サッカーでのVARのチャレンジ回数制限もあってもいいのでは?

昨晩に行われた、ACLの神戸の試合は、色々な議論や疑惑を呼びそうなVARでのゴール取り消し、VARでのゴール承認、そして最後の最後にPKという神戸にとっては辛い判定の連続で逆転負けとなりました。

コロナ禍によりJリーグもACLも過密日程となり、J1では5連敗の状態でカタールに着いた神戸が準決勝まで進み、あと一歩で決勝進出を逃したところまで行ったのはすごいことだと思います。それだけになおさら、昨日の試合の判定には思うところがありますが、文句を言っても覆りません。VARに関してはまだ誰も慣れていないのが真相だと思います。

Jリーグでは2020年シーズンから導入したVAR(ビデオアシスタントレフェリー)ですが、コロナ禍によって開幕戦のみの施行となってしまいました。今の試合実施状況であれば来年からは復活出来るような気もしますが、実際にコロナ禍がこの冬でどのような変化を迎えるか分かりませんので予断は許しません。

とはいえ、いずれはVARがサッカーにとっては身近なものになるでしょう。誤審は減るに越したことはありませんが、VARの導入によってゴール前での混戦になる度に主審がビデオをチェックするようになってしまい、試合がその都度中断してしまうと楽しさも減ってしまいます。

やっている選手も精神面だけではなく、身体が冷えてしまうのも問題でしょうから、もっと利用される技術が発展してVARのチェックにかかる時間を短く出来るようになるか、あるいはいっそのこと他の一部スポーツで採用されている回数限定のチャレンジ制度に変容するかも知れません。

今のVARはレフェリーが判断してチェックしていますが、場面によって監督が異議を訴える形にすれば、両チームが流した微妙な場面は試合の中断を招かなくなります。

チャレンジ回数の設定やどんな場面で利用出来るかなど、議論の余地はいくらでもあるでしょう。開始1分の疑惑の場面ではチャレンジの権利を惜しんで利用せず、その後はチャンスも無く敗れてしまったら、「あの時使っていれば良かった」と悔やむでしょうけれど、それはチャレンジ制度がある他のスポーツでも同様です。

あるいは、主審とは別の人間がビデオ判定を下す、ということで時間節約は出来るかも知れません。大相撲でのビデオ判定は土俵の上にいる行司ではなく土俵下の勝負審判が行います。その結果、差し違えが起きることもありますが、最終的なジャッジは審判団が下すということになっているから出来ることでしょう。

サッカーの場合はあくまで試合中のジャッジは全て主審が下すことになっていますので、根本的なルールを変えないと、ビデオ判定で主審以外がジャッジを覆すということも出来ないはずです。そこまでするくらいならVAR自体止めてしまえ、という主張も出てきかねません。

どんなスポーツにおいても、50年前、100年前とはまるっきりスピードが異なります。主審の肉眼だけでは追いつけなくなる以上は、何らかの対策は必須です。人間がジャッジすることに重きを置く気持ちは分からなくはないですが、誤審が増えていく状況を放置していては、誤審の中にいろいろな疑念も湧いてしまいます。

本来のスポーツの在り方と、誤審を減らすための技術活用とが上手く織りなせるために、どのような仕組みが一番良いのかはまだまだ試行錯誤が続くのだと思います。

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