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天皇杯決勝は年中行事、ルヴァン杯決勝はイベント

柏レイソル内に新型コロナウイルスの陽性が多数出たことで延期になっていた、ルヴァンカップ決勝戦が年明け1月4日に開催されることが決まりました。

両チームがJ1で2位に入って元日まで天皇杯で勝ち上がる可能性、FC東京がACLで勝ち上がる可能性を考慮すると11月にも12月にも余裕が無く、だからと言って来年の1月後半には各チームでキャンプが始まりますから、1月初めにしか持って来られなかったのでしょう。

ガンバサポの私としては、1位はともかく2位にはガンバがこのまま維持して元日の天皇杯決勝は川﨑フロンターレとの頂上対決をする、と心に決めていますので、なかなか4日のルヴァン杯決勝にはあまり意識を持っていけませんが、30年近く続いているこのJリーグカップも、Jリーグファンにとってはお馴染みのものになってきました。今回中止ではなく延期となったことは誰にとってもホッとした解決だと思います。

ナビスコカップからルヴァンカップと名前を変えても、このJリーグカップは秋に決勝が行われてきましたので、その点は少し違和感が出るかも知れません。かつてのナビスコカップ決勝はずっと11月初め、特に11月3日の文化の日に開催されることが多く、しかも気持ちの良い快晴が当たり前でしたね。

2005年のガンバと千葉との決勝、2007年のガンバと川崎との決勝のどちらも綺麗な青空の下での試合でした。前者はオシム率いる千葉と120分間スコアレスで、PK戦では一番手のヤットのキックを立石に防がれて敗れたこと、後者はハーフタイムで突然やったことのない3バック、加地CBという奇策を西野監督が使ってジュニーニョを封じ込めて1−0で勝ったことは忘れられません。

その後、日程は11月初めとは限らなくなりました。2014年の決勝はガンバと広島との戦いになりましたが雨の中行われましたが10月中旬にありました。

長い間元日に固定(2014年除く)されている天皇杯決勝は、どうしても元日のイメージが強くあり、毎年決まった日、時期に行われるものという年中行事のように感じます。

ルヴァン杯決勝は名前が変わったり日付が変わったりしていることもあってか、お祭り的なイベントの感覚が個人的にはあります。しかしこれももっと長く続くと年中行事のように思えてくるでしょう。

過密日程対策や注目度などからJリーグカップ自体を無くした方がいいという意見も時々見受けられますが、決勝の朝に感じる高揚感はリーグ戦では味わえません。

天皇杯決勝はサッカーファン全体が見るものであり、観戦者層も2チームのサポーターに限られませんが、ルヴァン杯決勝の方はほぼその2チームのサポーターで客席が埋まります。

国立でも埼スタでも、最寄り駅で降りてスタジアム近くまでは両チームのサポーターが入り混じって歩きますが、ホーム側とアウェイ側の入場口に分かれて開場を待つ行列を作るところでは完全に分離します。ゲートが開き徐々に前に進んでスタジアムに入り、席を確保して、ヤマザキさんからもらったお菓子を食べたり、クルヴァ・コアサポが配るコレオ用のシートを受け取り、自チームのGK2人が出てきてコール、残りの選手が入って来てコール、出場選手の発表と煽りがあって、ようやく試合開始と続く一連の流れは、ファイナリストの2チームのサポーターのみ許された特権です。

一方、天皇杯決勝はシーズン最後の試合として位置づけられ、日本人にとって特別な意味のある元日に行われることもあり、独特の雰囲気があります。東京やその近郊に住むサッカーファンは、午前中に初詣に行き、午後から国立競技場で決勝を観戦する、ということを聞いて羨ましくも感じました。

明神がガンバを離れるときに出したコメントに「ガンバは天皇杯決勝のある1月1日まで戦うのが当たり前」というのがありました。今年こそはタイトル奪取となってほしいものです。

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