2022年11月13日J1参入プレーオフ決定戦テレビ観戦の感想
今日で来シーズンのJ1クラブが確定します。J1参入プレーオフの決定戦は、J1の16位京都サンガと、J2の4位ロアッソ熊本との一戦となりました。
京都は引き分け以上で残留で、熊本は勝利しかありません。
このプレーオフでは1回戦・2回戦共に熊本は2-2での引き分けで、リーグ順位上位としてのアドバンテージで勝ち上がってきました。しかし今日は勝つことが絶対条件です。
京都は最終節で降格が決まっていたジュビロ磐田の守備を崩せず、スコアレスドローによってこの決定戦への進出が決まりました。この試合では引き分けで良いのですが、90分守るだけのようなサッカーはしないでしょう。
京都対熊本といえば個人的には数年前に西京極で暇なときに観に行ったことがあります。京都が布部監督でJ2での残留争いをしていて、まだ闘莉王が現役でした。熊本は田中達也がキレキレですごかったです。
さて今日の両チームはその頃と様変わりしているでしょうけれど、どちらも積極的に攻めることになるでしょうか?
雨交じりの亀岡での前半キックオフ。
序盤から両チームともポンポンとロングボールを蹴って安全策には出ずに、自陣からでも細かくつないでいきます。
ファーストシュートは6分の熊本。裏抜けのロングボールからパスとドリブルをつないでの良い攻撃でした。
10分には左サイドから細かくつないだ京都がミドルシュートも枠を大きく外れました。
逆に熊本は12分に右サイドからつないでシュートも大きく外れました。
お互いにブロックを固めて守ってカウンターというサッカーとは異なり、一発勝負らしからぬ展開になっています。京都は豊川が相手ライン裏に抜けようとしてもボールが出てこないところが、ちょっと意思疎通を欠いているようにも見えます。
熊本はフィニッシュの精度以外は、ロングボール・ショートパス・ショートカウンターと多彩に仕掛けています。
18分には熊本が京都PAに侵入してシュート。DFのブロックで京都は難を逃れました。
22分には京都が裏を狙うもブロック、しかしその直後に右サイドからクロスであわやというシーンを作れました。この辺から京都がチャンスを作り、熊本がギリギリしのぐという場面が続きます。
熊本も自陣からショートパスの連続で攻め込めますが、アタッキングサードでのラストパスに難があります。
38分には高い位置で奪った熊本がミドルシュート、詰めたところも決めきれずも非常に惜しい場面でした。
と思ったところで直後に京都の豊川が、熊本DFのミスを逃さず、一瞬の隙を突いて熊本ゴールを破り先制に成功します。豊川と言えばかつてベルギーのオイペン所属時に、最終節に3得点1アシストでライバルを得失点差で上回り残留の立役者となったことを思い起こします。
直後にも熊本は甘い処理からピンチを招き、解説の早野氏が言うように踏ん張りどころです。
結局このまま前半は1-0で終了。熊本はプレーオフ1回戦同様、ショートパスで攻め込めても得点出来ない状況を改善しないといけません。
後半は、京都が攻め込み川崎のシュートは佐藤がCKに逃れる展開から始まりました。
京都はカウンターでも遅攻でも、低い位置で奪われずに最後はシュートで終わっていれば恐れる必要はありません。京都側の1点は、レギュレーションを考えると、かなりの重みを持っています。
それでも55分には熊本が左からのクロスに頭で合わせるも上福元がセーブ。不思議なことに熊本は、プレーオフ1回戦から大木サッカーの代名詞のようなショートパスからの接近・連続・展開よりも一人二人飛ばしたボールの方が、相手にとって危険なのですよね。
61分には貴重な先制点を挙げた豊川を下げましたが、京都はもし万が一、熊本に追いつかれてもピーターウタカという強力なFWが控えにいます。
68分、ターレスが入って活性化した熊本の攻撃が実を結びます。ターレスが取ったCKからイヨハがニアサイドで合わせてプレーオフ2戦連続のゴールです。熊本は最前線の決定力が無くても、セットプレーからの得点で勝ち抜けてきました。まさにその形で追いつきました。
これで1-1。このままいくとまだ京都が残留ですが、熊本が押す展開になり始めたところで、京都が遂にウタカも投入。
残り時間が減るにつれ、熊本が攻めて京都が守るという展開になってきました。
85分を過ぎると、京都は数少ない攻撃の場面でもコーナー付近で時間を稼ぎます。
アディショナルタイムは4分。CKでは熊本GK佐藤も上がってきます。
そのCKから熊本がこぼれ球のシュートでウタカのブロックとポストに阻まれてしまい惜しくもゴールならず。
ビッグチャンスを逃した熊本は反撃ならず、そのままタイプアップ。1-1での決着となり、京都サンガのJ1残留が決まりました。
最後まで緊張感があるグッドゲームだったと思います。早野氏が言ったように、熊本としてはレギュレーションに笑い、レギュレーションに泣いたプレーオフでした。J3から2年でのJ1昇格ならず、また来年もJ2です。しかし他クラブからのマークは厳しくなるでしょう。
京都にとってはレギュレーションに助けられましたが、豊川の先制点が非常に大きかったですね。また、最後の大ピンチをしのげた幸運を呼び込んだ執念の守備は、チョウキジェ監督のある意味真骨頂ではないでしょうか。
Jリーグの残る試合はJ3の最終節です。今日の試合で今治の昇格が無くなり、松本と鹿児島が昇格の可能性は残すも得失点差が大きく開いているため、ほぼ確実に藤枝MYFCの昇格が決定的となりました。
あとはJFL、奈良クラブはJ3参入が決まりましたが、最終節での観客数にJ3参入がかかるFC大阪がどうなるか。
さらにJFLへの登竜門となっている全国地域サッカーチャンピオンズリーグでは、FC刈谷・栃木シティFC・沖縄SV・ブリオベッカ浦安の4シームが決勝ラウンド進出を決め、上位2チームがJFLに昇格します。沖縄SVを引っ張る高原直泰が来年、三浦知良の対戦相手になる未来が来るのでしょうか?