大阪人から見た東京の地下鉄の長所短所

11月23日から25日にかけて、東京観光してきました。23日はほぼ、天皇杯決勝に費やしましたけれど。

3日も一所に腰を据えて観光してみると、サッと見ていた時とは違った印象も出てきます。大阪生まれ大阪育ちのオッサンとしては、東京の地下鉄の良いところと悪いところを同時に感じました。

大阪の地下鉄は一社だけ、現在は大阪メトロという名前の民間企業になっていますが、元は大阪市営地下鉄でした。この市営地下鉄だけしか存在していませんでしたが、東京では地下鉄を2社が管理運営しています。都営地下鉄と東京メトロです。後者はかつて営団地下鉄と呼ばれていました。

都営地下鉄と営団地下鉄の2種類あるという時点で、大阪人としては理解が難しくなりますが、一元化・合併構想は何度か生まれては立ち消えていました。とはいえ、今では東京メトロと都営地下鉄の疎遠さも無くなっているようで、かつて「バカの壁」と批判された九段下駅の分断も無くなりました。

そうは言ってもそれはずっと東京で暮らしている人や働いている人の感想であり、観光客として来た者、特に地下鉄の仕組みが異なる大阪から来た人間にとっては、やっぱり取っつきづらいものがあります。

メトロと都営の乗換駅で、とてつもなく長い距離あるいは何度も階段を上下しないといけなかったりすると、不便すぎるやろ、と文句も言いたくなります。

大阪の地下鉄で言うと、東梅田から西梅田への乗り換えとか、今里駅での今里筋線・千日前線の乗り換えくらいの距離が、東京の地下鉄では頻繁にあります。わざと作っているわけではなく、やむを得ない結果なのでしょうし、今さら抜本的に作り変えるわけにもいかないでしょう。

逆に、大阪の地下鉄には無いメリットとしては、ほとんどの地下鉄路線が私鉄・JRと相互乗り入れしていて、都心から1本で他県まで行けます。

調べてみると、
日比谷線:東武鉄道
東西線:JR、東葉高速鉄道
千代田線:JR、小田急電鉄
有楽町線:東武鉄道、西武鉄道
半蔵門線:東急電鉄、東武鉄道
南北線:東急電鉄、相模鉄道、埼玉高速鉄道
副都心線:東武鉄道、西武鉄道、東急電鉄
浅草線:京浜急行電鉄、京成電鉄、芝山鉄道、北総鉄道
三田線:東急電鉄、相模鉄道
新宿線:京王電鉄
と、これだけの路線が直通で運行されています。

大阪の地下鉄に乗り入れているのが、
御堂筋線:北大阪急行電鉄
中央線:近畿日本鉄道
堺筋線:阪急電鉄
と、3/8に留まるのに比べると明らかに東京地下鉄の乗り入れ度合いが凄いことが分かります。というか、JRが地下鉄と乗り入れているのがそもそも面食らいます。大阪ではちょっと想像できません。

神奈川県から東京都を経由して埼玉県まで行く路線とか、もはや地下鉄ちゃうやろとツッコんでしまいそうです。

翻って大阪では私鉄王国ということと、かつての大阪市交通局の大阪モンロー主義によって、私鉄と地下鉄が連携していなかった歴史が存在します。しかし、大阪以外でいうと、京都では、東西線と京阪、烏丸線と近鉄が一応乗り入れていますし、神戸でも山手線が北神急行(今は神戸市交通局のものになりましたが)とつながっています。大阪メトロの方がアレなんですかね。

ともかく、首都圏の郊外から東京都心まで一本でつながる楽ちんさは羨ましいです。その代わり混雑が半端ないのでやっぱり羨ましくはないですが。

東京も大阪も地下鉄路線は戦前からあり、今さら徹底的に便利に作り変えるのは不可能です。東京は乗り換え駅でも距離があり、大阪はそもそも乗り入れしていない方が多いという不満を抱えながらも、なんとかやっていくしかないですね。

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