無報道陣のオリンピックはアリかナシか?
東京オリンピックが近付いてきました。制限付きの有観客での実施になりそうですが、観客に関する問題は観客が密集することによるクラスター発生の可能性です。これについては、日本ではプロ野球とJリーグで1万人規模での実証がありますので、入場前のチェックを厳しくすればそれほど怖くはないかも知れません。一応先日、こういうことを書きましたが、無鉄砲な人が出てこないことを祈ります。
オリンピックはスポーツであり、スポーツである以上は競技者が当然のことながら存在します。その選手と観客は基本的には直接触れ合いません。屋内競技でも換気に気をつけるでしょうし、観客と選手の間の感染ということはおそらくですがほぼあり得ないと思います。
一方で、選手同士の感染というのはあり得ます。当たり前ですが、密もなにも、接触するスポーツであれば感染のリスクは絶対あります。競技の前にも後にも、検査に次ぐ検査をするでしょうし、これはスポーツを行う以上、五輪だろうとなかろうとどうしようもないリスクは残ります。選手の側にいるコーチら関係者も同様でしょう。
そして、オリンピックは選手と観客だけで行われるわけではありません。その競技の様子や選手の声を伝えるマスメディアの人たちがいます。報道陣は観客よりも選手の近くにいます。そしてインタビューや取材で密な状況にもなりかねません。それによる選手から報道陣、報道陣から選手への感染のリスクも出てくるはずです。
東京オリンピックの実施の是非、加えて有観客での実施の是非についてマスメディアの人たちが異論を唱えるなら、マスコミたる我が社は東京オリンピックの取材を一切しません、と啖呵を切るところが出てきても良いと思うのですが、そんな会社は無さそうです。
日本国内のマスコミだけではなく、世界中から取材のための報道陣が来ます。そして選手や関係者ほど厳しい規制をされない記者やカメラマンたちは、競技が行われていない時はどこに行くのか、どこに居ることになるのでしょうか?
バブル方式によって隔離されている選手団のように、報道陣も隔離する必要はないのでしょうか?
選手・関係者たちと日本の一般社会とを悪い意味で媒介してしまう役割を、図らずも心ならずも果たしてしまいかねません。
私自身は、今夏の五輪開催及び有観客での開催には反対ですが、ただ、反対するマスメディアの人たちが本人ではなくとも同僚たちが、いつも通りに取材する前提でいるのには疑問を覚えてしまいます。