アフリカにおける危機未満

アフリカ北部西部の各国で、ここ数年相次いでクーデターが発生しています。

ブルキナファソ、マリ、ニジェールといった国々ですが、フランスが旧宗主国である点は結構重要で、第二次世界大戦後及び冷戦終結後に、フランスがそれら旧植民地国家において、支援よりも搾取が優先されてきた証しでもあるでしょう。端的に言うと嫌われるようなことをしてきたと言えます。

もはや旧植民地、旧宗主国という関係性自体が歴史的遺物なのでしょうけれど、言葉の問題、経済的つながり、資源などを考えると、そう簡単には関係性は途切れないのも道理です。

ニジェールを始めとするアフリカ北西部の国々でフランスが追い出された後、ロシアや中国がプレゼンスを高めていますが、上述の記事にあるように、アメリカも影響力を高めようとしています。

ただ、旧植民地において現地勢力からフランスが追い出された後に、アメリカが乗り出してくるという構図は、1960年代のベトナムを思い起こさずにはいられません。

ベトナムでもフランス、次いでアメリカと密接な関係を持って腐敗していた独裁者が追い出された後に、泥沼のベトナム戦争が起きました。

ウクライナ戦争とパレスチナ紛争の真っ最中に、ヨーロッパにほど近いサヘル諸国でアメリカが戦争を始めたらとんでもないことになります。

さすがに現代のアフリカでそのようなことが起きるとは思えませんが、つい先日、第五次中東戦争と言ってもいいような自体が発生したのですから、歴史は繰り返すものです。

アメリカ・フランスはアフリカにおいてしばらくは、穏健な対応に終始せざるを得ないでしょうし、その間にロシアと中国が好き勝手し始めるでしょう。ただ、それはアメリカの代わりに厄介ごとも中露が背負い込むようなものだと思うのですけれどね。

一番の被害者は、それらの国々での貧しい人たちであるのは間違いないのですが。

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