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明暗は分かれていないけれど方向性が異なるSoftBankと楽天

SoftBankは一般的なイメージとして何の会社?と聞かれたら、今のところはまだ携帯電話事業のイメージが大きいでしょうか。

ただ、すでにやっていることとしては、もはやビジョンファンドに代表されるような投資事業がメインとみていいでしょう。投資会社が携帯電話事業もやっているような格好です。

元はソフトウェア販売や出版事業から始まりましたが、投資事業として手を出している業種を含めるととてつもない多角化企業になっています。業種だけではなく、事業を展開している国を考えると多国籍企業でもあります。

楽天も業種としては様々なサービスを行っていますが、多くは日本国内の事業です。また、基本的にはウェブ上だけかウェブを介して利用出来るサービスがメインであり、楽天グループは個人向けウェブ関連の総合商社のようになっています。世界進出を狙っての英語公用化をしましたが、SoftBankだったら海外進出は外国企業を買収して済ませるでしょう。

携帯電話事業においても事業に乗り出すアプローチは大きく異なりました。Vodafoneを買収したSoftBankと、MVNOから始めてMNOに脱皮した楽天モバイルと見事に対照的です。

もちろん楽天だって買収していないわけではなく、カード事業、証券会社、銀行事業なんかは買収して名前を変えてグループに加えています。一から立ち上げるのが許認可などで面倒な金融サービスだからかも知れませんけれど。

楽天はあくまで、本体の楽天市場などネットショッピング事業での利用を増やすことが、他のグループ会社の事業運営も含めて究極の目的です。もちろんそれぞれの事業・子会社ごと単体での売上利益も重要でしょうけれど、トータルでの利益が生まれるなら多少の赤字は容認されるでしょう。まさに今の楽天モバイルは巨大な赤字を流してでも、楽天経済圏の新規ユーザー獲得、楽天モバイル経由での楽天各サービスの利用を増やすために維持しようとしています。

SoftBankというか、孫正義さんはもはや日本国内の事業にはあまり興味が無いように、部外者からは見えることがあります。100%国外というわけでもないでしょうけれど、規模の大きな投資や、大化けするようなベンチャー出資などを考えればアメリカやアジア市場になるでしょうね。シードやアーリーではなく、レイターステージでの出資が多いのでなおさらです。

今話題のClubhouseだって、かつてFacebookがInstagramを買収したように、利益が上がらない段階でどこかに買収されるかも知れませんが、SoftBank(ビジョンファンド)が名乗りを上げる可能性もあると思います。

これが楽天だったら似たサービスを後追いで始めて数年後に撤退するのがパターンなんですが。

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