関電幹部たちの金品受領問題の醜悪さ
関西電力の多くの幹部による、取引先や元助役との癒着が疑われる金品の受け取り問題が起こりました。報道が進むにつれてこの問題の根深さや電力業界の闇を感じずにはいられませんが、こういうことがあることによって結局まともな人も損をするというのが、なおさらこの問題を起こした関西電力・自治体・取引先への憤懣を増幅させます。
金品を渡して脅してきた取引先社長と、地元で力を持っている元助役によって無理矢理受け取らざるを得なくなったものであり、収賄には当たらず法律的にも問題ない。そして我々は苦しみながらお金や物品をもらい続けて会社としての対応は取らずに個人で全て管理して悩み続けてきたので辞める必要は無い(キリッ)。
【関電金品受領問題】「返却できず個人で保管」 関電社長、苦しい弁明に終始
https://www.sankei.com/west/news/190927/wst1909270027-n1.html
という理屈をどうやら本気で言っていたときには驚きもしましたが、その後も色々と問題が見つかり批判も非難も浴び続けたことで、ようやくトップは辞めることになりました。すぐではありませんが。
関電不正でトップ辞任 政府の責任で全容解明を
https://mainichi.jp/articles/20191010/ddm/005/070/132000c
関西電力の幹部が福井県高浜町元助役から多額の金品を受け取った問題で、八木誠会長が引責辞任した。岩根茂樹社長も第三者委員会の調査が年内に終わり次第、辞任する。
しかし、原発関連だけではなく太陽光発電でもとかいう報道もありました。
「まだまだ氷山の一角ちゃうか」嘆くOB。関電「原発マネー」問題、深まる闇と出回る告発文
https://www.businessinsider.jp/post-200284
八木会長はじめ今回の金品授受に関わった役員たちの辞任は発表されたが、太陽光発電など原発以外の部門でも幹部による不透明な金品の受領が報じられ、徹底した調査を求める声が高まっている。
関電と取引している他の業者もそういうことをして仕事をもらっているのかと疑われかねません。関電と取引しているといえば、これまでならむしろその業者への信頼の証とも言えたはずです。しかしむしろ不正の証とまではいかずとも、「ウチの会社は関西電力と取引している!」と大声で言えないようになってしまいました。
さらにいうと、このような不正が原発関連だけでは無く太陽光発電でもあったかもしれない、ということは、火力発電所や水力発電所の新設や整備などでもあったのではないかと勘ぐってしまいます。
私個人は以前のnoteにも書きましたが、いざという時のために原発は少し残しておくべきだと思っています。
しかし、だからといって現状の電力会社をこのまま残す必要は無いかも知れません。まるっきり別組織の電力会社やあるいは株式会社でなくても良いのかもしれません。もちろん、インフラの敷設、整備、保全などは相当な人員や経験、知識が必要なはずです。だからこそ電力会社は安易な商業原理に基づいた過当競争に晒されて経営危機に陥らないように、各地域ごとの独占事業を許されてきました。電力小売りが認められた点などは改革はありましたが、発送電そのものは東京電力や関西電力などがその地域で独占しています。経営規模やメンテナンスのノウハウなど、他者が参入を許されても安易に参入できる会社などあるはずもない分野ではありますが、このままでそれら独占電力会社が正常化出来るとも思えません。
東京電力や関西電力という肩書きの会社でないと発電所や送電線を維持できないというわけでもないはずです。すぐに新しい会社を作ることなど出来ないと思いますが、もし代わりに電力を提供できる企業が存在しているのなら、こういった問題が起きたときに電力会社に与えるペナルティを相当に重く出来るはずです。ペナルティのため経営を維持できないというほどの重さのペナルティを与えるくらいにしておかなければ、あまたの不正は水面下で行われ続けて、たまに少しだけ表に出て騒ぎになる、というサイクルは今後も変わらないでしょう。