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いっそのこと政府がMVNOを勧めた方が携帯料金は下がるはず

菅政権成立後、毎日のように携帯料金値下げについての話題がニュースになっています。しかし、総理にしろ総務省にしろ、本当に国民全体の携帯電話利用料を減らしたいのなら、安く携帯電話を利用する方法があることを国民全体に伝えてしまったらいいのではないでしょうか。

具体的には、MVNO業者との契約の仕方、SIMフリー携帯の使い方などを大々的に宣伝した方が効果があると思います。

少なくとも、楽天モバイルを加えたキャリア4社を叩き続けても効果が少ないことはここ数年間の事例を見ればはっきりしています。それよりも国民の方に働きかけた方が手っ取り早いのではないでしょうか。

MNOではなくMVNOを勧めるのは民業圧迫だというかも知れませんが、そもそも現時点でも十分に圧迫しています。

MVNOもはっきり言って玉石混淆です。Y!mobileやUQモバイルのように、MNOのサブブランドとして高品質なところもあれば、MVNOでもIIJや日本通信からさらに回線を借りているところもあります。独自の面白いサービスを付加したり、料金や使い方を工夫しているMVNOもたくさんありますが、資本力や技術力にはMVNO業者間には相当大きな開きがあります。

それらを全てひっくるめて、MVNOに乗り換えた方がお得ですよ、と政府が言ってしまうと、安定感の無いMVNOに引っかかった人が通信トラブルを政府の責任にしてしまいそうです。

MNOには電波利用を認める代わりに、相当高いハードルを課しているので釣り合いは取れていますが、MVNOのヤバそうなところというのはそれなりに知識や経験が無いと見抜けません。もし私が人にMVNOのお勧めがあるか聞かれたら、Y!mobile・UQモバイル・IIJ・OCN・BIGLOBE・mineo・LINEモバイルあたりを勧めると思います。最近は家電量販店やショッピングモールに店舗を構えているMVNOもありますので、そういうところに行ける人は店頭で相談してもいいでしょう。

当然ながらサポートの質も量もはキャリアのショップに劣るでしょうけれど、その差が料金差になっています。無理矢理MNOに料金を下げさせるにしても、人件費・サポート費用が料金に反映されている以上は下げる限界もあるでしょう。

キャリアからの代理店・下請けの構造も携帯料金の高さにつながっているはずですが、そこら辺は具体的には政府としては突っ込めないのでしょうかね。IT業界や原発の除染作業のような、違法スレスレもしくは違法な多重下請けほど酷くはないかも知れませんが、携帯料金の内訳がどうなっているのかはどこかが公開しないと分からないでしょう。

生命保険業界における、ライフネット生命みたいなところが出てくれば明らかになるでしょう。楽天モバイルがMNOとして成功すれば業界も変わる可能性がありますが、頻繁に業務改善命令を受けているここ数ヵ月間の動向を見るに、どうなるかなあと思ってしまいます。

ともかく、携帯回線・スマートフォンが国民にとって重要なインフラ・ライフラインになったのは事実です。

その料金を下げることは国民にとっても利益のあることですし、貧しい人でもそのライフラインに安くアクセス出来るようにするのは、ある意味政府の役目とも言えます。

ただ、ここまで携帯携帯と号令している政権ですと、菅政権が小泉政権下での郵政民営化のようなワンイシュー内閣に見えてきました。今度もし解散総選挙が行われたら携帯料金値下げをお題目にするのでしょうか?

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