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オフサイドルールの変更が本当にゴール増加をもたらすか?
かつて、カップ戦や一発勝負の試合で延長に入ったときに、ゴールが決まった瞬間に得点したチームの勝利で試合が終わる「ゴールデンゴール」、Jリーグでは「Vゴール」というルールがありました。
Jリーグでは1993年の創設時から採用していましたが、世界のサッカーシーンでは当然ながら途中から採用したものであり、賛否両論でした。
ゴールが決まった瞬間に試合が終了するというエキサイティング性がサッカーに刺激とエンタテインメント性をもたらすと思われていましたが、やってみると両チームとも先に失点するわけにはいかないので、延長戦に入るとむしろ守備的なサッカーになってしまうという弊害があったそうです。
本当に守備的になったのか、延長戦でどちらも守備的になるとPK戦になりますが、そういうケースが増えたのかどうかは分かりませんが、それ以外にも失点しても取り戻すチャンスが無いのは問題だということで、延長前半終了時点で点差があれば試合終了とする「シルバーゴール」というルールも生まれましたが、結局ゴールデンゴールともども無くなりました。
ゴールデンゴールは、面白くする目的でルールを変えても本当にそうなるかは実際にやってみないと分からない、むしろ逆の結果にもなり得る、という分かりやすい例だと思います。
さて、FIFAが最近、オフサイドルールを変更するという噂があります。
FIFAがオフサイドルール変更を検討か ゴール数“50%増加”と試算、ドイツでテスト採用へ
https://www.football-zone.net/archives/280171
かつて、ボールに関与していない選手はオフサイドの対象にならない、というオフサイドルールの大きな変更がありました。25年くらい前でしたでしょうか。
それに比べると今回の変更の検討はそれほど大きなものではありません。これまでオフサイドになっていた状態がオンサイドになる、ということです。本当に予測通り50%もゴールが増加するのでしょうか。
むしろ、それを防ぐために守備側がラインを下げることになり、かえって全体的に守備的なサッカーによってしまいそうな気がします。
初めのうちは慣れないDFラインがオフサイドを取ったつもりで失点してしまう、ということがあるでしょうけれど、すぐに対策は立てるでしょう。
かつて、スローインの代わりにキックインを試したケースがありましたが、ボールが敵陣で外に出る度にプレースキッカーがサイドラインまで行って、背の高い選手がゴール前に集まってからプレー再開していたので、大味なサッカーになり時間もかかったことで採用は見送られました。
とりあえず試してみるのはもちろんいいことですが、今回このオフサイドルール変更はあんまり意味が無いか、逆の結果になるんじゃないかなあと勝手に思っています。