Apple SiliconのMacではちょっとしたプロセスの暴走に気が付かない
昨日、Macのアクティビティモニタを見ていると、trustdというプロセスがCPU使用率100%弱になっていて、いわば暴走しているっぽい状態になっていました。メール・App Storeなどの証明書を管理するプロセスらしいですが、一度Apple IDからサインアウトしても変わりありません。
Twitterで調べてみると、どうやら特定のファイルを削除して自動作成されたら直るとのことで、やってみるとアクセス権がないため削除出来ないというエラーが出る。
今のMacでは、OSにとって重要なファイルを勝手に消されないようにSIP(システム整合性保護)という仕組みが備わっていまして、それを一旦向こうにしないと、その特定のファイルは消せません。
ということでSIPを無効化するわけですが、そのためには再起動してからリカバリーモードに入る必要があります。リカバリーモードには再起動直後にCommand+Rキーを押し続ければ入れるのですが、これがどうしても入れない。純正キーボードでも入れない。
と、ここでちらっとかすかに思い出したのが、Apple SiliconのMacはリカバリーモードへの入り方が違ったかも、ということで、検索してみたらやはり違いました。
Mac の電源を入れ、起動オプションのウインドウが表示されるまで、そのまま電源ボタンを押し続ける必要がありました。
で、ここでもう面倒になったというか、trustdプロセスだけが暴走していても、M1 Mac miniが優秀というか性能が良いというか、Macの温度が上昇していません。他の動作も別に重くもありません。
どうせそのうちAppleが修正するだろう、と思ってそのままにして外出して戻ってきたら、trustdの暴走が収まっていました。
諦めたら上手くいくという逆説には腹立たしいものの、結局直ったので文句も言いようがないのですが、そもそも一つのプロセスが暴走しても大して影響が無いM1 Macの凄さに驚きます。
他のMac、IntelMacだと、このプロセスの暴走で発熱が激しかったり、他の動作にも影響があった人もいるようです。
全てのM1 Macで、trustdプロセスの暴走が起きていたか、起きても大して問題が無かったか、ということについては分かりませんが、少なくとも今回の件ではアクティビティモニタを頻繁に見ている人でないと気が付かなかったのではないでしょうか?
これはOS内部のプロセスの暴走でしたが、ちょっとした不具合程度なら性能が高いパソコンでは気が付きません。これってむしろ悪用される可能性もあるのではないかと思ってしまいました。
コンピュータウイルス・マルウェアなどが感染したパソコンですと、普通は動作が重くなって気が付くのですが、ちょっとした程度のCPU使用率アップ、メモリ使用数であれば目立ちません。
最近では、パソコンの情報を不正に取得するだけではなく、仮想通貨のマイニングに感染したパソコンのリソースを不正利用するウイルスもあります。猛烈にパソコンが重くなれば誰でもおかしいと思うでしょうけれど、微妙なレベルならずっと悪用され続けてしまいます。
性能向上は基本的には手放しで喜ぶことで素晴らしいのですが、ちょっとした程度の不具合だと気が付かないというのは贅沢な悩みかも知れません。