グリーンオーシャン戦略よりも。
競争が激しく参入しても成功の見込が薄い業界・商圏のことをレッドオーシャンと言い、逆に競争相手が少なく参入できれば大きな利益を得られるものをブルーオーシャンと言います。
これはビジネス戦略上の言葉だったはずですが、もう一般的な用語になりつつあります。
色の三原色を思い出すと、じゃあイエローオーシャンもあるのかというと多分無いですよね。
いや違う、光の三原色だということで、赤青の次は緑となると、グリーンオーシャンということになり、これは欧米のリベラルな人が好きそうな言葉になります。
実際、環境・社会・ガバナンスにおけるパフォーマンスを目指す戦略としてあるようですが、昔ながらのCSRが形を変えただけとも言えますし、むしろESG・SDGsを売上利益の最重要課題に据えた現実的なモノだとも言えます。
どちらにしても、何でも良いから利益を上げることのみを目指す、ごく普通の一般的な営利企業とは一線を画すことがアピールポイントになります。
中小零細企業ではそこまで配慮できる体力はほぼ無く、そういったことに精力的に取り組める企業は限られています。その中での厳しい競争になるのですが、そもそも商売上に必須ではない配慮をした分、経費が増えて利益は減ります。
新たに商機を得られることもあるでしょうけれど、まあ難しいでしょう。取り組める事業の種類も、取り組み方にも制約が掛かります。
その分、株主がそっちの方向に進むように圧力をかけるか、利益が減っても文句を言わないのであれば、そういう方向に進むことが出来るでしょうけれど、どうなんでしょう。株主からしたら利益が減って株価が下がり配当も減るのと、何でも良いから儲けてもらって後はこっちで勝手に寄付など社会貢献をする、という方がスッキリするとも思うのですが。
さらに、こういった環境・社会に配慮する企業を応援するという触れ込みのファンド・投資信託もたくさんありますが、もしそのファンドに組み込んでいる企業が、利益を上げたが環境保護していないということになった場合、構成から外すのでしょうか?
利益を上げたことで株価が上がり、売却益が出た場合はそのファンドの存在理由と矛盾してしまうのですけれど、そういう時はどうするのでしょうね。
そもそもが、資本主義以外の論理で資本主義の根幹たる株式を売り買いすることが間違っているんじゃないですかね。
大っぴらに環境破壊や反社会的な活動をする企業は儲けていても裁判や規制によってビジネスモデルが崩壊するリスクがあります。日本で言えばサラ金関係はグレーゾーン金利廃止で軒並みアウトになりました。
そういうヤバそうな企業以外なら投資OKとして、儲けた一部を寄付などしていった方が、手っ取り早い気がします。