカップはフジテレビとスカパー!が、天皇杯はNHKとスカパー!が放映権を保持していますが、残念ながらDAZNでの放送はありません。
スカパー!のサッカーセットのプランは基本料を加えると2,909円しますので、DAZNの料金と差がほぼありません。
これで見られるのはルヴァンカップとブンデスリーガのみですので、契約するのはドイツサッカーファンか、ルヴァンカップ出場チームのサポーターだけでしょう。
というかルヴァンカップが始まる月に契約して、敗退したらそこで解約、という人も多いはずです。少なくとも私はそうです。
一応、天皇杯も対象のはずですが、
とは書いてあります。DAZNで集約してくれたらありがたいのですが、独占状態になるといくらでも値上げされてしまう可能性もあります。
だったらDAZNの中でもスカパー!のように、見たいスポーツ・試合だけを安く選べるシステムになってくれれば良いのですが、そうはならないでしょうね。
むしろサッカーのみのプランが出来てそれだけ爆上げされたら困りますが、今みたいに全スポーツが全部見られてプランが一つ、という状態の方が、値上げに反対する人が多くて結局は良いのかも知れません。
しかし、今みたいにDAZNに3,000円(年間コードを使っていますが)、スカパー!サッカーセットに2,909円となると、消費者にとっては負担が大きいです。
通常の資本主義の考えでは、競争状態よりも独占状態の方が消費者にとっては不利益が生じるはずです。独占した企業が競争相手が居ないため、いくらでも値上げ出来るという理屈です。
しかし、例えばルヴァンカップも天皇杯もDAZNが独占したとしたら、月額6,000円以上になれば消費者にとって不利益になるということになります。さすがになさそうですが、どうでしょうね。
そもそもサッカー放映権は自由市場と言えばそうなのでしょうけれど、参入事業者がDAZN、スカパー!、WOWOW、NHK等キー局、と限られています。限られた企業間でコンテンツを分け合っているのですから、独占状態ではないけれど現時点で既に寡占状態です。
1社が独占して爆値上げしたら消費者にとっては不利益なのですが、寡占状態で各社がコンテンツを分割して分け合うのも結局は不利益とも言えます。
海外サッカーファンはともかく、Jリーグサポーターは料金が巡り巡ってJリーグへの放映権料となり、さらに推しチームを含む各クラブに分配されるのですから、我慢はしますけれどもう少しなんとかなってくれないかなとは思います。
そう言えば、動画配信サービスでは人気コンテンツを1社が独占することは多いですが、音楽配信サービスでは同じ曲・同じ歌手が複数のサービスで配信される方が普通です。電子書籍サービスでもたいていの本はたいていのサービスで販売されています。なぜか動画だけ囲い込みが激しいのですが、コンテンツ辺りの契約単価が高いからでしょうか?