キャリアメールの終焉が見えてきたか
先日KDDIがauの新料金プラン povo を発表しました。それ以前にプレスリリースされていたdocomoのahamo、SoftBankのSoftBank on LINEと合わせて、三大携帯キャリアがこの春に出す新料金プランが揃いました。
月間データ容量20GB&5分通話無料で2,980円という点では三社とも同一ですが、auだけ最安値は2,480円だという宣伝をしたことで、また総務大臣がお怒りですがさすがにこの怒り方は若干理不尽なのかなとも思います。
それはともかく、この三社の新料金プランは総務省や菅政権の意向が大きく反映していることもあって値段が最重要視されています。
それ以外にも基本的にオンライン申込であること、ahamo以外はeSIM対応だとか、家族割りの対象だったりそうでなかったり、共通点とか違いとか様々ありますが、各キャリアが本当はもっと早くしたかったことが一つ入っていると思います。
今回の三社の新プランでは、携帯電話会社が提供するメールアドレス、いわゆるキャリアメールがいずれも使えません。
そもそも利用者自体が減り続けているはずのキャリアメールのサービスを維持するのは、各携帯会社にとっても負担になります。
個人的にはキャリアメールはもはや歴史的な意味を終えたと思っていますが、まだ利用している人はもちろんいます。
キャリアメールは迷惑メールが多すぎたためにスパム対策がキツくなり、かえってPCからとかウェブサービスからのメールが届かないことも多く、そのためにいちいちホワイトリストを設定しないといけないとか使いづらくなってしまいました。
キャリアメールが迷惑メールのターゲットになってしまったのは、リアルタイムに閲覧されることが多く、デバイスに対して確実にプッシュ配信されるという、業者側からの利点があったからですが、それもGmailなどのクラウドメールサービスが登場したことで、キャリアメールならではの利点ではなくなりました。
キャリアメールもまだまだ存在していますが、キャリアメールじゃないといけない場面というのがキャリアメール間のみでのメールくらいでしょうし、それだってスマホであればGmailやiCloudメールが使えます。第一、大半の人は知人とLINEなどを使ってやり取りしていますので、メールサービス自体が少なくともパーソナルユースではコミュニケーションツールではなく、ウェブサービス登録用のツールとなってしまっています。
そうはいっても急にキャリアメールを終了するわけにもいきません。それこそ総務大臣が顔を真っ赤にして怒り狂いそうですが、こういった新料金プラン、特に安さの代わりにキャリアメールは使えませんよ、という引き換え条件があるのなら、今後は少しずつキャリアメール利用者が減っていくのではないでしょうか。
その代わりのメールアドレスが海外企業のウェブメールというのはそれなりに不安がありますが、いっそのこと総務省が国民全員にメールアドレスを作成して配布したらいいんじゃないですかね。さらにはマイナンバーに紐付けてしまいましょう。
携帯電話が国民にとって重要なインフラだというなら、メールアドレスも重要な個人属性だと思いますが、一生使うメールアドレスも存在してもいいんじゃないでしょうか?