万博公園へのアクセス向上妄想計画
先日、吉村大阪府知事が現在のホテル阪急エキスポパーク跡地を中心とするエリアに、関西最大級のアリーナを建設する計画があることを発表しました。
このアリーナは室内スポーツだけではなく、音楽ライブやその他イベントにも利用できる多目的なものになりそうですが、興味深い計画になりそうです。
大阪のアリーナとして有名なのは、京セラドーム大阪や大阪城ホールがパッと思いつきます。あとは難波の中央体育館でしょうか。人口比率的に言ってこれが多いのか少ないのか分かりませんが、音楽業界がCD売上ではなくライブ売上に力を入れるようになった昨今では、もっとハコがあってもいいのではないでしょうか?
大阪市内に集中させた方が客入りや アクセス面ではいいかもしれませんが、北摂地域にもあってもいいでしょうし、万博公園が大きく変わりゆく様を見るのも面白いです。
広大な万博公園には、すでに自然公園、博物館、サッカースタジアム、ショッピングモール、観覧車があり、そこに大きなアリーナが加わるのもバランス的にはいいと思います。その代わり宿泊施設が無くなってしまいますが、その辺はまあ近隣のホテルに泊まってもらう、ということで。
さてそのホテル、あるいは自宅と万博公園の往復で必要になる交通機関ですが、これはかなり厳しい状態です。
すでに周辺道路は周辺住民の日頃の利用に加えて、観光客の移動でもマイカーやバスで利用されているため慢性的に渋滞しています。
そもそも万博公園まで来る公共交通機関がモノレールしかないからこそ、マイカーで来ようとする人が多くなるという悪循環もあります。
そしてこの大阪モノレールですが、4両編成で普段の本数もそれほど多くないため、 パナソニックスタジアム吹田での試合開催時にはかなり混雑します。現時点では臨時ダイヤで対応しているところですが、これに目の前にあるアリーナから満員の客が駅に流れ込むと駅の機能がストップしかねません。現状でも多めに客が入った試合後には、万博記念公園駅は入場制限がかかり、駅前のスロープを越えてエキスポシティ付近まで行列が出来ます。
今のは元々、将来の利用者増加に対応できるように6両編成にできるようになっているそうですが、モノレールを6両編成にしてもピーク時はやはり足りないはずです。
4両編成が6両編成になれば輸送量は1.5倍になりますが、吹田スタジアムと新設アリーナが同じ日の同じ時間帯にイベントを終えて客が出てくると、さばかないといけない乗客は2倍になります。
ガンバの試合では、スタジアムの近くに住んでいるサポーターも多いので試合後に徒歩や自転車で帰る人も結構いますが、アリーナでの音楽ライブでは、公園近辺に住んでいる人の割合はガンバサポーターよりもかなり低いはずです。吹田スタジアムと同じ収容人員としたら、吹田スタジアムからモノレールに向かう人の数よりも、新設アリーナからモノレールに向かう人の数の方が多いでしょう。そうなると、モノレールの混雑は2倍以上になるはずです。
モノレール1編成の輸送力が弱いことだけが問題ではなく、モノレールの路線そのものもJRとの乗り換え駅がないのが問題です。モノレールは東から辿ると、
門真市駅で京阪と、
大日駅で地下鉄谷町線と、
南茨木駅で阪急京都線と、
山田駅で阪急千里線と、
千里中央駅で北大阪急行(地下鉄御堂筋線と)、
蛍池で阪急宝塚線と、接続が出来ます。
また、大阪空港駅ではもちろん飛行機へのアクセスとなります。
ただ、こうして見たら分かる通り、乗り換え可能な路線は私鉄・地下鉄だけです。JRはありません。宇野辺駅で降りてJR茨木駅まで歩くことは不可能ではありませんが、あれを乗換駅と言うのはかなり無理があります。
つまり、JR沿線から万博公園まで行くのが面倒だということです。乗り換えを繰り返すくらいならマイカーで・・・と考える人が多いことも、万博公園の周辺道路や駐車場が混雑する理由でしょう。
そこで、アクセス向上妄想計画です。冒頭の導入部がかなり長くなってしまいましたが、大阪メトロ(旧大阪市営地下鉄)今里筋線を北方向に延伸することを個人的に求めて妄想してみます。
具体的には、乗換駅のない井高野駅で行き止まりになっている今里筋線を、万博記念公園駅にまで延伸します。途中の駅も当然ながら作ります。
井高野から北に進みますと、阪急京都線の正雀駅とJR京都線の岸辺駅が出てきます。この両駅は駅名が異なり乗り換え通路がつながっているわけではありませんが、かなり近接しています。その中間地点に地下鉄の駅を作り、乗り換え用の出入り口をそれぞれの駅構内に作れば、阪急とJRの乗り換え利用者の通路代わりにもなります。
近くには大阪学院大学もありますし、岸辺駅北西側には近年、「健都」として国立循環器病研究センターや吹田市民病院が移転してきました。大阪市内や北摂地域からこれら医療施設へのアクセスを容易にするのは延伸費用を税金で負担する一つの理由にも出来るでしょう。
岸辺・正雀駅での途中駅の次は山田市場付近でしょうか。イズミヤ方面ではなく岸辺駅からそのまま北西に進んで名神高速下から伸ばすルートもあり得るでしょう。
個人的に一番欲しいのが吹田スタジアム前駅ですが、樫切山北交差点からスポーツ広場にかかるくらいの場所でないと、万博公園駅との距離が近すぎるでしょうし、近隣住民の利用も難しいでしょう。
そして最後にモノレール万博記念公園駅との乗り換えになる駅ですが、駅の出口がモノレール駅・アリーナ前・EXPOCITY前くらいにあればいいでしょうか。
さて、こうして吹田スタジアム前に駅が出来ることで、スタジアムから万博公園駅までとぼとぼ歩く必要が無くなります。特に車椅子利用者やお年寄りなどは階段を上らないルートを通ることが出来ますが、それでもかなりの距離があります。バスに乗れば、という解決策も、車椅子でバスに乗るだけでも大変です。
もし今里筋線がこのように延伸されれば、モノレール、JR京都線、阪急千里線に囲まれた地域(以下の赤色で囲ったエリア)のアクセス向上、活性化にもなるはずです。このエリアは陸の孤島のようになっていて、バス・自家用車がないと生活が大変です。
また、この延伸で、新大阪駅から岸辺駅経由で万博公園まで楽に行けます。北大阪急行の千里中央駅経由よりかなり早くなりますので、遠方からの観光客の利便性も向上します。
何度も言いますがこれは開くまで個人的な妄想でして、鉄道や地下鉄、構築物の常識を踏まえたものではありませんので、全く不可能なのかも知れませんが、大規模アリーナが出来れば今以上に大変な混雑になるでしょう。
こういう妄想は「今里筋線 延伸」で検索すると私よりはるかに詳しく検証している方もいるので、わざわざ書くのもあれですが、具体的なルートよりは今の時代に合わせた需要の方面から書いたつもりです。
需要と言うよりは大混雑という切迫感の方が強いですが、このご時世にこういった妄想を現実にするには、「作った方がいいよ」ではなく「作らないと大変なことになるよ」という少し脅迫じみた要望があった方がいいのかもしれません。
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