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大阪都構想の住民投票再び
大阪に住んでいるものとしては無視できない大阪都構想に関する住民投票を、2015年に続き二回目として実施することが決まりました。
都構想については、賛成派も反対派も主張が入り混じり、前回の投票結果同様、どちらかの意見が圧倒的に受け入れられているという状況ではありません。今回もおそらく、拮抗した投票結果になると思います。
賛否両論あるのは当然ですし、住民にとって重大な影響がある問題を住民投票で決を採るというのはこれもまた当然のことです。
ただ、2015年にギリギリとはいえ都構想反対の票が上回る結果が出たことに対して、再び大阪維新の会が再度の投票に向けて動き、5年後に再度の住民投票をすることになったという点に対しては、住民としては忸怩たる思いがあります。
2015年の投票はなんだったのか?
もちろん、一度投票で結果が出たら、未来永劫その結果を尊重し続けて変更してはいけない、と言うつもりはありません。
社会情勢の変化に応じて対応を変えていかないといけない場面はあるでしょうし、それこそ政治家はそのために存在しています。
EUやECへの参加を決める国民投票を、ヨーロッパ諸国はかつて実施しましたが、一度否決されてもしばらく経って再度投票を行ったケースはいくつもあります。
しかし、投票結果が出てそれに納得いかない政治家が、再び短い間隔で何度も住民投票をさせるとしたら、それはそれで結果によって投票の意義を変えるということにもなってしまいます。
イギリスのブレグジットがまさにそうでした。再投票を求めるブレグジット反対派に対して、内心では反対であっても、テリーザ・メイ前首相は再投票には一切踏み切りませんでした。素振りも見せなかったですね。国民が下したブレグジットの決断は、例え賛成派のフェイクニュースに踊らされたとしても結果として尊重すべきだという信念が前首相にあったのだと思います。
5年で再投票してもいいと言うことであれば、例えば今回都構想賛成が過半数を占めたとして、さらに5年後今度は反対派が再度の住民投票を求めたときに拒否することは出来ないのではないでしょうか?
大阪維新の会は、大阪府内において地方議会でも国会議員選挙でも、他政党や他会派に比べてずっと優勢ではありますが、無条件の信任を与えている訳ではないということは、まさに2015年の都構想住民投票で明らかになりました。
今回の都構想再投票は、大阪維新の会が大阪市長・府知事を同時に辞職してダブル選挙を行い、それに勝ったことで信任を得たという理屈で実現させましたが、もう一度投票する以上は、僅差で勝っても正当性は微妙なところでしょう。
わずか5年で再投票するのであれば、それだけの情勢変化の根拠が必要です。今年のコロナ禍は社会の大変化をもたらしましたが、それが都構想に直接結びつくわけでもないでしょう。
2回目の投票をするのなら、ダブルスコアで賛成派が多数になるくらいにならないと、前回結果を打ち消すこと、かつ反対派による数年後の再々投票要求を拒否することは出来ないのではないでしょうか。
今回の再度の住民投票が大義があるものなのかどうなのか。
ちなみに、自民党内の内ゲバみたいな、大義の無い郵政選挙をやった自民党は選挙では大勝しましたが数年後に政権を失いましたね。
果たして維新の会は都構想を実現出来るか、そして実現した後も大阪で支持を受け続けられるでしょうか?