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日本発規格のガラパゴス化を憂う

先日、札幌旅行するときにピーチアビエーションを利用しましたが、チェックイン機で出てきたQRコードの紙を、搭乗時にスタッフがタブレットで読み取っていました。久し振りに飛行機に乗ったので、他社での今のシステムがどうなっているのかしかとは知りませんが、おそらくはたいていの航空会社が同じような方式なのでしょう。

デンソーが開発したQRコードは本当に革命的なシステムですね。ウェブページのURLにもなるし、決済にも使用出来ます。最近では、Suicaなどの交通系電子マネーとは別のシステムとして、電車の自動改札機でQRコードを読み取る切符でも使用が一部で始まっています。

その一方で、クレジットカードに搭載されているチップを使ったタッチ決済も増えてきました。EdyやID、QUICPayなどFeliCa内蔵の決済は以前からありましたが、今まさに増えようとしているタッチ決済は、VisaタッチやMasterCardコンタクトレスなどの、クレジットカード会社そのものがカードに入れている決済システムです。

FeliCaは日本独自のシステムとして早くから普及してきました。特に、会社員や電車移動の多い人にとっては、Suicaを始めとする交通系電子マネーが便利すぎるくらいです。

しかし日本国外では上位規格のNFCは利用されていますが、FeliCaは普及できていません。

このままですと、FeliCaは日本だけで使用されるガラパゴス規格になりそうです。QRコードも先述の通り、デンソーが開発した日本発祥のものなのが救いですが、ここまで日本で普及したFeliCaが将来的に廃れてしまうのももったいないです。自動改札機での高速処理を考えると、インフラさえ整えれば非常に便利な規格ですし。

日本独自でスタートして普及はしたけれど国外展開できず、ガラパゴス化して終わってしまったガラケー、iモードなどと同じ末路になってしまわないかと危惧します。

21世紀以降あるいはバブル崩壊後は世界の最先端はIT業界になりましたが、日本初の規格で世界のIT業界で普及したのは、まつもとゆきひろ氏のrubyくらいじゃないでしょうか。もちろん、任天堂・SONYのゲーム機や、ポケモン、漫画・アニメなどのコンテンツは人気がありますけれど、基礎的な部分では競り負けている分野も多いです。惜しむらくはTRONですが。

規格を作った企業は当然ながら開発費を回収した上に利益を上げないといけないので、ライセンス料を取るのは当然なのですが、世界的な普及の方を優先してガンガンにばらまくようなことをやってくれないと、今後の凋落が予想される日本企業が世界的に影響を及ぼせるチャンスは、ますます減っていくのではないでしょうか。

ソフトバンクや楽天なんかはそういう所にもお金を突っ込んでいると思います。楽天モバイルのクラウドインフラなんかは面白いと思いますし、ソフトバンクはファンドを通じて色んな企業を買っているのも、どこかでそんな芽が大きくなってくれると、日本発の規格やシステムが世界的な存在感をまだこれからも維持できるでしょう。もちろん、その他の大企業だって似たようなチャレンジはやっていることでしょう。

6Gの覇権争いに日本政府も日本企業も名乗りを上げていますが、多分そこはレッドオーシャンで、アメリカと中国の資本に競り負けてもおかしくありません。もう少しニッチな分野でも良いと思うのですけれどね。

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